PMF2006応援日記! その2
2006年7月 13日 19:00〜 札幌コンサートホール
PMFウィーン木管アンサンブルコンサート
先に大通で素敵な演奏を聴かせてくれたPMFウィーンの木管楽器奏者を中心にしたコンサートである。
客席は7分入っただろうか・・・。ちょっと寂しい。
当日券売り場をのぞくとCBブロックセンターの2列目が丸ごと確保されていた。
今年はPMFフレンズ先行ではないルートでの購入で、真ん中のブロックではないが、
やや斜めから、左右翼で吹くガブリエル、シュミードルを見るには十分な位置だ。
プログラムはオール・モーツァルト。
前半は木管五重奏曲。
冒頭ガブリエルのオーボエが今ひとつ音が出ない様子で心配だったが、
第1楽章提示部の終わりには調子を取り戻し、いつものウィーン調が聴けた。
全体として大変優美な演奏で、少しメリハリがあってもいいかもしれないが、
ここまで柔らかい音楽をやられると文句も出ない。
コックスのピアノはやや慎重になりすぎたか、硬さもあったが、
管楽器のしなやかさに対してはこれでバランスがとれていたように思う。
心配だったホルンも好調で、第2楽章で上手なソロを聴かせてくれた。
後半の「13管楽器・・・」は4人のウィーン・フィルに9人のPMFアカデミーだから、
これはもはや「PMFウィーン」ではなく、
ひねくれた考えをすると、チケットの値段の設定は高すぎるかもしれない。
演奏の完成度はけして高いものとは思えなかった。
13人の急造のアンサンブル、さらに練習時間も十分にとれなかったのでは?
音楽のスタイルまでは十分なすり合わせができなかったと思われる。
音楽は速めの無機的なイン・テンポで進められた。
本来あるべきと思われる「間」はほとんど無視されて、
間隔の調整できないスライドショーを見せられているような居心地の悪さだった。
時折聴かれるソロは確かに魅力的だが、
トゥッティとなると、それぞれの音価の取り方もそろっていなくて、
全体のバランスもオーボエ、コントラバスが弱く、
クラリネットとバセットホルンの響きばかりが強くて、
音楽の隈取があまりにも甘いものになってしまった。
バセットホルンでは技量の問題か楽器のトラブルか、
フィナーレのソロで明らかに特定の音が出ていなかった。
月曜日のメストレのハープをあきらめて選んだ「13管楽器」。
隣の男性など「ブラヴォー」を叫ぶほど客席は沸いたけれど、
自分にはどうも納得のいかない演奏だった。
アンコールに「13管楽器」のフィナーレ。
終演20:55
2006年7月 15日 19:00〜 札幌コンサートホール
PMFオーケストラ クライツベルク指揮
PMFOのAプログラムは、注目のクライツベルク登場である。
プログラムは自分には申し分の無い3曲が並んだ。
客席もほぼ埋まった、まずはめでたい。
ずいぶんとちょこまかとした貫禄のかけらも無いお兄ちゃんが登場。
そしてその外見どおりの音楽が2時間続くとは思わなかった。
最初は「トリスタン」。
冒頭の間の取り方、付点音符の扱いと実に丁寧な音楽を作ると思わせた。
しかし、若者たちのオケにカラヤン&BPOに聴かれるむせるようなうねりなど期待はできないとはいえ、
鳴りが良いだけであまりにも無味乾燥な音楽である。
またPMFオケとしては驚いたことに濁った弦楽器の響き、音程の管理がよくないのだろう。
気がつけば、丁寧と思ったクライツベルクが、とてつもなく雑な棒なのだ。
指揮法の本によく基本的な振り方なんて図形が書いてある。
それを尊重せよとはいわないが、
この人は1小節ごとに振り方がちがうんじゃないか?
同じ図形を振った小節などひとつもないのではないか?
指揮法なんて知らないのではないかとまで思わせるもので、
そのアバウトさにオーケストラもよくついていけるなと逆に感心。
愛の死のクライマックス、ヴァイオリンのあそこまでの不揃いを見逃していいのだろうか?
コーダで管楽器が聴かせたオルガンのような響きが唯一の救いか?
ティンパニにはなぜかミッテルマイヤー。
なるほど、「トリスタン」のティンパニ・パートは若者にはちょっと退屈か?。
2曲目は管楽器のための協奏交響曲。(当家のPCは「強壮交響曲」とキター!)
PMFウィーンはガブリエルが音程がややフラット気味。
ヤネツェクは鳴るもののやや不安を抱えた感じ。
シュミードルとトゥルノフスキーの好調が際立った。
しかしそれより際立ったのはクライツベルクの指揮。
第1楽章、なんで「トリスタン」より運動量が多いんだ?
一方長いオケの休止のあとの入りでの唐突で無神経な振り方。
響いてくる音楽も腰のすわりが悪い。
時折聴かれる表情に魅力的なものがあるが、その場限りで先につながらない。
なんとかソロの魅力で聴き通した30分、それもモーツァルトだからこそか・・。
20分の休憩後はショスタコーヴィチ。
おなじみの曲である。大音量でずばっとフィナーレが決まればある程度聴き手は満足しよう。
フル・オーケストラの音を聴くという「快感」は捨て難い。
しかしこの日の演奏にそれ以外なにがあったろうか?
音楽をうわべでなぞるような指揮振り、
ぶつぶつと細切れにされたフレーズ。
例の「証言」などどうでもいいが、やはりそれなりに象徴的なシーンがあっていい曲である。
たとえば第3楽章の最後のクライマックス前の2発の鉄琴のなんとも無造作な扱い!
フィナーレ大詰めには弦の刻みをプルトの表裏で上下逆にする暴挙!!
それを望むなら作曲家自らそう書いただろう。
自分がなにかとてつもないカリスマになったと勘違いしているのだろうか?
わがままな自己陶酔の指揮振りはあまりにも後味の悪いものだった。
終演21:05
2006年7月16日 08:30 Massa-'s Home(その1)
おはよう!
お父さん、昨日の花火、面白かったよ!
携帯で撮った写真を見せてくれる息子。
花火行きたかったな〜!
PMFOコンサートの昨夜、当地では数年ぶりの花火大会が大々的に?行われたのだった。
クライツベルクが「あの程度」なら、日曜日の野外だけ聴いて、
花火大会を見に行ったほうがどれだけよかったか・・・。