PMF応援日記っ!その5


2001年7月20日 18:00 札幌コンサートホール 

  PMFオケの二つ目のプログラムです。

  全体の流れとして、冒頭のラヴェルはテンポも含めややギクシャクした感がありましたが、「海」からしだいに落ち着きまして、
「春の祭典」では最後金管が疲れましたが、デュトワの的確な指揮のもとクライマックスを築きました。

オケに対しては先週感じたことに大きく加える点はありません。

  金管はやはり見事!トランペットパートが特に目覚しい活躍でした。トロンボーンはやや不安定かな?
ただしスコアで最後10ページくらいは疲れ気味で心配しましたが、結果的には破綻ひとつなく立派な出来でした。

  木管楽器は各自が独特の音色を持っていまして、それが溶け合うまでには至っていませんでした。
 「春の祭典」冒頭では、ピッチもややあぶなかった様に聴こえました。

  私の趣味として、問題はやはり弦楽器。音が今ひとつ前面に出てきません。先週の「ドン・ファン」あたりはまだ鳴りがよかったように思います。
 ただしこれはデュトワの作る響きの趣味から来るようにも思われます。

  さてデュトワの指揮ぶりですが、昨年の「ペトルーシュカ」同様、スコアを体現した的確な指揮振りです。
私自身この曲は高校生の頃にスコアを入手して聴いていたのですが、デユトワの指揮振りを見ているとあの複雑なスコアの形、
拍子記号が頭に浮かんでくるようでした。

  「キザ」とか「職人的」と揶揄する向きもあるようですが、短期間で俄か作りのオケをまとめ上げる手腕、私にはどちらも見当はずれに思います。

  会場にはシュミードル首席教授、堀正文さんほかインターナショナル・プリンシパルのメンバーの顔も見られました。
 あしたは芸術の森で、彼等のミニトーク・コンサートを3本聴いてきます。


2001年7月21日 10:30〜 札幌芸術の森アートホール

  ミニトーク・コンサート最終日は11:00開演です。
駐車場からアートホールへ向かう途中、またまたシュミードル首席教授に遭遇。
会釈してくれました。ありがたやありがたや・・・。
・・・ちなみに私はPMFにはいつも同じ服装で出向くことにしています。その成果が出てきたかしら・・・?

先週と違って、開演30分前には行列は出来ていませんでした。

アリーナは金管楽器の出番でしたので行列を予想したのですが土曜日ということで人が集まらなかったでしょうか?
11:00〜 ツィーベル、メルケロ、ハロッズ
  ツィーベル(Hr)
   興味深かったのはモントリオール響のレジデント・コンポーザーによる作品。
  ピアノにぴったりと着いて演奏するかと思うと、響きをピアノの筐体に鳴らしてピアノ線を振るわせて独特の残響を出します。
  なにもしないかに見えるピアノ奏者は、ペダルで残響を調節していました。
  メルケロ(Trp)
   タルティーニのヴァイオリンの曲をピッコロ・トランペットで演奏。トランペットがオリジナルであるといっても疑わせない演奏。
  ハロッズ(Trb)
   「トロンボーンは歌えない、ダイナミクスがない」というエピソードを紹介。その誤解を解くべく、じつにニュアンス富んだ音楽。
  最後の最強音も音は割れることなく、豊かな音ががホールに響きました。

12:15〜 堀正文、トレムブリー
    やはりヴァイオリン、たくさんのお客さんが並んでいます。しかし運良く最前列に陣取ることが出来ました。
  堀正文(Vn)
    トークは苦手?な様です。音楽もあまり出すぎず、クライスラーでもは重音をたっぷり鳴らすのではなくあくまでも自然に聴かせます。
   メインのパガニーニも、押し出しは強くないのですが超絶技巧と自然な音楽がきっちりとまとまっていました。
  トレムブリー(Cb)
    1曲ずつ、準備したメモを見ながらのトークコンサート。朴訥な人柄どおりひたむきな音楽。
   メインのボッテジーニはもちろん、ラストのタバコフの曲も素晴らしい。

13:30〜 ハンター、バルトロメイ、シュミードル
    ここだけが大練習室のコンサート、空調はあまり利いていません。
    ハンター(Va)
     あまり深い響きという感じではありませんでしたが、技巧的には非のうちどころのない演奏でした。
     ・・・すいません、ちょっとうとうとしていました・・・。
    ハンター、バルトロメイ(Vc)
     ひょっとしたら、ほとんどぶっつけ本番でやったのでしょうか?
    それが逆に二人の視線の交わす様子をはじめ、室内楽の楽しみを感じさせてくれました。
    シュミードル(Cl)、バルトロメイ、リー・シンイン(Pf)
      ベートーヴェンの「街の歌」です。バルトロメイイの豊かな音の上にシュミードルが彩りを添えます。
    ピアノのリー・シンベイさんも骨太ではありませんが明確なタッチで二人を支えます。
    名演です。今年はこれでミニトークは最後ですが、締めくくりにふさわしいものでした。

14:30 野外ステージ前

     長い行列が出来ています。一方ステージの方からはストラヴィンスキーを練習している様子がうかがえます。
    周囲の音が聴きづらい野外での演奏です。昨日のデュトワの指揮ぶりから万一の事故はないとは思いますが、
    ちょっと心配です。


2001年7月22日 15:00〜 札幌円山公園
PMF 2001 SAPPORO スペシャルコンサート デュトワの「兵士の物語」

 佐渡さんのヴェルディのレクイエム以来久しぶりに子連れのPMFです
下の方ははじめてのコンサートです。午後2時までは動物園でたっぷりとサービスしてご同伴願いました・・・。

 ステージは箱車のトラックを利用したもの。上手に7人のアンサンブル、下手に俳優たちのパフォーマンスのスペース。
語り手はさらにその端にというセッティングです(デジカメを持っていったのですが、現場に行くと撮る勇気がでません・・・)。

 アンサンブルのメンバーはインターナショナル・プリンシパルズから。今日13:00から札幌市内でコンサートがありますので、
それに出演しない方ということですが、昨日その技量を堪能したメンバー3人(Cb.Trp.Trb)がステージに上がりました。

 音楽的にはPA使用ということもありますが文句のない出来。贅沢を言わせてもらうならば、曲の内容上ヴァイオリンはもう少し表現力のある方が
ベターかなと思いました。
 演劇的な面ですが、私自身こうしたジャンルになれていませんので、以前の「キャンディード」同様ちょっとなじめませんでした。

 しかし終わってみればストーリーにも納得して楽しんでいますので、このようなパフォーマンスとして素晴らしいものなのでしょう。

 開演5分ほど前から小雨混じりの天気でしたが、終演後、桂札幌市長も花束を持って駆けつけました。

 上の娘曰く>面白かった。ちょっと怖かった。
  ・・・おぬしちょっとわかっているな?
 下の息子>20分程で飽きてしまったようですが、曲がマーチ風になるとご機嫌で足を踏み鳴らしていました。

 上の娘が母親同様?!デュトワ氏がお気に入りのようで、帰りを見届けるとのことで付き合わされました?

 明日はライブハウスでの2日目です。条件の整った会場では名舞台が期待できそうです。


2001年7月22日 20:56頃? Massa−’s House

 予想通り?NHKのローカルニュースで、円山公園のコンサートの映像が流されました。

 同伴のお二人、大興奮の30秒でした。
  上の娘>映ってないよ!残念!!
  下の息子>パパの頭映っていた!
  私>俺の頭あんな茶髪じゃないよ!!


2001年7月27日 12:30 Massa−’s House

 朝刊にピクニック・コンサートの開演前に芸術の森で「PMFファンの集い」なるものが開かれるとの情報。
仕事の予定なので無視していたところ当日13:30まで会社近辺は停電とのこと、それでは仕事にならないので昼休みに急遽
「・・・集い」に参加を決意。職場近くの図書館が閉館のため、自宅に戻って電話番号を確認。
人員に余裕ありということで参加OK。
 佐渡さんも、参加予定というから楽しみ。


2001年7月28日 18:00 札幌コンサートホール 

 PMFオケ第3のプログラムは、「バーンスタイン・メモリアル」の冠を戴いた、佐渡さんの登場です。
 後半しか聴けませんでしたが、プレ・トークにも登場してPMFへの想いや、今日のプログラムについて語りました。

 さて、今回始めてPブロック、すなわち舞台の背後の席に座りました。
 基本的に音楽を純粋に聴く位置ではないというのが結論です。音量が大きいのはよいのですが、左右のあるべきバランスが当然逆になります。
前後の位置的な関係でホルンとパーカッションがフォルテを出すと音量的なバランスは全くわからなくなります。
弦楽器ではヴァイオリンは比較的よく聴こえますが、チェロ、バスはかなり明瞭度に欠け、もこもことした感があります。
それから本来聴こえないであろうノイズがかなり聴こえます。たとえば打楽器の持ち替え、指揮者の息遣いなど・・・。 
またティンパニなどは音出しのタイミングを早めにしますので、時折不自然なアインザッツを聴くことになります。
 しかし視覚的には大変楽しめる位置です。なんといっても指揮者の動向が一部始終見ることが出来るのと、
舞台に近いことから、打楽器以外の奏者の様子がよく見えます。今回ですとコントラファゴットが目の前に座っていましたが、
その音もよく聴こえたりして大変面白かったです。
またテレビ、ビデオで見るアングルに近いというのも音の割に抵抗なく、その状況を受け入れることが出来る要因かもしれません。

 さて、音楽面で気づいたことを。
まず、オケとして一月を経過したことはもちろん、デュトワのプログラムに比べてかなり難易度が違うと思われることから、
弦楽器の鳴りが違います。CBブロックで聴けばかなりまとまった響きだったかもしれません。

 1曲目ハイドン
   「朝」は好きな曲でよく聴くのですが、「昼」をじっくり聴くのは初めてかもしれません。各ソロパートが見事な出来でした。
  特にヴァイオリンとフルート。低弦のソロは正面向きで聴けなかったのが残念でした。
   佐渡さんの指揮は、弦楽器に刻みが続く部分で音楽の緊張感が弱まるのが気になります。
  古典ですからもう少しごつごつした感触があってもいいかと思います。
 2曲目リーバーマン
   失礼な言い方をするならば、ショスタコーヴィチ風J=ウィリアムスといった感じで、聴いた覚えがあるようなオケをバックに、
 フルートが華麗に技巧を披露します。ケイナーのソロは結構骨太で通る音のように思いました。
 私としては今回一番の演奏でした。ゴールウェイのCDがあるそうです。
 3曲目ブラームス
   佐渡さんの感性にぴったりの曲かなと思いましたが、アカデミーのメンバーもこの曲はある程度場数を踏んでいるはず、
  概してインテンポで振る佐渡さんの指揮と、実際に出る音に齟齬が生じる部分もあるように思いました。
  ただし聴いた場所が場所ですので、断定するのは保留しておきます。
  ソロヴァイオリンはここでも好調。ホルンは場所が近いためか割れ気味の音が気になりましたが、木、金管パートの充実が注目されます。
  ちなみに第1楽章はリピートなし、第4楽章269〜270小節のホルンは木管をなぞるように加筆されていました。
 アンコールハンガリー舞曲第5番
  家内の大好きな曲です。お気に入りはチョン・ミョンフンの演奏です。
  家内の批評が私と全く同意見なのでそのフレーズを使います。
 「アンコールが一番楽しめた。とってもいいんだけれど、ちょっとお下品なのが気になる。」
 繰り返しのフレーズをデフォルメしすぎる嫌いがありました。
 ブーイング?も聴こえました。

さて明日は芸術の森で「ファンの集い」。参加できるのでしょうか?

 


2001年7月29日 10:30〜 札幌芸術の森レストラン・テラス

  開会時間5分前レストラン前。誰もいないよ〜!あわてて戴いたFaxを見直すと「レストラン・テラス」!!
 屋外か?まわってみますとたくさんの人の姿がありました。
  北海道新聞の地方欄ですが記事がありましたので、100人規模の会かと思いましたが、参加者は30名ほど、
 しかもメンバーはなんとなく私より年上の落ち着いた方達ばかりです。場違いだぞ!!Massa−!!
  挨拶はなんと2番目で、緊張の中なんとか口がまわりました!!その後は炎天下(今見ると腕と顔が真っ赤です!)ビールを片手に
 楽しいひと時でした。

  佐渡さんは時間通り11:30頃登場、PMFや、バーンスタインの思い出、作曲への想いと予定を越える30分以上のトークとなりました。
 リコーダーの妙技も披露されまして会場は大いに沸きました。
 抽選会では佐渡さんの文庫本(もちろんサイン付き)さらにピクニック・コンサートの入場券をいただきました。
  実は文庫ではない本とサインペン、デジカメをカバンに詰め込んで会場入りしたのですが、
 相変わらず根性なしで、なにもできませんでした。バンダナ、Tシャツとサインをもらう方達をうらやましげに見ていました、 

  散会予定を過ぎても会は続き、終了は13:30。とても楽しいひと時でした。

  そのため、12時過ぎのこれも佐渡さんが参加する予定の会を欠席することになりました。
 準備をしていただけにちょっと残念です。


2001年7月29日 13:30  札幌芸術の森野外ステージ

  会場にはいると第1部のPMFオケの演奏が終わったところ。ちょっと長い休憩になったようです。
  第2部は引き続きアカデミーのメンバーたちのアンサンブル。
  ただし今年はコンテンポラリーが多く、聴き手が楽しめたかどうか気になります。
  次の予定がありましたので、残念ながら札響以下のプログラムはパス。

   これで私のPMF2001は終了です。
   12年のPMFのうち、一番コンサートに行く回数の多い充実した一月でした。


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