PMF2001総括!またはタダの4節?
2001年9月2日 Massa−’s Home
気が付けばあの忙しくも楽しい一月からさらに一月が過ぎてしまいました。
「音楽の友」誌でも記事がありました、ローカルで特集番組も見ました、私なりのPMF2001総括をしなければなりません。
その1 デュトワ時代への期待と不安について
いきなりですが、このことに述べずにはいられません。
私個人としては、デュトワによるPMF新時代に大きな希望を持ちたいと思います。
まずその音楽が端正さを求めていること。学生オケに対してまずはそれが第一かと私は思います。
音楽する事での熱狂はたやすく得ることができると思いますが、PMFは教育音楽祭である以上はめをはずしすぎてはいけません。
その「キザ」とか「職人的?」ともいわれる指揮ぶりにはその姿勢がよく現われています。
たしかにバーンスタインのような「カリスマ」との共演は重大な経験ですが、今はそのカリスマは存在しません。
第一そのような時代はすでに過去のものになっています。
ドイツ・オーストリア系のプログラムからの変化に抵抗を感じるならば、
そうした曲は他のプロの外来オケを聴けばよりよい演奏に触れるチャンスが多いはずです。
一月というそれなりの期間がある以上、学生達にはただの一時的な熱狂ではなくてしっかりと音楽をしたという実感をもって
PMFに臨んでほしいと思いますし、迎える聴き手もそうあらねばと思います。
そうした中で唯一不安、不明なのがデュトワとウィーン・フィルメンバー達との意思の疎通ということになりましょう。
おそらくデュトワはウィーン・フィルの指揮したことはない様に思います。
PMFに登場した指揮者のなかでバーンスタイン、チョン・ミョン・フン以外ウィーン・フィルの指揮台を経験した指揮者は記憶にありません。
逆にその事がいい形でPMF独特の音楽的緊張感に結びつくことになれば面白い結果が生まれましょう。
今までの音楽監督達と違い、デュトワはミニ・トーク・コンサート会場にも顔を出し、首席教授のシュミードルと歓談するシーンもみられました。
大通公園でのコンサートにもデュトワの姿があったようです。
将来デユトワ指揮、ウィーン・フィルのコンサートがKitaraで開かれることも夢ではないかもしれません。
その2 コンサートへの感想
すでに都度都度書き込みしていますので、大雑把に行きます。
デュトワ:N響 さすがN響です。ベートーヴェンには賛否両論のようですが、
私にはこのコンビの現在の最善の姿を披露してくれたと思います。
デユトワ:PMFO 二つのコンサート共、学生達にはハードなものであったと思われます。
だとすればそれをまとめ上げたデユトワの手腕には非のうちどころがないように思います。
確かに継続的なプロオーケストラであればさらにプラスアルファが期待できるかもしれませんが、
逆に学生達のルーティン・ワーク的な部分の無い音楽には毎年圧倒されます。
もちろんウィーン・フィルのメンバーが音の「核」を作ったベルリオーズの出来は格別で、
チョン・ミョンフン指揮の同曲と並んで記憶にとどまるでしょう。
デユトワ:「兵士の物語」 番外編的な催しでありましたが、個人的には子供達を巻き込んで楽しませてもらいました。
今思えばデュトワは燕尾を着て、その意気込みを見せてくれていました。
実はこの書き込みをしている数時間前、ローカルTV番組でPMFのドキュメントがありましたが、
リハーサルのシーンを見て子供が声をあげていました。
曲の真意への理解はともかく、うれしいことであります。
佐渡裕:PMFO 1年お休みした佐渡さんですが、相変わらずパワーを見せてくれました。
ただし音楽をまとめる手腕においてやはりデュトワのレベルには届きません。
その成り立ちを記憶する一人として、そして将来的にはPMFの中心人物となるべく、
失礼な言い方になるかもしれませんが、メジャーになってもPMFを離れることなく?
よそで経験を積みつつ??PMFを育てていって欲しいと思います。
ミニ・トーク・コンサート 今年は幸運にも3日とも芸術の森に足を運ぶことが出来ました。
勝手にベスト3をあげると・・・
第1位 シュルツ&吉野直子
とにかくハープの音がこんなに素晴らしい音とは・・・。
第2位 シュミードル、バルトロメイ&シンイン
バルトロメイの名演を底辺にしたみごとなベートーヴェン!
第3位 ヒンク&シンベイ
緊張感あふれる名演、もう少し前で聴ければ・・・。
あと聴きにいけたのはピクニック・コンサート前半のみです。
多くのKitaraでの室内楽のコンサートは行くことが出来ませんでした。
仕事はもとろん、予算の問題もありますし数だけは?こなしたかなと思います。
来年もこのくらい聴くことができればと思います。
その3 来年への期待〜先に述べたことと重複しますが・・・
将来的に今年のデユトワ&佐渡による体制が継続することを期待したいと思います。
気が付くとあのバーンスタイン来札から長い年月が経ちました。
今年は多くのコンサートに赴き、長い間のいろいろな試みからPMFが地元に確実に根付いたことが実感できました。
新たな試みは今年の「兵士の物語」にみられるようなおも続いています。
だからこそ音楽的なレヴェルの維持、向上は最大のテーマとなります。
デュトワとの契約が5年となったことは歓迎ですが、実際にはより長期を期待したいというのが個人的な感想です。
従来とのスタイルの違いから、疑問を持つ向きも多いかと思いますが、
ある程度のステータスを持ち、なおかつ札幌に長期滞在できるという条件を満たしてくれる指導者はそう見つかるとは思えません。
また佐渡さんの音楽監督就任論もあるようですが、現状からいってまだまだ先のことといわざるを得ません。
声楽部門の廃止という残念な事もありましたが、焦点をしぼることでPMFの存在意義が明確になるかと思います。
課題としては主任教授を設けた室内楽部門のあり方がどうなるかということになります。
基本的に、現在のオーケストラ3プログラムというハードスケジュールの中でのサブ・プログラムとして、
一定のレヴェルが保てるか否かに今後そのあり方が問われるのではないかと思います。
その4 結論
来月(10月)には私の口座から3,000円が引き落とされることでしょう・・・。
来年もMassa−はPMFを(予算の範囲内で)応援します!