PMF応援日記っ!その2


2001年7月7日 Massa−’s Home

  朝、北海道新聞にやっとデュトワ来札の記事、ミス札幌に歓迎されているところをカラーで掲載。

  午後、頭の中で「騎士パスマン」のメロディーが駆け巡る。行きたかったなー、開会式。  

  夜、遅く帰宅したので、ニュース等で開会式の映像を見ることはできず。
 ネットにも特に目新しい記事や書き込みは見当たらず。


2001年7月8日 朝 Massa−’s Home 

  北海道新聞朝刊に開会式の模様が掲載。聴衆は今まで最高の6,100人!
プログラムどおりの内容なら、去年並みの内容を期待していった人は肩透かしをくわされたのでは?
ウィーン・フィルのメンバーの演奏の様子の写真、顔が丁度紙面の真ん中にあるので、折り目でよれよれになっている。
しかし聴きたかった「騎士パスマン」!
  


2001年7月8日 11:30 札幌芸術の森 

  12:00会場のアートホール、アリーナ前には20人ほどの人が並んでいました。
公式プログラムは夜のKitaraでもらうことにして列につきます。プログラムは従来の二つ折りのものをやめたようで1枚の紙にひとつのコンサートの
出演者と曲目を印刷しています。曲が何楽章からなるか程度の最低限の情報はわかります。チケットの値段からいってやむをえないでしょう。

  12:15〜 ミニトークコンサート シュミードル&トゥルノフスキー 
    昨年に続いて、シュミードル登場のコンサートは1時間では終わらないようなプログラムになっています。
   シュミードルはやや不調か?速いパッセージではこまかいほころびが目立ちました。もちろん深い豊かな響きは変わりません。
   今回目立ったのはトゥルノフスキー、ウェーバーの作品では、豊かな表情、完璧なテクニックで楽しめました。
  二人の二重奏のベートーヴェンはインティメイトな雰囲気が楽しめましたが反復を省略したのか後半をはしょったような感がありました。
  グリンカの悲愴三重奏曲は「悲愴」というよりは「情熱的」作品でした。ピアノがもう少し粒のはっきりした響きだとよかった感と思いました。

  13:15〜 ミニトークコンサート ヒンク
    シュミードルたちのコンサートの開始直前、背広姿でステージに現われピアノの”A”を確認していたヒンク氏。
   コンサートは背広を脱ぎ黒のシャツ、しかもノータイで登場です。
   「シューベルト後期のソナタと初期のソナチネを並べたシューベルティアーデをお楽しみください」とのメッセージの後、一気に3曲を演奏。
  立ち上がり粗い響きもありましたが徐々に熱気を帯び、情熱的な素晴らしい演奏でした。ステージに出ずっぱりで3曲を続けたのも
  演奏者はもちろん聴き手のテンションの維持にも好結果だったと思います。
  ピアノはリー・シンベイ嬢、昨年から私ひいきのPMFピアニストですがここでも確実な演奏で独奏をサポートしていました。
  ただ残念だったのは、席が後ろだったので、今ひとつ音の鮮明さに欠けたことと、
  それと推測なのですがアリーナのそばでハープの練習をしていたためか、妙に低い音が外部から会場に漏れていた事をあげておきます。

  さて都合のためPMFウィーンの野外コンサートを恨めしそうに横目で見つつ芸森をあとにしました。
  


2001年7月8日 18:40 札幌コンサートホール 

  今年のPMFはNHK交響楽団のコンサートで幕開けとなりました。
  コンサートマスターは篠崎さん、と思いきやその後に堀さんがやってきました。この二人体格を比べると随分対照的です。
   ブリテン:シンフォニア・ダ・レクイエム
       冒頭の第1音を聴いて「ああいいオーケストラだ!」という想いを抱かせてくれます。
      木管のアインザッツが不安定で居心地を悪いものにしていましたが、しだいに全体の演奏の熱気にひきこまれました。
      途中堀さんの楽器の弦が切れたようです、N響では第2ヴァイオリンの末席まで弦の切れた楽器を置くルールのようです。
   ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
       ひそかに期待の小山実稚恵さん、その期待は充分に満たされました。冒頭こそやや左手が弱いかな?と思いましたが
      繊細さと力強さのバランスが素晴らしい演奏でした。正直言いましてピアノ協奏曲でここまで感心したのは久しぶりのことです。
      デュトワの伴奏も万全、ソロとの呼吸もぴったりと合ってました。N響のメンバーでも演奏終了後即拍手されている方いましたの。
   ベートーヴェン:交響曲第5番
       先のN響定期で取り上げられていました。第1楽章、肝心のテーマがそろわないという声もあったのですが、この日は完璧。
      全体として早めのテンポですが、デュトワの感性と、ドイツ・オーストリア系の指揮者に育まれたN響のコンビネーションによる
      最善の演奏でした。実は封印していたN響Bモードライブの絵を流しているのです、今夜の演奏のほうが完成度は高いように思います。
      欠点としては、やや一般的なベートーヴェンの演奏のイメージよりやや隈取りが浅いことでしょうか?
      気になったのは、終演後のマエストロのそっけなさ、不満だったのかそれとも疲れているのかしら?
      そんなわけでアンコールはなしです。  


2001年7月9日  Massa−’s Home

  さて、一夜明けて昨日のNHK交響楽団のコンサートへの覚書追加。

  ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
      とある掲示板で「体育会系の演奏」という評がありましたが、あたっています。
     柔軟さには若干欠けていましたが・・・。
     それから気になったのが、高音部の調律がうまくいっていなかったのでは?という疑問です。      ミスタッチというには妙な音程のずれが気になりました。
      しかし、デュトワの伴奏の神経の細かさには恐れ入ります。マルタにきたえられたのでしょう    ね。
   ベートーヴェン:交響曲第5番
      まずクリティカルな面として、第1、第4楽章の提示部のリピートを実行。
     第3楽章については前半のリピートなし。
      第1楽章303小節は楽譜どおりファゴットで演奏していました。
      疑問に思ったのは第1楽章の主題の二つのフェルマータの長さ、
     どう考えても二つめが短すぎます。
      それから第2楽章で気になったのが弦楽器の中声部以下の音の響きの薄さ、
     このパートに現われる運命の主題のバリエーションがこれほど聴こえにくいというのは
     まずいかなと思います。
      全体を通して、隈取りの弱さ、特にアウフタクトの扱いの弱さが気になりました。
     このへんが端正すぎて、訴えるものに貧しいというデュトワへの評価につながっているのかな     と思います。
       しかし、曲の形をありのままに伝えるという点では逆に考えると、
     これはこれでひとつのベストの形ではないかと考えます。
      第4楽章で全部をフォルテシモで通して興奮をあおることは簡単ですが、
     今回の演奏のようにフォルテとフォルティシモをあれだけ区別してスコアのあり方を
     立体的に浮き上がらせたという点では大いに評価すべきだと思います。
     最後に、アンコールは用意していなかったものと考えます。
     超名曲のあとにアンコールを期待することこそ、見当違いなのかもしれません。


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