青藏鉄道で行くチベットの旅(1)
黄土高原を超えて  
(8月15日)
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 2006年7月1日、「世界の屋根」と言われる「チベット」へ青藏鉄道が、全通して直接の乗り入れが可能となって一年、日中国交正常化35周年記念として派遣された長野県日中友好協会の訪中団に参加した。北京からチベット自治区の首府ラサまでは、4000km余の鉄路の距離である。経路は河北省、河南省、陝西省、甘粛省、青海省、チベット自治区へと広い中国大陸を縦断するコースで丸々2昼夜の長距離夜行特急列車日本では味わえない長時間の旅だ。車窓からの雄大な眺めや信仰心厚いラサの人々,
7月10日から15日の中国大陸飛び歩きの旅での見聞は貴重な思い出となりました。
7月10日 
長野から北京へ、2010km(長野発7時、北京着17時55)、更に夜行列車に乗車
長野を早朝7時に出発して、成田15時40分発のCA926便に乗ると約3時間の飛行で北京に到着。入国手続きの後バスにて移動、夕食も北京料理をゆっくり味わう時間の余裕もなく乗車駅の北京西駅へと向かう。通勤や旅行の乗客でごった返す駅構内(右写真)を人波を掻き分けて寝台車の指定席に乗り込んだのは発車時刻の5分前だった。
北京西駅発21:30、T27列車は定時に発車した。寝台は硬臥クラス、日本の旧国鉄の2等寝台相当で3段ベッドが向き合った6人のコンパートメント。幅も長さも狭くはないが高さが低くベッドに座れないのが難点だ。しかし今夜はひたすら眠るだけ。
7月11日
河北省は夜中に通過、河南省から甘粛省、青海省西寧に向かう辺りは黄土高原の南端の一部にあたるようだ
目が覚めると5:50、加賀荘駅を通過したが河南省の4分の3程は通過しているようである。 車窓には遠い山腹に段々畑が広がる風景(右写真)近くの市街の郊外には建設工事の現場見られる。間もなく三門峡駅を過ぎるも三門峡ダムは見えない。この付近にはトウモロコシ畑やリンゴの果樹園が広がっている。かつて長野県の農業関係者とこの地を訪れたという人が言うには、中国でも有数のリンゴの生産地帯であるという。
食堂車のウェイトレス、ベストはポタラ宮殿の赤い宮殿の色を模してしているか、民族的なデザインを取り入れたユニフォームは落ち着いて、清楚な雰囲気に好感を持たれ写真のモデルにと声を掛けられる。  

食堂車の朝食メニュー、饅頭と卵ハムなど、時には卵が2個付くことも、車窓を流れる風景を見ながら食堂で過ごす時間も楽しいひと時である。
山岳部に入るにつれてトンネルが多くなる。黄土色に濁って流れる河川が現れる。陝西省の西の端、甘粛省に近い宝鶏駅を過ぎて間もなくの地点で、地図で見ると渭河らしい。川を横切って橋梁の建設工事が進行中、鉄道か高速道路か?
周辺の山地には樹木林相も貧弱となり裸地化した山地が多くなる。
甘粛省の首府の蘭州駅を過ぎて間もなく右側の車窓に油井が見える。蘭州石油公司の宿舎が見える。
蘭州から列車はしばらく黄河に沿って進む。