南湖公園にて

5月24日


福島県の最南端に位置する白河市の南湖公園を訪ねた。白河市は東北新幹線で東京より1時間半の新白河が下車駅で東北地方の表玄関という立地にある。
南湖公園は当駅より東方、棚倉方面へ向かう国道289号線沿いに2km程行った所にあり、福島県立公園に指定された県南の名勝である。創設は江戸時代後期、寛政の改革を断行した松平定信によって1801年築造されたといわれ、日本最古の公園であるといわれる。
定信は老中職を退いた後白河城主に就いたときで、身分の差を超えて「四民(士農工商)共楽」の場とするようにとの意図で造園し、茶室「共楽亭」では四民と楽しみを共にしたと伝えられる。
公園の風景は南湖の水辺と周囲を取り囲むマツ老木林と季節の彩りを見せる桜や紅葉の広葉樹の混交林、遠く西方の那須岳を借景として形づくられおり、四季折々の自然の変化を楽しむ市民憩いの場所として親しまれている。創設の願いは今も活かされているようにみえる。

対岸のマツ林は百数十年を経ていると思われる老齢林であるが、中には伐根の年輪で200年を超えると思われるものもある。創設当時はアカマツは植林したものか或いは実生の天然林であったのか、また他にはどのような樹種が林相を形づくっていたのであろうか。当時の造林技術への興味がわく。
白河は風の強い土地だという印象は前からあったが、対岸の林の中に幹の2m付近で折損した立木を見かけた。気象統計の記録でみると、今年1月7日瞬間風速43mの及ぶ強風があったということでその折の被害木らしい。200年の風雪に耐えてきた大木が一瞬の風に倒される自然の厳しさを見せている。
風雪の被害は樹体に欠点のある木程受けやすい。根元部分に腐れが入り空洞羽化していた木はより一層被害を受けやすい。材の質は年輪も詰んで良材と見える、一定の規格に造材して集積してあったが何かの加工材として利用されれば倒れた木も新しい命を得ることになるだろう。
マツの大敵はマツくい虫である。南湖のマツ林にマツくい虫の被害が見られるようになったのは他所の地域よりは遅かったように思う。だが最近は被害木が目につき林内にこうした燻蒸処理の跡が見られるようになった。 
早期発見早期防除に努めてこの歴史的なマツ林を是非守ってほしいと思う。

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