垣間見た中国の森林・林業 (易県の緑化協力)
1月15日

 昨年10月下旬、長野県日中友好協会の創立50周年を記念して派遣した訪中団に参加した。県日中友好協会が、日中緑化交流基金の助成を受けて平成18年度まで行ってきた河北省平山県西柏坡の緑化協力事業が一区切りとなり、今年度より引き続き同基金の助成を受けて同省保定市易県での緑化協力事業が新たにスタートすることになった。
 10月24日訪れた緑化事業の現場は太行山脈の東山麓、易県梁格庄の地籍にあり小高い丘陵地形であるが、植生は秋枯れたイネ科や丈の低い潅木類の草木が目につく未立木地。会場に設置された記念碑の除幕式に続いて記念植樹が行われたが、起工式にあたっては小渕基金によるこれまでの協力への感謝とこれからの緑化推進に対する期待の大きいことが語られていた。
 易県は3200年前の戦国時代の7国の一つの国の中心であり古い歴史を有する地で、世界遺産に登録された清の時代の皇帝の陵墓「清西陵」はこの現場近くにある。
旗の列に導かれて起工式会場へ向かう、前方の丘が今年からの植林予定地の一部。全体は80haの計画という。径路の両脇はサツマイモ畑広がる。 新たに始まる緑化協力プロジェクトの除幕式日中緑化交流基金(小渕基金)によるプロジェクトの成功を期して関係者によるテープカットが行われた。
河北省林業局所属の車「河北森林消防」と表示されている。放牧禁止や防火活動等森林保護には力を入れているようだ。 式典の終了後参会者、地元の関係者や地元農民の参加で記念植樹が行われた。雨量は年700mmと少なく、土壌も赤色土で我が国の土壌と比べて植林の条件はよくない。

植栽樹種は、アカマツによく似ていたがアブラマツだという。150cm程の大苗、鉢つきで深植えだ。記念樹として植えたようで全体にはコノテガシワ、ニセアカシアなどが計画されているという。 麓の畑では、農民の家族サツマイモの収穫中だった。大人7人と幼児1人の家族らしい。この辺りはほかには小麦畑や収穫の終わったトウモロコシ畑が見られた。
     前ページへ    次ページへ