4月8日

昨年、前作業として地拵えを行ってきた山火事跡地に今年は本格的に造林作業が
始められた。8.71ヘクタールの面積に植林を行う計画で、長野森林組合の手で進めら
れている。植栽の樹種は、コナラ、クヌギ、ヤマザクラなどで山火事跡地の残存木のコナ
ラやカシワなどとともに広葉樹林の育成を図る計画あるが、現場の作業は、足場も悪く
細心の安全注意と蓄積された造林技術の経験が求められる。

 苗木の山本集積場、苗木は一本一本ビニール製のポットの仕立てられた3年生苗木である。苗高は樹種により違いがあるが、70〜130センチメートル程度である。一つのネットに、コナラは25本、クヌギ、サクラは20本づつ仕分けられている。 山本の集積場から植栽の現場までは人の背のよる運搬に頼る。一人がネットを2個背負って運び上げる。重量は、30キログラム以上と思われる、集積場は、昨年のモノレールの起点であるから運び上げる終点は、標高差は200メートルに及ぶところもある。重いから腰が痛くなるよ、とこぼしていた。
急斜面を這うように植穴を掘り、ビニール製のポットから抜いた鉢つきの苗木を植え込んでいく。 尾根筋の岩石の露頭部も場所を選びながら植栽を進める。苗木は、根が培養土で包まれ保護されている
ポットから苗木を抜きとり丁寧に植え込む。ピンクのリボンは下刈のときの誤伐を防ぐための目印。 ポット苗木の利点と欠点
苗木の根に土を付けず裸状態にして山まで移動する裸苗と違って、ポットの中で育てて、鉢ごと植栽地まで運び、土を付けたまま植えるので、根が乾いたり痛むこともなく活着がよい、また季節を選ばないで植栽が出来るが、苗木がかさばり重くなるのが欠点である
 苗木の内訳
   コナラ 6.800 本
   クヌギ 6.000 本
ヤマザクラ 1.500 本
今年は、山を訪れるたびこのカモシカによく遇う。作業している人達やリンゴ畑で仕事をしている人の姿を気にする様子もなく悠々とマイコースを歩き回っている。



作業中の人に尋ねた
 この仕事何年やってますか:40年になるよ、方々の山に植えてきたよ。
 自分たちで植えた山を見るのはどんな気持ちですか:育ているのを見るのは楽しいよ。
 40年もたてば伐採の時期に入っているはずだったのに:国の偉い人や政治家に頼みたいよ、もう外材の輸入はやめてほしい。
 鍬を振るう手をやめずに話した、国産材の利用の再興は現場の切実な思いだ。
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