8 植生土のう工施工後の経過
         (5) 12月2日  初冬の施工地

台風23号の大雨の際にもこの林地は、丸太筋工に守られて荒しへの雨水の
集中、斜面の土砂の流出は少なかったようである。

植生土のう工は尾根筋から内側になるほど土のうは植生で覆われている。シバが最も多く、ヨモギ、メドハギ、ハギが目に付く。 林内の小径、ヒヨドリジョウゴの赤い実が目に付く。赤い実をヒヨドリが好んで食べるのでこの名がつけられた。ナス科の植物であるが茎葉、果実に有毒成分を有するといわれる。
農道の終点から歩道を入ってすぐ田んぼを耕耘機で耕したような箇所が目に付く、イノシシの仕業らしい。入り乱れた足跡、何を掘ったのか。
カモシカのパトロール経路か踏み跡が続く、その途中に大量の糞、付近に野生動物の臭い。
初冬を迎えた山はこれからは、カモシカ、イノシシの天下か麓のリンゴ園も収穫を終えて春ま
での暫くは人の行き来も遠ざかる。リンゴ園で作業していた地元の人は、此処にもサルが出るが
柿が一番の好物で、次が豆、りんごはフジよりツガルが好みのようだと話していた。そして森林
作業の人たちが入って仕事を始めたら遠くの山に去っているようだとも話していた。
今年はクマの出没が各地で伝えられその原因や共生のあり方等多くの人々が語ってい
たが、野生との住み分けのヒントはこの話の中にあるように思われる。

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