(2) 除・間伐作業が終了
(9月28日)

9月初めに間伐作業に着手した林分は、今日再び訪れると作業は終了して、チェンソーの音も聞こえず人の姿もなかった。林内に入ると下層の薮や被圧の姑損木、被害木等伐倒され整理された光景が目に入る。今までは暗く陽ざしの射し込みは僅かしかなかったが、上層樹冠の窓が開いた空間から秋の柔らかな日差しが林床まで届くようになった。

間伐した後の林分は、明るくなり見通しも利くので、クマの出没注意の立て看板もあったがクマも迂闊には出歩けないだろう。 鬱蒼としていた林内も疎開された樹冠を通った日差しが林床にまだら模様を描いていた。
樹高25m前後通直に伸びた樹冠の先に開けた天窓で明るくなったが、これまでの密植状態のため枝張りは小さい。 伐根は、経歴を語る。林齢約65年、直径23cm、34年位までは年輪幅も広く旺盛な成長をしていたが、以降は減速し年輪幅も狭くなり成長が止まっているように見える。
林内を通過する道路を挟んだ対岸、広葉樹に圧され劣勢となったスギ林の除伐は、広葉樹を主体として萌芽で株立ち状の林木を樹種構成や配置を考慮して行われた。 除伐後の林地は日差しが林床を照らすようになり明るくなった林内が心地よい。林床は、リョウメンシダなどシダ類が目に付き草本の種類は少ない。
この林分の面積はさほど広くはないが、ヤマザクラが多くスギ、ウワミズザクラ、コナラ、クリ等が混交して一つの林相を形づくる。 伐採後の樹冠の様子、異なる樹種により構成される樹冠層は、季節の移ろいを表現しながら山を彩る。
前ページへ     次ページへ    トップページへ   雪と間伐林分へ