後記 2


7月11日:6月始めに施工された植生土のう工は、1ヶ月を経過してようやく発芽の段階を迎えたようだ。それにしても種子がないはずのヨウシュヤマゴボウが最初に芽を出してきたのは何故なのか、北米原産の種で此処の林地内の各所に生育していることから繁殖力は、非常に強い植物のようだ。しかし、春先の若芽のころは、やわらかい大型の山菜として、いかにも美味そうな形態をしているが、毒成分を持ち根は有毒な要注意植物である。
7月26日現場を訪れた23日は、30度を越す猛暑の日、昼下がりの炎天下での突然のカモシカとの出会い、前に姿を見かけたのも今日と同じような時間帯であった。彼のパトロールコースでの鉢合わせは初めてのことだ。
8月18日:猛暑続きの8月も盆を過ぎれば、風は秋の気配を濃くして、林地の草木も日ごとに秋の色合いへと変わっていく。今回見た山の北側斜面と南側斜面での植生の成長の相違は、山のことわざ、「山を買うなら北側の山を買え」(農民の知恵、山のことわざ、全国林業改良普及協会)を思い起こさせる。北側や東側斜面では湿性ないし適潤性土壌の占める割合が大きく、南側斜面では乾性土壌が多く占める傾向があるといわれ、この現地にもそれが当てはまるようである。
9月14日9月に入り一段と秋の気配が濃くなってきた3日、長野市浅川宇佐美沢で長野森林組合が、森林公益機能を高めるために行っている森林整備の現場を訪れた。
施業対象の林分は私有林で、林齢は22年生〜65年生と幅がある。成長は北信地区スギの収穫表で地位2ないし1と高いが、間伐の遅れもあり形状比は高い。しかし雪害等の被害の痕は一見見当たらないようだ。
10月3日台風21号の動きが気がかりな9月28日森林整備の現場を再び訪れた。除伐・間伐が終了した森林は、外見状もすっきりした感じで気持ち好い。この林地は、樹高成長も高く林地の生産力が高い、伐根の年輪幅の状態等から推定すれば、もっと早い段階での間伐が行われていれば、残存木の直径成長を促進して健康な森林づくりに効果が発揮されたのではないかと思う。
10月26日:今年は台風の当たり年、上陸すると10個目となる今年最大規模の台風23号の本土への接近が報じられていた18日現地を訪れたが、植生土のうからの発芽状況は乾燥地形ではまばらであった。
台風
23号は県内には19日午後から20日夜半にかけて大雨を降らせ国道19号線の崩落など各地被害をもたらした。又23日には長岡市、小千谷市などを中心とする広範囲に大規模地震、新潟・中越地震が発生した。突然襲う天変地異、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
11月3日:10月は台風22,23号の来襲があり天候も雨、曇天の日が多く、気温も平年より高めの推移で紅葉の色がよく出ないのではないかと心配したが、28日は今秋一番の低温となり、日中は快晴の天気に恵まれて色とりどりの木々が全山に映える絶好の日となった。
12月2日:師走に入った1日、風もなく静かな快晴の日久しぶりに造林地を訪ねた。麓のリンゴ園は大部分は収穫を終えていたが、収穫間際の台風による被害も大きかったようだ。
カモシカは、遠くの尾根から悠然と此方を見上げていたが、15分ほどして谷側に降り薮の中に消えた。
12月20日:大きな球形の岩石が2個、その変わった形に興味を持ち長野県地学図鑑などで調べ枕状溶岩としたがよいでしょうか?平成16年の年の瀬も大詰めアテネオリンピックなど明るい話題の反面、次々に来襲した台風の被害、中越地震の被害など自然災害が際立った年でもありました。来年は良い年であるよう期待しています。

        





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