(2月16日)
長野森林組合で行っている地ごしらえ作業の現場を訪れました。
この場所は、平成14年9月に発生した山火事の被害跡地です。1日から
3日間燃え続けて16ヘクタール余も焼き尽くしたとききました。
現場に立って全体を見回すと焼失した被害森林の広さに目を見張り、
数十年かけて育ってきた森林を容赦なく焼き尽くす林野火災の
恐ろしさを改めて思いました。
今は県の事業として森林復旧のための土砂流出防止林造成事業が着手
され、長野森林組合の手で現場の作業は進められています。訪れたときは、
立春を過ぎて間もなくのころですが、雪の降る中10人ほどの人たちが、広い
林地の各所に分散して作業を行なっており姿は見えませんが、
チェンソーの音だけが響いていました。
山づくり、森林整備などの仕事を進めるうえで、複雑に変化する現場の状況に
適切に対応できる技術を身につけた、経験を積んだプロの技能者の
育成の必要を実感しました。
また、林業への参入を希望する若者も多いとききますが、経験と技能を伝達
しながら現場技能職員として育成していくためには、森林組合の組織系統の
活動に一層の期待をしたいとおもいます。
(4月14日)
地拵えの作業も終わり4月に入り歩道の作設に取り掛かった現場を訪ねた。
この箇所は、これまで見てきた林地の正面の高い尾根を越えた北側斜面で、
火の勢いは尾根を超えて裏側へ回り山腹の下方に向けてくだり、立地を選ん
で植林された35から55年生のスギ林を焼失する被害を与えた所である。全体
の地形は急傾斜地が多く、林地保全上からも早期の復旧が急がれる。
山火事は、春先の3,4月が最も多いシーズンです。 山菜取り、ハイキング、
山仕事などで入山する人々も、森林の隣接で火を扱う人々も火の取り扱いには
十分に気をつけてほしいと思います。
(5月15日)
4月に架設を完了したモノレールは、5月に入り連休過ぎから本格的な
稼動を始めた。雨水による山腹の表面侵食を防ぐ筋工に使用するカラ
マツ間伐材を、施工地点近くまで運び上げるのに威力を発揮していた。
直径15〜20cm、長さ2mの間伐材1本あたりの重量は20〜30sとなる
と思われる。これを20本を束ね、運転者まで入れると700s程度になる
重量物を一気に運び上げる牽引力は大きな戦力だ。
(6月4日)
6月に入って植生袋筋工の施工が始まった。梅雨のシーズンの天水の恵みを
受けどんな植物の芽生えが見られるか引き続いて観察することにする。
(6月26日)
5月末ごろから6月にかけて、ネマガリダケ(チシマザサ)のタケノコ狩の
シーズン、豪雪地の栄村のタケノコは太くてやわらかい、この幸を求めて他
所からも大勢の人が入りこむが、そのため遭難も多くなって、
6月はじめには他県の男性が、村内の他の地区で遺体で発見される
という事故が発生した。
山菜狩りを楽しんだ後のゴミの置き去りや遭難騒ぎは、地元にとっては
大変な迷惑を及ぼしているという。
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