確か95年頃に公開された作品でしたか。監督はロジャー・ラビットのロバート・ゼメキス。主演はトム・ハンクスです。 ちょっと頭が弱く、幼少時は脚が不自由だったけど、凄く純朴な性格の主人公フォレスト・ガンプの物語です。街角のバス亭のベンチでフォレストが隣に座っている人に、身の上を話していく事により物語は進みます。つまり途中までは回想シーンなんですね。シーンの変わり目ごとに隣に座る人が別人になっているのが面白いです。幼少時の出来事から始まり、脚が完治してからは実は凄く足が速い事が判明し、大学のアメフトで俊足を生かして活躍。その後ベトナム戦争に従軍し、その時戦死してしまった友の意志を継ぎ、かつての上官と共にエビ釣り漁船を出して成功。とサクセスストーリーの側面もあります。ベトナム戦争の描写は、戦争映画並でしたよ。エビ釣り漁船での成功シーンは、小気味良いものがあります。主人公フォレストは幼馴染のジェニーという女性をずっと想い続けているのですが、この女性はヒッピーになったり、プレイボーイ誌にヌードが載ったりとか、堅実なフォレストに対してかなり荒れた生活をおくり、フォレストと幾度も再会するものの、また直ぐに離れていってしまいます。最後は、アメリカ大陸を走って横断する事を繰り返したフォレストの話を聞きつけて、彼を自分の住まいに呼ぶのですが、ここに至って回想は終わり、丁度フォレストがジェニーの家にこれから向かおうとしている事が明かされます。ここら辺の演出は凄く良かったですね。再会したジェニーは既に難病に犯されており、以前一時期一緒に暮らしていた時に、フォレストとの間に男の子を授かっていた事を語り、その子をフォレストに引き合わせます。その後は、ジェニーとの結婚、そしてジェニーの死が描かれ、最後はフォレストが息子のフォレストJrの載ったスクールバスを見送る場面で終わります。 全編に渡って、ヒューマニズム、ユーモア、暖かさのある作品だと思います。この映画が公開されたのはまだアメリカがそれ程好景気ではなかった頃ですから、こういう心に訴えかける映画がヒットしたのかもしれません。今だったらあれ程はヒットしないかもしれませんね。純朴な青年が、最後に幸せになるのは現実には難しいかもしれませんが、そこが良いのですよ。私も日本を徒歩で横断するのに挑戦しますかねぇ。(笑) あと、音楽もかなり良かったです。メインタイトルはゆったりした音楽で、気に入っております。 未だに障害者を奇異の目で見る傾向の強い日本では作れない映画かもしれないとも思いますね。 CGIを駆使して、今は亡き昔の有名人と共演するというのが当時話題になりましたね。この技術は後にスタートレックDS9の「伝説の時空へ」でも使われました。コンタクトでもクリントン大統領をCGIで出演させる事に成功しましたが、これはクリントン大統領から苦情が来ましたな。(笑) CGIによりケネディ大統領と共演したりした訳ですが、これによりアメリカの年代記的な側面も出てきた様に感じます。 一期一会という邦題には何の意味があったのでしょう?(^^) 確かにフォレストと一期一会だったプレスリーとか歴史上の有名人は多かったですが。嫌いな邦題では無いですけどね。 原作も読みましたが、原作はもっと奇想天外なんですよ。宇宙飛行士になって宇宙にまで行くし。猿と友達になったりもしてました。原作の方には続編もあるのですが、こちらは未読です。もしかしたら映画も続編が作られるかもしれませんね。 監督のロバート・ゼメキスは、私としてはハリウッドで今一番好きな監督です。ルーカスはエピソード1がアレでしたし、スピルバーグも当たり外れが大きいですから。 全編に渡って、ヒューマニズム、ユーモア、暖かさのある作品だと思います。 LDはパイオニアLDCからの発売でした。すでにLDの爛熟期でしたので、画質、音質とも問題ありません。手元においておく価値のある一品です。いつ観ても面白いですし。 DVDもようやく発売されますので、是非購入をお薦めしたい作品です。DVDだと吹き替え音声も入ってますしね。 |
2chのスレにマスード司令官が出てくると書いてあったので、慌てて友人にDVDを見せてもらいました。 内容自体は、大方またアメリカ万歳映画なのかと思っていましたが、ランボーの活躍以外は殆どノンフイクションみたいな感じですね。思っていたよりもずっと良い映画でした。 実際にあんな風に地雷があっちこっちに敷設してあって、前の人が踏んだ後をちゃんと付いていかないとかなり危ないらしいんですよ。ペシャワールの店で義足を売っているシーン良いですね。これも実際にムジャヒディン(イスラム自由戦士)は、戦闘や地雷で足を失っても一端パキスタンに出て、義足を購入して戦場に戻った人が多かったそうです。洞窟のシーンもこれまた実際にああいう洞窟がアフガン各地にあるそうで、ちゃんとアフガン戦争について調べた上で作ってあるのではないかと思います。最後の騎馬突撃のシーンはちと疑問もありますが、何でも実際に戦車に対して騎馬突撃を敢行していたそうで。馬で戦車に接近するまでに戦車は数発しか撃てないので、それを凌ぎきって戦車に取り付いて内部に手榴弾を投げ込むらしいです。 マスード司令官の役者が本人とは全然似ていないのはマイナスでしたが(笑)。 あれはどちらかというとドスタム将軍に似てますねぇ。また、マスードの本拠地でるパンジシール渓谷も、写真で見た所映画みたいに荒涼とした場所ではなく、もっと美しいところですよ。また、実際には本拠地が大規模に襲撃される場合は、それ以前にスパイによって情報を掴んで住民を避難させていた事も多いらしいです。 マスード司令官の扱いも悪くなかったし満足できました。(^^)/ ストーリー自体はヒーロー物の王道という感じの作品ですね。 色々批判はあるでしょうが、少なくともこの映画がアフガン戦争を世界に紹介した功績は高いのではないかと。 |
SF映画の金字塔「猿の惑星」の再映画化にティム・バートンが挑戦。監督曰くリメイクではなく「リ・イマジネーション(再創造)」との事。 原作が何しろ伝説的な作品なだけに、どんなものになるのか半信半疑の部分もあったのですが、観てみたら思っていたより遥かに良い作品でした。改めて、バートンに任せておけば全然問題無いという事が再確認出来た次第ですね。リメイク作品としては完璧に近い出来栄えと言えましょう。スター・ウォーズ・Ep1もバートン監督でリメイクしてもらいたいものです。(笑) 2002年のラジー賞でワースト・リメイク・続編賞を獲得してしまいましたが、私は結構気に入っている作品です。まぁ原作とはテーマの方向性とか色々と違う訳ですが、私としてはそのまんまのリメイクでなかった事を評価したいですね。 ラストシーンが衝撃的でしたが、あの印象深いラストこそ、このリメイク「猿の惑星」を唯のリメイクで終わらせていない要因の一つだと考えております。あれは一種リドルストーリーというか、観客の解釈に委ねた作りになっていますから、色々な解釈が可能ですね。 私としては、舞台となった猿の惑星こそが、太古の地球だったのではないかと解釈しています。画面には出てきませんでしたが、猿と人間の他にはメガテリウムとかが闊歩していたのかも。(笑) また、セード将軍の像はリンカーン像と置き換わっていた訳ですから、あの像のモデルになったのはセード将軍の「子孫」の将軍であるとも考えられましょう。 このラストシーンは、ウルトラマンダイナや無限のリヴァイアスのラストに通じるメッセージがあるのが素晴らしいですね。要するに「そうそういつもいつも上手くいく訳ねぇだろ! ボケが!」というお約束パターンに反抗するメッセージが。(笑) どうせならバートンには「猿の軍団」をリメイクして欲しかったのですが、本作では「猿の軍団」へのオマージュが節々に見られるような気がします。(と勝手に決め付けているだけですが) まず、ゴリラが一人味方になるのがオマージュその壱ですね。原典の「猿の惑星」ではゴリラは粗暴で助けてくれるのはチンパンジーだけでしたから(だったよね?)、これはもう「軍団」に登場した主人公達を助けてくれるゴリラの『ビップ大臣』へのオマージュである事は間違い無いでしょう。歳をとっているいう点も共通してますしね。 さらにあのラストシーンです。ラストシーンの警官の服を着て銃を向ける猿とか、これを「軍団」へのオマージュと言わずして何と言おうかという感じですね。(笑) おそらく次回作は、未来世界において主人公が軍団から追われつつ生き残りの人間を探すという展開になるのでしょうな。 という訳で、続編「ARMY OF THE APES/猿の軍団」を希望。(笑) DVDの特典ディスクは、役者が猿に成り切る為の「お猿アカデミー」やら、製作現場を一人だけヒッピーみたいな格好で闊歩するバートン監督とか、本編以上にシュールな映像が続出ですので、DVDを買うなら初回限定の2枚組版がお薦めです。猿のヒロイン役の女優さん、素顔は美人じゃんよ! 原作「猿の惑星」の猿は日本人がイメージという話ですが、本作では主人公に味方するゴリラの役者が日系人である事に、何か監督の意図を感じずにはいられません。(邪推のしすぎかな) |