湯布院温泉2


 久大本線を通る列車の音で目が醒めた。列車の音が湯布院盆地に響く。朝霧に包まれた湯布院の朝だった。ひんやりとした冷気が頬をなでる。眠い目をこすりつつ、朝の温泉へ向かう。朝霧のため昨日浴場から見えていた由布岳は見えない。霧が盆地を包んでいる。しかし、朝の入浴も体に心地よい。温泉はやはりこうでなくっちゃ。しだいに眠気が醒めていった。
 9時30分宿を出発。野津原町の香りの森博物館へ向かう。途中の国道442号線はすごい山道で、あちこち工事中だった。車がやっと通れる道が続く。道をまちがったかなと不安になった。香りの森博物館に着いたときは思わずビックリ。この山の中にこんなものすごい博物館があるとは。建物に入った瞬間から花の香りが漂う。そして、部屋ごとに違う花の匂い。香水、香木、ありとあらゆる匂いに関する歴史、資料、材料、製品が集められていて、この徹底ぶりには感動した。香りを嗅ぐことでこの博物館は終わったが、日頃なにげなく暮らしている私にとって、嗅覚がいかに大事な五感か日常生活に重要な影響を与えているかがよくわかった。建物を出てからしばらくは鼻がおかしかった。ラベンダーの香りが印象に残った。
 国道57号線から再び442号線に入り、くじゅう花公園へ。暑い真夏の太陽が照りつけるが風は涼しい。遅い昼食を済ませ、公園を歩く。サルビアの赤い色が目に飛び込んでくる。コスモスは今からだ。だが、ちらほら咲き始め秋が近いことを感じさせる。広い、このお花畑には季節感がある。そして、久住連山の姿が美しい。時間があったら登ってみたい山々だ。夏の夕日を眺めながら久住を後に湯布院の旅は終わった。



香りの森博物館

山の中腹にある博物館は異様な雰囲気


香りの森博物館

館内は異国の雰囲気。インターネットで香りが伝えられないのは惜しい。


くじゅう花公園

サルビアが目立っている。



くじゅう花公園のコスモス

秋を感じさせるコスモス。久住連山が美しい。



くじゅう花公園のサルビア

夏を演じる燃えるようなサルビア。今度は春か秋に訪れたい。






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