夏の真っ盛り。佐須地区(厳原町西海岸)の住民検診が始まった。この検診は4日間連続して行われる。この地区は対馬の西海岸にあり古くは元寇の戦場と化した地域である。朝鮮半島からの風が強く、住民は食料を蓄えるために石屋根(いしやね)という石でつくられた食料の貯蔵庫をつくった。これは、強い風に備えるためのものである。
ここの検診は、広い体育館の中で問診、採血、検尿、心電図、腹部エコー、診察、眼科検診を行う。眼科検診は視力、眼圧、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査だが、暗室の中はまるでサウナのようだった。むっとする熱気、風のない仕切られた小さな空間。汗がにじんで気持ちが悪くなって、今にも倒れそうだった。たまりかねた役場の職員の方々が氷柱と扇風機を用意してくださった。冷気に当たると少しは楽になった。
検診の後の対州そばがおいしい。対馬はそばのおいしい地域でもある。検診が終わった後みんなで食事をするのが楽しい。大学からの研究班も来るようになった。大学の先生達や役場の福祉課の人達、病院の職員の人達、地域の手伝いのボランティアの人達が一体になってやっていこうという連帯感が生まれ楽しかった。
石屋根 |