ウイルスバスター2008

   昔はノートンよりも動作が軽く、シンプルな操作で判りやすいと評判だったウイルスバスター。新しいバージョンのウイルスバスター2008(以下、2008)が発売になったのでレビューしてみたいと思います。

   ウイルスバスターと言えば、ここ2年ほどはシンプルな操作や画面はそのままだったものの、どんどん動作が重くなっていったんですね。最近ではノートンが動作の軽さを実現してきたのもあってか、ウイルスバスターもこの2008で動作の軽さに注力するようになったそうです。その甲斐あって、なんと従来より50%ほどメモリ使用量削減したとのことで、以前より軽快な動作が可能になったそうです。そこで、動作環境を比較してみます。
   一番利用されているであろうWindowsXPでの例に取ってみますと、CPUでは2007も2008も350MHzが推奨となっています。注目のメモリは2007だと256MB以上が推奨となっていたんですね。そして2008ではどうなっているのかと言うと、512MBが推奨…

   …え、えぇと、50%削減は50%増しの間違いなんでしょうか?おいおい!全然削減になってないよ!むしろ倍になってるよ!倍の容量要求されて使用量が50%削減って、それは変わってないってことだろ!

   実際に使ってみたところ、2007よりは軽快になったのかな?という印象がありますけど、本当のところはどうなんでしょうね。正直なところ微妙です。

   あとは細かいことなんですが、2008からはウイルススキャンをバックグラウンドで実行を選んでしまうとそれを停止する方法が無かったりとか、定期スキャンを実行しないとタスクトレイのウイルスバスターのアイコンに「!」マークが付くようになってしまったんですね。

   前者の話はバックグラウンドでスキャンしなければいいじゃんって言われそうですけど、スキャン中はPCのパフォーマンスが落ちるので、途中で一時停止なり停止なりをしたい場合が出てくると思うんですよ。なので、それを回避する方法があってもいいんじゃないかなと思ったわけです。

   後者は定期スキャンは確かに安全性を高めるのには有効ですし、ウイルスに感染してしまっている環境からウイルスを駆除出来るわけですけど、ある日突然「!」マークが出るわけですから最初はとまどってしまうんですよね。定期スキャンに設定された時刻にPCを使ってるとは限りませんし、スキャンが実行できないこともあるでしょう。ある意味親切な表示なんですけど、もう少し工夫して欲しいところです。これもスキャンの設定を変えればいいだけの話なんですけど、それが煩わしいんです。

   ここで2つ挙げたものは確かにセキュリティを守るためのものであるのは判りますし、親切な表示や指示は特に初心者にとっては大変ありがたい機能ではあると思うんです。でも、その指示にいちいち従って操作していては本来やりたかった作業がそっちの操作に時間を取られてしまうわけで本末転倒になってしまうんですね。極端な話、作業をしたくてPCを使おうとしたのに何もできなかったってことになると思うんです。セキュリティを守らせるのも大事なことですけど、こういったソフトはユーザの作業の邪魔をしてはいけないと思うんです。
   こういったソフトはユーザの影でシステム守る存在にならないといけないのではないでしょうか。そのせいでPCのパフォーマンスが犠牲になってしまうのも本末転倒ですけどね。

   それでも、更新期限内だと新しいバージョンへ無償アップできる点、1本で3台までのPCにインストールできる点(2008からは法人でも可能)など、現在のウイルス対策ソフトのでは当たり前になりつつある機能を先駆けて取り入れた点や、複雑な設定をしなくてもそのままで使えるという点で、ライトユーザや家庭で複数台のPCを使っている場合にお勧めできるのではないでしょうか。

結論:
   ここ数年のノートンの頑張りがウイルスバスターの長所を追い越しつつあるので、ウイルスバスターにも頑張って貰いたいところ。