処女(おとめ)はお姉さま(ボク)に恋してる

   主人公(男)が女学院に編入、しかも女学院内の寮に入寮し、そこで卒業までの数ヶ月を生活するという何ともあり得ない展開の「処女(おとめ)はお姉さま(ボク)に恋してる」。

   いくら主人公が女性っぽい容姿だからと言ってもねえ。いくら女性でも通用する名前だからと言ってもねえ。いくら女学院の創設者の嫡男だからと言ってもねえ。いくら祖父の遺言だからと言ってもねえ。女学院へ編入してしまうなんてねえ。まあ、編入を後押した幼馴染みのヒロインまりあもどうかと思うんですけどねえ。編入を普通に許可した学院長もどうかと思うんですけどねえ。と言うか、最初は拒絶しながらも次第にこの生活に馴染んでしまった主人公が一番どうかと思うんですけど。しかも全校生徒の頂点に立つ生徒にふさわしい称号、エルダーシスターになっちゃうんですよ?エルダーに。他の本物の女学生の立場って…
   確かに、女装していることもあってどこから見ても女性にしか見えないわけで、言動も女性そのものなわけで、これがまた違和感がないんですけどね…いや、でもねえ。


   さて、ゲームの構成はというと、ごく一般的なAVG形式で物語的には6月から卒業までの約10ヶ月間。1ヶ月を1話とした構成になっておりまして、1話が終了するごとに次回の予告なんかが入ったりするアニメのような(?)作りになっているわけです。初めは意味もなく話を分けてだらだらした展開が続くのかなと思っていたんですが、1話1話がバラエティに富んだイベント満載の展開になっていて、そこそこ長い話ではあるものの意外にも最後まで飽きることなく楽しめました。
   なんか、こういう学院生活って楽しそうだなーなんて思いつつ。俺の学生生活もこのくらい色々なことが起これば面白かっただろうなと思いつつ。いや、女装はしたくありませんけど。スク水は着たくありませんけど。

   それ以前にこの女学院を卒業したら主人公は女学院卒になるんですよね。男なのに。将来そのことを思い出したらやっぱり


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こんな心境になるんですかね…




   きゃらめるBOXのデビュー作「BULE」で感心したシステムで一つ前の選択肢に戻ることのできる便利な機能は今回も健在で、しかも今回は一つ前どころかさらに前にまで戻ることが出来るようになっているんです。これによって選択肢を間違えてしまった場合もいちいちセーブしたところからやり直さなくてもいいのは便利ですね。ゲームの難易度は下がってしまう可能性もありますけど、この手のゲームは難易度よりも話の展開を楽しませるものだと思うので変に難易度を意識するよりもいいと思いますし、他のメーカもこういう遊びやすさはどんどん取り入れていって欲しいですね。中には選択肢の場面だけセーブ出来なくなっているようなゲームも存在しますから。

   舞台が女学院だけあって登場人物が主人公と弁護士と誘拐犯(ともに一瞬だけしか出てこない)の3人以外はみんな女の子という薔薇色な物語は珍しさもあって、こういうのもたまにはいいかなと思えたタイトルでした。システムも上記のような遊びやすいシステムですし、CGも音楽も一定のクオリティがあり絵柄もあまり好き嫌いの分かれないような万人受けする感じなので、乙女な世界が嫌いじゃなければお勧め出来るタイトルですね。

   …でもね、正直いうと最初にタイトルを見た時は「処女?おとめ?お姉さま?ボク?…はあ?」とか思ったものですが、パッケージの手を繋いだ2人の女学生を見た時も「…はあ?」とか思ったわけですが、プレイしたら納得って感じですね!いや、まさか片方が主人公で男だったなんてねえ。もう少しで主人公に萌えるところだったじゃん!危ねえ。
   パッケージのどっち側が主人公なのかはここでは伏せときますが、プレイする前にどっちかに萌えてプレイ後にどっちが主人公だったかを知って軽くorzってみるといいと思うよ!主人公のごとく。