気 管 支 喘 息 ( 2 ) 〜診断〜 |
■ 気管支喘息はどのようにして診断するのですか?
1.気管支喘息の診断の基本は問診。これまでの経過で診断できます。
気管支喘息の診断の多くは、
家族のアレルギー体質の有無、これまでの呼吸困難、喘鳴(ぜんめい)
咳の仕方、経過で診断できます。
気管支喘息は発作をくりかえす病気ですから
1時期のみの咳で診断することは困難です。
半年から1年の経過を追う必要があります。
2.気管支喘息の原因の確認、他の病気でないことの確認のため
以下の検査をすることがあります。
@血液検査 | アレルギーの有無、アレルギーの原因物質を調べることができます。 また感染かどうかをチェックすることもあります。 |
A皮膚テスト | アレルギーをみつける検査として行ないます。 アレルギーの原因物質を皮膚に滴下し、 その部分を針先で引っかいて反応をみます。(スクラッチテスト) 短時間で結果がでますが、血液検査に比べ精度が劣ります。 |
B胸部X線検査 | 肺の様子や他の病気がないことを確認するために行ないます。 |
C呼吸機能検査 | 気管支喘息では息を吐きにくくなります。特に発作時ははっきりします 喘息の重症度を判定するのに使われます。 |
Dその他 | 抗原吸入負荷試験、運動負荷試験、気道過敏試験 |
気管支喘息と(喘息様)気管支炎とのちがい
小さいお子さんでカゼをひくと
「ゼーゼーする」「咳が長引く」「夜寝ているとヒューヒュー音がする」ことがあります。
この場合お母さん方から「喘息だろうか?」とよく質問をうけます。
カゼをひくと
のどや気管支が刺激をうけて、
痰などの分泌物が増え、気管支も収縮し細くなってしまいます。
そして空気が通りにくくなって、無理して気管支の中を通るので
ゼーゼー、ヒューヒューという音がすることがあります。
これが(喘息様)気管支炎です。
気管支炎と気管支喘息は同じようにゼーゼーします。
しかしゼーゼーをおこす(気管支を収縮させる)原因がことなります。
気管支炎はカゼなどの感染によるもの
気管支喘息はアレルギー反応によって発作がおきます。
この両者はゼーゼーの原因が異なります。
ですから熱、鼻水などいわゆるカゼ症状を伴っていれば・・・・喘息様気管支炎
季節の変わり目、朝方など突然の発症で他の症状がなければ・・・気管支喘息
というふうにまずは疑います。
そして
気管支炎は感染が治ればゼーゼーしない
気管支喘息は治療しないと、同じ時期になると発作を繰り返すという
ちがいがあります。
ですからは最低半年は経過を見ないと
両者の区別はできません。
また1歳前後のお子さんは、
軽いカゼのときでも
ゼーゼー、ヒューヒューすることがあります。
この年齢は気管支自体が他の年齢に比べ狭いため
ちよっとしたことでもゼーゼー、ヒューヒューすることを覚えていてください。
1歳前後のゼーゼー、ヒューヒューはまずは感染の影響を考えます。
しかし最近では乳児の喘息発症が問題になっています。
ある程度の期間経過を見ないと喘息との区別ができないので
3歳位までは咳がある時などかかりつけの医者に
経過をみてもらうのがいいでしょう。
喘息様気管支炎の場合は年齢が上がるにつれて
ゼーゼー、ヒューヒューいうことがなくなります。
小さい時「気管支が弱い」と言われたお子さんがこのケースです。
気管支喘息と気管支炎の区別は診断が難しいケースもあり
また気管支喘息は慢性の疾患であり、長期にわたる治療も必要になります。
そこで上記の方法などできちんと診断し、原因等をはっきり見極め
治療管理していくことが重要になります。