水 ぼ う そ う ( 水 痘 ) |
水ぼうそう(水痘)はウイルスの病気で、全身に水疱ができる病気です。 感染力は強く、濃厚な接触があると70〜90%が感染し、よく保育園などで流行します。 健康なこどもは比較的軽くてすみますが、白血病の人、ステロイドなどの免疫抑制剤を 飲んでいる人、免疫不全がある人がかかると重症になります。 また大人の方の場合肺炎、肝炎、脳炎などを合併して重症化することもあります。 |
原 因 |
原因ウイルスは、水痘・帯状疱疹ウイルスで、飛沫および接触感染によって感染します。 潜伏期間は2〜3週(平均15日)。 すべての発疹がかさぶたになるまでは感染力があります。 このウイルスにはじめてかかると水痘を発症します。その後は神経や神経節に潜み、身体の抵抗力が落ちた時 ウイルスが再活性化し帯状疱疹をおこします。 |
症 状 |
水疱やかさぶたをもった発疹が体、頭、口の中に次々できます。 発疹は紅斑(赤いブツブツ)→丘疹→かさぶた のように色々な段階の皮疹が経過中出るのが特徴です。 頭の中、陰部、口の中にもできます。 発疹は2〜3日がピークでその後乾いた黒いかさぶたになります。 かゆみを伴うこともあります。平均して1週間ぐらいでよくなります。 かさぶたがとれて白っぽい跡が数ヶ月から数年残りますが次第にきれいになります。 発熱は37〜38℃台の発熱が続くことがあります。 熱が全く出ないこともあります。 発熱は通常1〜3日で下がります。 |
診 断 |
特徴的な発疹であり、診断は臨床的に行うことがほとんどです。 一見虫刺されなどと間違われることがあります。 水ぼうそうの水疱は、柔らかく、指でこするだけで破れてしまいます |
合 併 症 |
水疱をかきむしると細菌感染が起こり、化膿して膿がでることがあります。 まれに肺炎、肝炎、無菌性髄膜炎、脳炎を合併することがあります。 水ぼうそうになった後もウイルスは体の神経に潜んでいて、体調が悪くなった時に神経に沿って 帯状に水疱やかさぶたの集まりを作ります。 →水ぼうそうは1度かかると一生免疫を作り、その後なりませんが、帯状疱疹はくりかえします。 |
治 療 |
かゆみを抑えるために塗り薬と飲み薬を処方します。 水ぼうそうには抗ウイルス剤が開発されていて、早期に投与すると、症状が早く軽快することができます。 細菌による二次感染を起こした場合は、抗生剤を使用します。 解熱剤に対する注意 水ぼうそうの時、アスピリン入りの熱さましを使うと激しい嘔吐・意識障害・けいれんなどの症状を特徴とする 「ライ症候群」を起こすことがあります。 解熱剤の使用について医師の御相談下さい。 |
家 庭 で 気 を つ け る こ と |
★かゆみがあり、水疱が破れると化膿しやすいので、かきむしらないようにしましょう。 手をこまめに洗って、清潔にし、つめも短くしておきましょう。 ★口の中に水疱ができていると痛い時があります。その時は熱い、辛い、酸っぱいものは避けましょう。 ★水疱ができている間はシャワーや掛け湯にして、肌を清潔にしましょう。 かさぶたになったら湯ぶねに使って構いませんが、その時かさぶたを無理にはがさないように 気をつけましょう。 ★水疱が完全にかさぶたになるまで登園、登校できません。 水疱の中にウイルスがいて、うつってしまうためです。 通常は1週間ほどお休みすることになります。 家族の中に予防接種をしていなかったり、今までかかっていなかったりすると感染します。 ★予防 ワクチンが有効です。 兄弟が水ぼうそうにかかった時、3日以内にワクチンを接種すれば、かからないか 軽症ですませることができます。 白血病、ネフローゼ症候群など免疫を抑制する薬を使っている場合やもともと免疫が弱い子供たちは ワクチンをしておきます。 |
注 意 が 必 要 な 時 |
★発疹が赤くはれて化膿したとき ★ぼんやり、ぐったり、元気がないとき ★高熱が3〜4日以上続くとき などの時は早目に受診してください。 |