「熱が高いと脳に障害が出る?」
医学的に42℃を越えないと脳細胞は破壊されません。
インフルエンザ、夏カゼのヘルパンギーナなどで高熱が出ますが、上がっても40℃前後です。
通常のカゼ、肺炎などでは42℃以上にはなりません。
ですから熱が高いからといって脳に障害が出ることはありません。
但し熱中症や脳炎では脳の障害が起き、
熱のコントロールができないため高熱になります。
しかし高熱が続いたから脳炎になるわけではありません。
「熱が高いとひきつけをおこす?」
これはある意味では正しいことです。
但し熱が上がれば、誰でもひきつけを起こすと考えることは誤解です。
熱性けいれんはまだ不明な点もありますが、6歳以下では大体10人に1人が、
そのうち80%が3歳以下で起こします。そして両親に熱性けいれんの既往があったり、
急に熱が上がる時にけいれんが起こしやすいと考えてください。
熱が上がってしまうとけいれんは起こしにくくなります。
ですから熱の高い時けいれんが起きるというのは誤解です。
「熱を下げると病気が早く治る?」
一般的に、熱が高いほどウイルスは不活化しやすく、
カゼなどで熱がでるのは、生体の防御機構が働いているからであり、
熱が高い方が病気の治癒に有利に働くと言われています。
ですから熱を下げたから病気が早く治るわけではありません。
ただ脱水傾向がある、熱性けいれんを起こしやすい方などは適宜解熱剤を使い
一時的に熱を下げる必要があります。
「熱が出たら温める?」
熱の時温めるだけでなく、
熱の上がり始め寒気がある時は温め、熱が上がってしまって暑くなったら冷やしましょう。
熱が出たとき大切なことは過ごしやすい環境を作ってあげることです。
お子さんの状態に合わせて調節して上げてください。
「カゼをひいてるときは入浴しないほうがいい?」
鼻水、咳があるから入浴できないわけではありません。
しかし熱がある時入浴すると、体力が消耗したり、脱水が進行したりするので
控えていたほうが無難です。
ただ熱のある時は、こまめにタオルで体を拭いて皮膚を清潔に保つようにしましょう。
「熱さましは経口薬より坐薬のほうがよく効く?」
吸収のみを考えれば、坐薬のほうが早いのですが、
経口薬は胃内容によって吸収が変わります。しかし
効果はどちらが強力ということはありません。
お子さんにあった方を使ってあげましょう。