ダニによるアレルギー



ダニ対策の必要性

大人の喘息では2/3程度、小児喘息では約9割がアレルギーをもっています。
アレルギーの原因となる中で最も多いのがダニによるアレルギーです。
ダニの死骸を含んだホコリを吸い込むと喘息発作が起きます。
実際にダニアレルギーのある患者さんが転居したり、住居のダニが減ると
喘息やアトピー性皮膚炎が改善することはよく経験します。
ですから室内からダニおよびダニの死骸を排除する・・・つまり掃除が重要になります。
しかしダニは普通に掃除しているだけではなかなか減りません。
ダニがいるところを重点的に行なうと効果があがります。
また6〜7月はダニの増殖期にあたり、8〜9月は死ダニが増えてきます。この死ダニが
喘息発作の原因となります。

梅雨時期から初夏にかけて大掃除をすることは大変有意義です


ダニの増加の原因

アルミサッシの普及で室内の機密性が増し、またエアコンの普及で室内の環境が
年中一定に保たれたことなどにより、室内はダニの住みやすい環境になっています。
そのためダニが増加してきていると考えられます。


ダニの多いところ

ダニは室内のホコリの中にいます布団や枕の中、床には特に多く、
ソファー、カーテン、ぬいぐるみなどにも多くいます。
床はじゅうたんに一番ダニが多く、たたみ、フローリングの順に少なくなります。


ダニを減らす方法

@ まず寝具の清掃を

誰もが一番長く過ごしているのは布団の中でしょう。
布団の中はダニも繁殖しやすく、ダニの影響を最も強く受ける場所です。
まずは布団のダニ退治を行ないましょう。

週一回は使用しているすべての布団、枕、毛布の表裏とも
 
1平方メートル当たり20〜30秒間掃除機をかける
晴れた日は寝具の天日干しをしましょう。
 天日干しのポイントは・・・
取り込んだ後必ず表裏掃除機をかける。・・・です。
 布団を叩くだけだとダニが布団、毛布の表面に浮きかえって逆効果になります。
週1回はシーツ、布団カバーの洗濯を
★ 押入れから出したばかりの布団は、ダニが大量に繁殖しています。
  使う前に必ず天日干しをして、その後掃除機をかけましょう。

A まめに掃除をする

★ 掃除の基本は、ほこりをとることです。
  つまり掃除機でホコリを吸い取り、濡れた雑巾で拭き取りましょう。
  室内灯の傘の上、たんす、テレビの後ろなどちょっとした隙間も
  ほこりがたまりやすいのでまめに掃除をしましょう。
★ 寝室は可能な限り毎日掃除機をかけるのがよいです。
★ じゅうたん、カーペットの掃除機かけは
  3日に1回は1平方メートルあたり20秒以上の時間をかけて下さい。

B ダニが増殖しない環境作りを

★ 1日1回は窓を開け放って、空気を入れ替えましょう。
  
室温25℃、湿度75%で最もダニがよく繁殖します。湿度が60%程度に下がる
  とダニが繁殖しにくい環境になります。
★ 年に1回は大掃除をしましょう。
  
梅雨明けに大掃除をすることで、その年のダニの増殖のピークを抑えられます。
★ ペットについて
  ペットのアレルギーも増えています。ペットを飼っているご家庭では
  ペットも洗ってあげましょう。また掃除をしっかりして、
  寝室にペットを入れないようにしましょう。
★ ぬいぐるみも定期的に丸洗いしましょう。


どの位で効果がでるの?

2週間毎日続けることで1平方メートルあたり100匹以下にダニは減ります。
これは喘息発作を起こす危険因子を下回る量です。
しかしダニアレルギーを軽減するには20匹以下であるといわれます。
ダニを減らすには日々の掃除しかありません。
まず2週間続けて見てください。喘息発作が減るなどの効果が期待できます。