-CONTENTS-
ごじゃぱたぎ なむらたがり ぶづじ かやすま ぼった かがやぎ
ゆくてない 一人称・二人称 ぱっさらめぐ さげすむ
人称家族篇 ぼっつ べろたーす みったぐなす
「ごじゃぱだぎ」
宴会などで、お開きになった後も帰らずにしつこく飲んでいる人のこと。複数形は「ごじゃぱだぎあどー」
たいてい迷惑な意味で使われる。
例)「ほれ、この、ごじゃぱだぎあどーあ、はー、やめれー」
(ほら、この、ごじゃぱだぎ達<翻訳不可>は、もう、やめなさい)
「なむらたがり」
子供たちがお正月に、他人の家の軒先で、お菓子をねだるという年始の行事。40年ぐらい前まであったようだ。
「やたらたかる」の意味だと、多くの中年世代が思っていたが、実のところは、「お正月にこたつにばかり当たっていて、なむら(向こう脛)が皹だらけになって、それをなくす(たくる)ように、外に行って歩いてこい」という意味だそうだ。
例)「あらあら、なむらたがりーよーに、ほぢーくらしてもぢーくって」
(まあまあ、なむらたがり<翻訳不可>みたいに、はしたなく餅を食べて)
「ぶづじ」
打ち身などでできた青あざのこと。「づ」と「じ」が極めて近い音で発音されるため、「ぶずず」と聞こえる場合もある。
例)「きんのう、玄関でこげで、ひざさぶづじあできだじゃー」
(きのう、玄関で転んで、膝に青あざができたんだ)
「かやすま」
子供などが、目に入ってじゃまな前髪を、頭のてっぺんで結わえること。また、その結わえた髪のこと。狭義には、収穫後の稲わらを、結わえて田に立てておく物を云う。
例)「トルコのサッカーの選手、イルハンは、かやすまー結ってらごどー」
(…イルハンは、「かやすま」を結っているじゃないか)
「ぼった」
屎尿のこと。肥溜めの意味に使う場合もある。
牛馬の糞のことも同じように言う。
例1)「三郎えーのおんずあ、わらしんどぎに、ぼったさおぢだったじょー」
(三郎の家の次男は、子供の時に、肥溜めに落ちたそうだ)
例2)「きんのう、おらえのばばあ、裏のはだげさぼったあまいだへーで、くせえごったあ」
(昨日、家のおばあさんが、裏の畑に屎尿を撒いたので、臭いでしょう)
「かがやぎ」
非常に痛がる人のこと。「が」は鼻濁音 「ぎ」は濁音で発音する。
例)「おっといなー、おらえのだだあ、転んで、手ーおしょって、いでえって、ひどぐかがやいだごどーなんの」
(おととい、家のお父さんが、転んで、手を折って、痛いと言って、大げさに痛がっていたことなんのって)
「ゆくてない」
いうことを聞かず、おりこうさんでないこと。
聞き分けのないこと。
主に子供を表現するのに使う。
例)
「隣のわらすあ、ほにゆくてないわらすだ」
(隣の子供は、本当に聞き分けのない子供だ)
一人称・二人称
今日は、ご質問のあった、「人称」について特集します。
単語
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意味
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使用例
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訳
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わ |
わたし |
それぁ、わのだ。
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それは、私のものだ。
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いが
(んが)
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お前 |
んがえのままあ、どやってれ。 |
お前の家のじいさんはどうしてる? |
あんだ
さん |
あなた |
あんださんが(*注)、
どこの人だすか? |
あなたはどちらの方ですか? |
!ワンポイント!
人称は、町内でも、地域によって、また、前後の文脈によって、微妙に発音が異なります。
例)
「私は」 われあ、わー、
「お前は」 いがあ、んがあ、おがあ、
*注) 「〜は」 を 「〜が」 と表す場合が多い。
「ぱっさらめぐ」
乾燥してぱさぱさすること。
例)
「ストーブにあだってらったら、なんだがぱっさらめいできた」
(ストーブで暖まっていたら、何だかぱさぱさしてきた)
「さげすむ」
佇むこと。一般的な「蔑む」は、あまりいい言葉ではないが、南部地方で「さげすんで」と言われても、悪い意味ではないことに注意したい。
例)
「こないだ美術館さ、わげえばばあつれでいったっきゃー、まんずさげすんでみでらったあ」
(先日美術館に、うちのおばあさんを連れて行ったら、しげしげと佇んで見ていたよ)
「家族篇」一挙公開
単語
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意味
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使用例
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訳
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ごでー |
長男 |
いがあごでいだへーで、ちゃんとせ
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お前は長男だから、しっかりしなさい
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おんず |
次男 |
むがえのえーのおんずあよめーもらーっちょー |
向かいの家の次男が嫁をもらうそうだ |
だだ |
お父さん |
わんげえだだあ、そどさいだごった |
(電話などで所在を聞かれて)うちのお父さんは、外にいるだろう |
あっぱ |
お母さん |
あっぱぃぇー。今日何い食うでー? |
お母さん。今日何を食べるの? |
まま |
おじいさん |
まんまだへーで、ままあ呼ばってこー |
ご飯だから、おじいさんを呼んできなさい |
「ぼっつ」
ほこりのこと。
例)「テレビの上さ、ぼっつあたがってら」
対訳)テレビの上に、ほこりが積もっていますよ
ぼっつ」は、たかる(付く)とともに使用されることが多い。
例)「ぼっつたかり」
「べろたーす」
直訳すると、「舌がもったいない」。
転じて、あなたと喋るのは、もううんざりだ、という意味。
「みったぐなす」
とても醜くて、「見たくない」という意味。
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