夕暮れは今日も高く
空を美しく染め上げる。
愛しいあの人も夕日の色に犯されてると思うと
胸が痛んだ。


蜜日(前? 後?)



 遠く遠く
空の星。
でも、近くに居たいから心に乗せる言葉を放つ。
ぷるる
一回。
ぷるるる
二回。
ぷるるるる
三回。
がちゃ

「もしもしさくら?」

「はい。私です真一郎さん」

恋よ届け。想いよ届け。
この声よ届け。
繋がるだけの安心感
でも、何も言わないと繋がってる事を忘れてしまう。

「星が綺麗ですよ」

「そうだね。綺麗だ」

二人で空を見上げてるって言う心地よさ
ふっとこみ上げる愛しさ

「真一郎さん」

「うん……さくら」

ゆっくりとした言葉で互いの名前を呼び合い
明日の事を約束しあう
それだけの30分。
あまりにも短い思える時間は、瞬く間に終わり。
明日の夢を見るように
お互いは眠りについた。
綺麗な綺麗な夢に染まって……


 昨日の別れは今日の予感。
また笑顔であえるって希望。
だから陽だまりで微笑むあの人がとても嬉しい

「おはよう、さくら」

「おはようございます。真一郎さん」

いつもと同じ
並木道、並んで歩く陽だまりで
遠くに聞こえる声、賑やかに
歌うように はずむ声
からまる腕の暖かさを胸に抱きしめる
恋人と言う心ごと……

「いつものようにラブラブだね〜」

「本当、仲良いよね」

二人の笑顔もついてくる。
優しい優しい時間に

「はい。とっても」

「ノロケられた」

「ふふ。私達と真くんが一緒ってのはさくらちゃんが許してくれたんだしね」

「大事な大事な幼馴染ですから」

くしゃくしゃと頭に乗る重み。

「あやや。真くんの目が優しい」

「うんうん。彼氏さんだね〜」

「当然。ほら行くぞ二人とも」

「さくらちゃんには言わないのー?」

「伝わってるし腕組んでる」

「うわ、べたべた?」

「むしろ甘甘?」

「後で泣かすぞ」

「さくらちゃん、あんな事いってるよー」

「照れてるだけですから」

「良くわかってらっしゃる」

「真くん可愛いよね」

「可愛いとか言うなっ!」

ぺしん
と背中を叩き
今日も学園に吸い込まれる私達。
今日もきっと良い日に……






「と、言う事で綺堂さん
おはよーございます」

 私の席の隣
井上さんが着席する。
少しの汗の匂い。

「朝練ですか?」

「はい。こってりとやられました。
唯子先輩が部長でもやる事は一緒なんですよね〜」

「それはそうでしょう」

「ま、そうなんですけどね。
うちの彼氏くんが中々離してくれなくて
ちょっと寝不足です」

「羨ましいかぎりで」

「まぁ、たまにはそう言う事もありませんと」

「連日そうしたいんですけどね」

「あはは。私はカンベンです。そのあたり」

その言葉にベルが被る。
では、またと言いながら思い思いが席につく
授業が流れ初めた。



 お昼。
中庭には人影が3っつ
真一郎さんと鷹城さんと野々村さん。
私もその中にちょこんと座る。

「今日のお弁当はこれだー!」

「唯子のにんじんー!」

野々村さんがお弁当を広げると見た目に鷹城さんが一言叫ぶ(?)
真一郎さんが「はい」と優しく手渡してくれたのを
4人で舌鼓を打ちながらゆっくりと食べだす。

「ちょっと濃いかなぁ?」

「これくらいが、うまうま」

「唯子、ちゃんと噛めよ」

「さくらちゃん、これどう?」

「美味しいです」

「小鳥ー。
唯子にもー」

「はい。あ〜ん」

「あ〜ん」

4人で食べさせあいっこしてる姿ももう見慣れた風景のようで

「ななぁかちゃんー
大輔くんにあーんは?」

「こぉら、唯子 そんな事叫ぶな」

「あはは。ね。二人もこっちに来てもらったらどうかな?」

「そうだな、おーい
大輔」

「うん?
聞こえてる。そっち行くわ」

「いらっしゃい、お二人さん」

「いや、綺堂何時見ても色っぽ
がぁ!」

「何 色目で見てる?」

「嫉妬深すぎっぞ。相川ぁ!」

二人の拳が走りあう。
本当に仲良し。

「ふふ。嬉しいですよ。真一郎さん」

「でた。
さくらちゃんの甘やかし」

「でたって、言われましても」

「野々村。貰って良いか?」

「うん。良いよ」

「小鳥も怖がらなくなったねー」

「端島くんは優しいよ?」

「お? 好印象」

「なんなら このたぬき捨てて」

「こぉらー!!」

「大輔……そんな適当でなら殺すよ?」

「完全にパパだな。相川」

「パパって言うなっ!」

「あはは、じゃ、唯子がママ?」

「むしろさくらちゃんじゃないの?」

「うむ。唯子はどっちかと言うと娘」

「酷いΣ( ̄□ ̄;)」

「ごちそうさまぁ♪」

「しゃべってたのに、食べ終わるんですね」

「俺らはだいたいそうだよ」

「さすがです。先輩方」

「ってか、お前が遅いんだよ。
ほれかしてみろ。食べてやるから」

「駄目です。部活で倒れちゃいますよー」

「たまにはさぼれさぼれ」

「部長さんの前でそれ言わないで欲しいなぁー」

「鷹城。大目に見ろや」

「ま、仕方ないかー
でも、大会前は駄目だよ」

「だってよ」

「でます。でますから
そんな簡単に納得しないでくださいよー」

「ななかちゃん」

「唯子先輩?」

「早く食べないともう時間ないよ」

「はい……(つ∀`)」






 ご飯を食べて
授業が終わって、
夕暮れは二人で歩く
朱く染まるさまが二人だけにしてくれるようで
そっと寄り添う……
そうして
また、二人だけの時間が始まる。


二人の時間だけの時間なら優しく甘く
体を抱いてまどろむ。
ただ、それだけで愛しさが込み上げるように。

「さくら……
ご飯にしよっか」

「もう、そんな時間なんですね」

「うん、さくらのお腹もぺったんこ」

後ろから抱きつかれて
お腹に手を乗せられているから……
でも、ちょっと恥ずかしいです。

「お台所
借りますね」

お弁当は真一郎さんの作だったので
(私には、まだ冷めたときまで考えてお料理する余裕ないです)
夕飯は私
運動は一つ(//_//)
くらしか、しない私達なのでカロリーとか低めを心がける
野菜とお魚、だし汁で甘辛く煮て
その甘辛いのが「俺とさくらの恋みたいだよね」
なんて、言ってくれたのが嬉しくて
つい、この味ばかり作っちゃう
一汁一菜が良いみたいなので
あとは、お味噌汁(野々村さん直伝♪)を作って
真一郎さんの元へ

「美味しいよ。さくら」

最近。やっとお世辞じゃなくてそう言ってくれてると思える。
ゆっくりと動く唇がどうしても性を思わせて
瞳が奪われる
恋してるんだからしょうがないって思っても
やっぱり何処かはしたない。

「うん?」

「な、なんでもないですよ」

そう言ってそっぽ向く私のアゴに真一郎さんの手が重なる。
くいっと向けられ、あわさる顔と顔

「食べこぼし」

どうせなら唇に欲しかったそれは次を思いださせてせつなくて
真一郎さんがご馳走様って言うまで固まってしまいました。



 ご飯の後はお風呂
お湯を張ったら脱がせっこ
真一郎さんはそう言うのが好きみたいですけど
私から見たら汚れた服とか下着は見せたくないので一人で脱ぎます。
先にシャワー浴びたら湯船で真一郎さんを待つ
この間のドキドキ感は嫌い
「だから脱がせっこ、しようって言ったのに」
それでも恥ずかしいものは恥ずかしいんです。
 湯船で二人
真一郎さんとなんとか収まる。
温まったら真一郎さんが頭を流してくれて
しゃわしゃわとシャンプーしてくれます。
尻尾と一緒にやわやわと耳をなでるように
気持ち良くてつい
ふわーとしちゃう。

「はい。さくらお終いー」

洗い流されると頭をフルフルと振る癖
真一郎さんは結構楽しみ
なんて言ってくれます。
背中



と、洗っていって
次は私の番
真一郎さんの頭をお返しにわしゃわしゃと洗います。
あんまり気持ち良く無いのかな?
目をつぶってじっとしています。
背中から前
腰に降りていって
ゆっくりと洗いって行きます。
大きくなっていってるのにちょっと困るけど
私も洗われてる時に触られて気持ちが高まる。
 向かい合って唇を重ねあい
舌先で互いの口を確認しあう
唇は相手の形をゆっくりとなぞり舌先は歯の形にゆれる。
肩を抱いていた手がゆっくりと胸のふくらみを指で形取る。
親指の力でやわやわと揉まれるそれに
私は吐息を漏らす

「んっ……ふっ……はぁ……」

じれったいその指先は何時までたってもその先に触れてくれず
胸の形を確かめるように全体をゆっくりと包み込み

「真一郎さん……それ……」

はっきり口に出さないからか
それが良いと思ってか
真一郎さんがやわやわと力をこめる
こめた指が滑ったのか瞬間的に胸の先がしびれる

「あっ。ぅん……」

ぴくりと震える体と高くなる声
にっこりと笑う真一郎さんに心がだんだん溶けて行く

「もう良いかな?」

なんていじわるみたいな事を言いながら
真一郎さんの手が下にしたに伸びる。
愛される入り口を確かめるように指先が形を取り巻く
円を書くように右回りに一回

「ぅ……んんん」

二回

「あっ……ああ」

三回

「はぁっ! はあああ……」

四回

「ひゃぁっ はあぁぁぁ」

じょじょに早く早く
くちゅりくちゅりと速度と粘質をあげて
指先が奥に入る
じれったい
奥に奥に欲しくなる
真一郎さんの肩に置いた手でバランスを取るほど
足先の感覚が薄くなっていく

「ああっ!」

ふいにちょっと奥を指がつついた。
完全に力を無くして真一郎さんにしがみつく

「もう良いかな?」

なんて聞いて来る
そんなのとっくに……
準備はできてないと痛いって知ってるから
念入りにって言うけど……
もうちょっと早く欲しい……
ここまでじらされると辛い……
少し狭い洗い場
何時ものように壁に手をつく

「……真一郎さん」

完全にねだってると思う
はしたいない顔
それでも

「可愛いよ。さくら」

嬉しい一言で救われた。

「はぁぁぁぁぁぁ」

待っていた棘が刺さる。
腰が蕩ける鈍い痛み
奥に届くと『そこ』に力が入る。

「ぅん」

小さなうめき
あわさる背中と胸
真一郎さんの胸も先が固く
背中に触れるのが刺激になる

「だめっ。それ……駄目」

思わず漏れる癖
そのままで居て欲しいとねだる。

「さっ、さくらっ」

ぐっと押し込まれ
中を刷り上げる感覚
奥にぴとっと触れるのに

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

思いっきり声を上げた
その感触が欲しいと体ごと後ろに動く
真一郎さんが腰を引くのが我慢できない
もっともっと深く
ただ、深く欲しい

「真一郎さん
違う。それ違う」

「うん。さくら……」

ただ、ただ、
ぐっと押し込まれるだけ
もう入らないとうごめく感触にさらに押し込まれる

「あっ。あっ。あっ。あっ。あっ」

押し当てるのにリズムを取ってる
押し込む時に力を入れて踏みとどまり
押し込みが小さくなると息を吸い力を貯める
奥が、ぐりっとした瞬間
息が思いっきり漏れる

「っ。っ。っ!」

声が出せないほど気持ち良くて
思いっきり息が苦しくなる。
それが全身に力が入り絞まったのか
真一郎さんが声をあげる

「あぁっ。あっ。さっ。さくら」

「はい、私も……
駄目。駄目……ですぅ」

今まで入ってたのが嘘みたいに大きく膨らんだ気がして
奥に奥に一番深く届く感覚
びくんびくんと出てる跳んでる届いてる……
そして意識が飛んだ

「はぁっ。はぁっ!。はぁっ」
荒い息が二人のもので
解けて解けて混ざり合った……



お風呂上り
真一郎さんの匂いのするシャツでパジャマ代わり
暑くなった体は夜の空気で冷やされていく

「さくらー
平気?」

「はい……へいきでしゅ………………」

まだ口が回らない
ぐったりとしたまま、さっと全身
次いで一部分をきちんと洗いなおして
お風呂から出た。
それだけの時間があってもまだぼーっとする。
そのまま二人でベッドに倒れて
まどろみながら幸せな夢に落ちて行きました。






蜜日へ

後書
さくらのご機嫌とり(笑)
まぁ、ちょっと失敗したのでそんな感覚で書いたSS
蜜日の前とか後にはまる話になってます。
なんか出来に不満がありますが楽しんでくれたら嬉しいです。
ご意見・ご感想などお待ちしておりますm(_ _)m



TOP掲示板