夏。
夏場に彼女持ちが考える事って言ったら一つだと思う。
少なくとも、大輔は同意してくれた
ってか、一緒に行こうとか言い出した。
断固断る!
さくらの水着姿は俺のもんだからな。
問題はどうやって誘うか
水着なんだから海かプールは必須だろう
でも、さくらは人ごみが苦手だからなぁ……
俺もほら
下手にパーカーなんか着た日には
ナンパされたりしたし……
あん時は大輔が俺の彼氏とか言われて
腹抱えて笑ってたな……
思い出したら、腹たって来た
あとでななかちゃんにチクろう。
それはともかく
夏の連休中には是非行きたい
それも、7月中だろう
8月になると混み安いとは御剣の評価だけど
ななかちゃんも言ってたからなぁ……
あのバイト魔達が口を揃えて居るんだから
きっとあってる事と思う
まぁ、このへんは
なんとかなると思う
さくらは旅行好きみたいだし
問題は……
「しんいちろ?
難しい顔してどしたの?
おなか痛い? 唯子がなでなでしてあげよっか?」
こいつだ。
小鳥はまだなんとかなる
と、言うか小鳥は聞き分けが良いからな
ただ、この尻尾と短尻尾のコンビは冷やかす
それはもぅ冷やかす
しかも、短尻尾はバイト休んでついてきたり
尻尾は、瞳さんなんて最終兵器をもってきたりするからなぁ……
「しんいちろー?
おぉーい!」
ついてくるのはまだ良いんだが
まとわりついてヤカマシイしな
「しんいちろ……が病気
これは唯子の愛でしんいちろを元気に!」
ふわっとした感触と
夏独特の暑苦しさに包まれた。
「愛は間に合ってる
おもにさくらので」
「しんいちろが冷た〜い」
「ほら、行った行った
いくらなんでも、この状況は不味い」
「真一郎くんは浮気者♪」
ほら見ろ
出た。
文字通り出た。
最近この幽霊さんは旧校舎以外にも結構出歩く
やっぱり夏はお化けが元気になるんだろうか?
「背中には幼馴染とは言え巨乳っ娘。
真一郎くんの青春は幸せね♪」
「七瀬ちゃん
おーす!」
「唯子ちゃん、やほ〜♪
あたしにも真一郎くんわけてね」
「うん」
何承知してるかな、こいつらは
うわ、冷たっ!
なんか、七瀬がくっついてる前面が涼しい
「七瀬ちゃん、冷たくて気持ち良い〜♪」
とろけた顔してるなぁ……この尻尾は
「で、しんいちろ元気になった?」
「そりゃ、もう
健康的にびんびんよね?」
「?
びんびん?」
「少しだまって離れてくれ
身動き取れない」
しぶしぶと離れてくれる
何時もこう聞き分けが良いとありがたいんだけど
「で、夏よね。
肝試しとかしないの?」
「怖いからやだ」
「良いじゃない。
私の友達もいっぱい呼ぶからさ」
「それが怖いんだよ〜」
うん、七瀬の友達はシャレにならない
だって、本物じゃないか
「真一郎くんは良いよね?
可愛い子もいっぱい来るし」
「しんいちろは
いやだよね?
だって死んでるし
さくらちゃん居るし」
「いや、これでなかなかさくらもこっち側だしね」
「こっちがわ……?」
「ふっふっふ……言っても良いのかな〜?」
「いやー!
怖いのやだ、怖いのやだぁ〜!」
泣かれても困るからなぁ……
「七瀬。
唯子をあんまりいじめない
唯子も座り込んで耳塞いでも七瀬の声は聞えるだろうが」
「きっ、気分的にだよっ!
気分的にっ!」
「ほほお〜」
「なんだよ」
いやらしい顔で七瀬がこっちを見る。
「いや、唯子ちゃんをいじめるのは自分だけだー!
って、心が聞えた気がしてね」
「勘違いだ」
「真一郎くんがつめたい〜!」
しなを作るな。
「むー
七瀬ちゃんはいじめっ子〜
しんいちろ帰ろ〜」
さっきまで仲良くしてたのにな
「あらあら、嫌われちゃったわね……
私寂しくてお友達つれて唯子ちゃんに会いに行っちゃうから」
七瀬の泣き真似に唯子は……
「ご、ごめんね。七瀬ちゃん
だから、お友達は簡便してね」
と、泣きそうになった。
七瀬のは泣きまねだが
唯子のは素で泣きそうだ。
「七瀬」
「大丈夫よ大丈夫。
お友達って言っても十六夜さんだから
唯子ちゃんも会ってたでしょ?
ほら、五月の宴会で」
「ああ、うん、あってるあってる。
十六夜さんと七瀬ちゃんなら歓迎だよ〜」
「じゃ、今夜はお泊り会で」
「らじゃ〜
小鳥も呼んで良い?」
「もっちろん♪」
「楽しみだな〜♪」
(と、言う事だから
さくらとよろしくやんなさいよ。真一郎くん)
そう七瀬が、耳元でつぶやいた。
今夜は暑くなるそうだなぁ……
なんて、思った。
ただ
真一郎の料理は美味しいからね〜
と、俺が当然のように泊まると思ってる唯子はどうかと思った。
女の子が4人も集まってるお泊り会に出る訳がないだろう。
第二話へ続く
後書き
なんか、真一郎と七瀬の性格を間違えて記憶してる気もします(苦笑)
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