第3話 失われし遺産、発動
唯子's view:
しんいちろう見っけ!
「よぉ、唯子、早かったな?」
「唯子さん、こんにちわ。お久しぶりですね。」
あっ、さくらちゃんお久しぶり♪ しんいちろうが迷惑掛けなかった?
「おいおい唯子ぉ〜…」
「…そんな事はないですよ。私達の方が却って迷惑掛けていますから…」
「……迷惑だなんで思ってないよ…さくら…」
「先輩…」
なんだなんだぁ〜? しんいちろう、浮気?
「…唯子。」
なに?
「そんな事ゆーのはこの口か? この口かぁ??」
あぁぁぁぁうぅぅぅぅぅぅひんいひほう…あめてぇ…
「(くすくす)相変わらず仲がいいんですね。」
「まぁ…ネ…」
はうはうはうはうぅ…はやふ、あめてぇってはぁ…
ノエル's view:
……主人には見捨てられ…同行者には忘れられ…
私はなにか、悪い事でもしたのでしょうか…
「うにゃぁ〜…」
…そこにいるのは陣内美緒様ですか?
「うにゃぁぁぁぁ〜…」
大丈夫ですか? …大丈夫みたいですね…
しかし、なんでこんなところで寝ているのでしょうか…
「うにゃにゃ…」
…しばらく看病をさせて頂く事に致しましょう…
ななせ's view:
「ここが忍さんの部屋の入り口だよ…」
…ついたわね…
「ククククッ…腕が成るわね…」
アリサ…鳴るだから…
まぁいいか、開けるわよ…
「うん!!」
「くぅ〜ん!!」
「ええ!!」
なのは's view というか、語り、なのは:
「待っていたわよ、魔法少女達!!」
扉を開けた途端、私達を待っていたのは忍さんのそんな台詞でした。
「ちゃんと首は洗っておいたの、忍?」
「そっちこそ、綺麗にしてあるんでしょねぇ…七瀬ちゃん?」
さすがに、忍さんと七瀬ちゃんの毒の吐き合いは迫力があります。
「くぅん…なのは、それはちょっと違うと思う…」
なんかくーちゃんが言ってますが、今回は黙殺です、はい。
「そうそう、あなた達に用意した特別なものがあるのよ。」
忍さんはそう言うと、パチン、と指と鳴らしました。
すると…出て来たのは…赤や緑の沢山のノエルさんとイレイン…
「量産型ノエルII20台と高機動型ノエルII5台、それに量産型イレイン改40台。さて、これらを突破出るかしら?」
「潰すわ…すぐにでも…」
七瀬ちゃんが間髪いれずに答えます。とっても頼もしいです。
「くぅん…なのはも壊れちゃったの?」
なんかくーちゃんが失礼な事を言いまくりやがってますけど、やっぱり黙殺です。
「七瀬…ここはあたしに任せてくれない?」
「…あなた程度になにが出来るの? まぁ、暇だし、見せてくれる分には構わないけどね。」
アリサちゃんの言葉に、忍さんは暴言を吐きまくってます。
でも…アリサちゃんはそんな挑発には乗りません。
あれ? 普段なら簡単に乗るのに… アリサちゃん、調子でも悪いのかな?
「…いいわ…任せる…」
そんなアリサちゃんの様子をどう見たのか、七瀬ちゃんはそう言いました。
アリサちゃんは、七瀬ちゃんの答えを聞くと呟きます。
「ロスト・レガシィ…」
それは、魔法の言葉。アリサちゃんの髪飾りを、元の姿へと変える魔法の言葉であり、それ自身の名前。
アリサちゃんは、髪飾りからバトンに変わったロスト・レガシィを左手に構えると、更に呟きます。
「…ロスト・レガシィ、シール・イジェクト…タクティカルモード、セットアップ……レベル、LED!!」
……えっ、えっとぉ…そっ、それわぁ…
「完全封印解除。戦闘モードへの移行。そう…本気中の本気ってわけネ…」
忍さんの台詞通りですぅ…別名、バーサーカーモード…です。
「ククククククックククッ…我ガ前ニアルモノ…存在全テ…完膚ナキマデ破壊スル!! 我ガ闘争ハ狂気ナリィィィ!!!」
ななせ's view:
はっ、はやい…アレがアリサの最強モード…
「その替わりぃ…正気も失ってますけど…」
でも…すごい…あの数のイレインとノエルが…あっという間に…
「左手にあるのはさっきのビームライフルだよねぇ…」
右手にあるは…愛用のバット…でも、鋭さが違うわね…
あっ、もうすぐ終わりそう…
忍's view:
ばっ、化け物…あれだけの数がたったの数分で…全滅!?
「クククククク……モウ、終リカ? ナラ…キサマノ負ケダ…」
…アリサって、あんなに恐いのね…でも、ねぇ。
「えっ? アリサ!!」
…ほら、倒れた。オーバーロードだったのよねぇ、あれ。
まぁいいか、次は…こいつの出番だもん!!
なのは's view:
…忍さん…なんでそう言うわけのわかんないものを作ってるのかなぁ…
「くぅん…グレートガイア?」
確かにくーちゃんの言う通り、外見はそれそっくりだよねぇ…
「…あなた、マニア?」
「わりとねぇ♪ さて、こいつに勝てるかなぁ?」
「倒すわ…」
…七瀬ちゃん、今度は私にやらせてくれる?
「なのは?」
「なのちゃん?」
「くぅん?」
ダメ、かな…?
「……いいわよ。チャッチャと片付けちゃって、なのは!!」
うん♪
忍's view というか忍の語り:
なのはは、嬉しそうに頷くと…
「レイジング・ハート!! 魔法よ、力となれ!!」
そう叫んだ…けど…あたしのグレートガイアは10メートル。
大きさの差はどうしようもない。
「グレートガイア、やっちゃって!!」
「ま゛!!」
私の命令によって、グレートガイアがなのはに攻撃をしかける。
もう、なのはの命運は風前の灯ね…
「…タクティカル・ルーン<キンブ・オブ・ブレイバー>…マーグハンド、セットアップ!!」
えっ? なのはの呪文ともに、バトンが彼女の右腕と共に形を変える。
まずは右腕。異様と言えるまでに巨大化。その右腕に合わせる様に、バトンもとっても大きくなる。
その大きさは軽くなのはの身長を越える…
…ただし、どう見ても形はピコピコハンマー…
「ごるでぃおん・はんまぁ!!」
…えっと…光り輝くピコピコハンマーを右手に飛びあがるなのは…
「ま゛???」
グレートガイアが戸惑ってるうちに…なのはがピコピコハンマーを打ちつけた!!
「光になっちゃえぇぇぇぇぇ!!!」
…………
………
……
…ぐすん。あたしのグレートガイアは光になっちゃいました…
「後は、七瀬ちゃんVS忍さんだね!!」
「くぅん♪」
ななせ's view
よ〜し、あと一人。 最後はヤッパリこのア・タ・シで決まりね♪
しんいちろう♪ 応援よろしく!
『久遠、萌え〜!!』
後で殺す、絶対に殺す!
『ナナセサマスイマセン。モウシマセン、ユルシテクダサイ。』
「え〜と、そろそろ良いかな?」
そうね、じゃ行くわよ!
「ほほ〜。ま、頑張ってね。」
その余裕ムカツク〜!! え〜い、ななせキーーック!!!!
「ひょいっと♪」
キャ、何で? あんたみたいな技術屋は、接近戦に持ち込めば楽勝だと思ったのに…
「こう見えても夜の一族、その程度で倒せると思うなんて甘い、甘い♪」
「ななせちゃん!?」
「何やってんのよ、ななせ! 魔法よ!」
そうね、え〜と対個人用即死呪文、バデ……
「だから〜その程度じゃダメだってば〜♪」
後ろ! キャーーーーーーーーー
「おー、跳んだ、跳んだ。」
「にゃー、ななせちゃ〜ん!!」
コイツ、強いじゃないの…ダメ、意識が…
「だらしないわよ、春原七瀬! しっかりしなさい!!」
その声は…瞳!? 何処に居るの?
「ここよ!!」
ドッカーン!!!
「床が!」
「そこから這い出してくる、あの影は!?」
「瞳ちゃん、ただいま到着ー♪」
ひと、み?
「なんて顔してるの(ニコッ)これじゃ安心して真一郎を任せられないじゃない(はぁと)」
瞳ーーー!!
「さあ、本気のあなたの力見せてちょうだい。」
わかった、そこで見ていて、わたしのしんいちろうへの想いを!!
戻ることなく次へ行け