第4部 月村邸、強襲



第1話 戦端は歌声に乗って


ナレーター:
…よりにもよって、こういう事になるとは思っていませんでしたけれど…
忍? どうするつもりなの?
「どうって、この美しい人はわたしのものだもの…」
…だから、どうするの?
「……その様子じゃ、今回は味方してくれるわけじゃないみたいね? まっ、いいわ。色々と準備があるから、わたしは行くね。」
…忍っ! 敵にだけはならないから…
「それだけで十分よ。それじゃ!」

忍's view:
…さくらが協力してくれないのはわかってたけど…下手すると敵対されちゃうとこだったわね。しっぱいしっぱい…
でも…まっ、真一郎さんを守るためには丁度いいわよね。
あの魔法少女達を迎え撃つには、ちょっと派手になっちゃうもの…
思いっきりやっても問題なくするためには…さくらの側が一番。
ふふふ…知佳さん?
「…なぁに、忍ちゃん?」
もう少し協力してもらうわよ?
「(くすくす)いいわよぉ〜♪ 最後に笑うのはわたしだもん♪」
そう? まっ、それは最後までのお楽しみ。ね?
「うん♪」

ナレーター:
先輩、こんにちわ。お久しぶりですね。
「やっ、やあさくら。久しぶり。こんな格好で申し訳ない…」
…先輩がロリコンなのは知ってましたけど、女子高生にも弱かったんですか?
「…さくら? 俺は別にロリコンぢゃないんだけど… ななせが好きなだけで。」
…それを、一般的にはロリコンと呼びますけど?
「さくらだけは解ってくれると思っていたのになぁ…」
(くすっ)冗談ですよ…先輩。
それで、いつまで『囚われのお姫様』を演じているおつもりですか?
「…ったく、さくらには敵わないな…」
それほどでも…それで?
「そうだね。七瀬に危機が迫るまで…かな?」
出来れば…起きて欲しくないこと、ですね?
「ああ。」

ななせ's view:
着いたみたいね…決戦の場、月村邸に…
「…すでにお嬢様の準備は終了してるようです…」
ありがとうノエルさん…ってことは、もう普通のやり方じゃダメって事ね…
「何をいまさら…」
アリサ…やる気満々ね…
「ふふふふふふ…今度はさっきの様にはいかないわよ…」
「ちょっとまった!! 知佳の相手はボクだよ。今度こそ…仕留めて見せる!!」
「ちょっとマテお前ら…人の妹に対して何の相談してるんだ?!」
そうも言ってられないじゃない…知佳さんが敵に回っているのは間違いないんだし…
「そもそも、なんで知佳が敵に回っているんだ?」
さぁ? まっ、いざとなったらなのはが何とかしてくれるでしょ?
「うん!! 頑張る!!」
「…仕方ないな…」
さて、じゃ、行きましょうか…

知佳's view:
来た来た…
お姉ちゃんまで来たのはちょっと予想外だけど…
まっ、後で謝れば許してくれるよね。
「知佳さん、準備、OK?」
もちろん♪
「じゃ、相手が地雷原に捕まったところで一気に行くわよ!!」
OK!!

ななせ's view:
門から玄関へと続く道。何もないけど…
「…一見普通みたいだけど…罠よねぇ…」
一番丈夫そうなあんたが行って偵察して見てよ、瞳。
「…貴女こそ、死んでも平気そうじゃない? 行ってみたら?」
……また、やる?
「いいわよぉ〜。今度は確実に仕留めてあ・げ・る(はぁと)」
「ここまで来て何をしとるね!! 瞳!! 七瀬ちゃん!!」
「あれ、薫? いたの?」
薫さんの事、すっかり忘れてたわ。
「…うちって一体…」
「薫? 落ちこんでいる時間は無い様ですよ…」
そうね…嫌な気配が漂ってる…こんなものまで呼んでいたなんてね…
「これらはうちら任せ!!」
ええ、お任せします。
でも…どうしよう、ここ…
「一番、鷹城唯子、歌いまぁ〜す!!」
え゛?? みんなぁ!! 耳ふさげぇぇぇ!!
「(すぅぅぅ)さぁい大級のむぅ〜なさわぁ〜ぎぃ〜♪」

忍's view:
きゃぁぁぁぁぁ!! なっ、なんなのぉ〜!
「…忍ちゃん…地雷原が勝手にぃ〜…」
…もう地雷原はだめね…ああも、勝手に爆発しちゃ…
でも、なんで…この歌は一体…

ナレーター:
「…唯子が来てるみたいだね…」
先輩、アレは?
「広域殲滅型超振動波…唯子が思いっきり歌った時『裏』で発生してしまうモノだよ。」
そうですか…唯子さんも本気なんですね…
「悪いけど、知佳ちゃん&忍ちゃんだけじゃ、分が悪いみたいだね…」
あの子…何か切り札があるんでしょうね。
「なるほど…」
かくして、先輩奪還作戦は爆音と歌声を伴って開始されました。
七瀬さん率いる奪還チームは、無事に先輩を奪還できるのでしょうか?
また、黒い翼の秘密とは…
次回『それ逝け ななせちゃん♪』決戦はあくまで優雅に…で、お会いしましょう。
「さくら、実は楽しんでる?」
はい、少しだけ…


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