第6話 インターバル 〜突撃の前にパワーアップなの〜
どっかの誰かさん's view:
忍と知佳が真一郎を連れ去ってから少したった海鳴臨海公園である…
「みんな、もう大丈夫?」
「「「は〜い。」」」
瞳が子供達に尋ねると、子供達はそう元気に答えを返した。
…なのはとアリサと唯子と言う名を持つ子供達だったりしたけれど…
「それじゃあ、早速しんいちろうの奪還に出発よ〜!!」
そんなみんなの様子を見て、七瀬はそう言って拳を振り上げる。
みんながそれに続こうとした時、遮って言葉を放ったモノがいた。
「お待ち下さい。このまま月村邸に行けば、いくら皆様でもやられてしまいます。」
いつでも冷静で涼やか声。ノエルだ。そんな彼女に、真雪はちょっと不満そうな様子を見せる。
「なんでだよ。このメンバーならちょっとやそっとの事じゃあ倒せやしねえぞ。」
「最近、忍お嬢様はお屋敷の警備システムを大幅に増強していました。その結果は、恭也様と美由希様の二人がかりで2割も突破できなかった、と自慢する程のものです。」
「御神の剣士が二人でも…?」
ノエルの言葉を聞いて、うめくように呟いたのは薫嬢。同じ剣士として、恭也と美由希の実力を把握している彼女にとって、ノエルの言葉は戦慄に値するものであった。
「お兄ちゃんとお姉ちゃんの二人がそれじゃ私達でも…」
なのはの言葉に、全員が頭を悩ませ始めた…
ナレーター:
「そこでお困りの皆さん、古今東西あらゆる武器なんていかがですか〜?」
怪しい台詞を口に出しながら、月村邸の正体…なんだかいやな響きです…を知った七瀬さん達の前に現れたのは、どう見ても怪しい2人組でした。
よくよく見ると、その2人はサングラスを架けた国家認定忍者と鼻メガネを架けた暗殺者、だったりするんですけど、誰も気が付いていないらしいです。
「いや〜、誰も買ってくれなくて困ってたんですよ。今なら安くしますよ。」
「ハイ、さーびすするデス。」
怪しい2人組はそう言って揉み手をしています。
「この声…どっかで聞いたことがあるような…」
「そういえば…」
あっ、唯子さんと瞳さんが気付きそうですね。
「なにげに妖しいわね…とっても。」
当然声に聴き覚えなんかないアリサちゃんは、そう言った素直な感想を口に出します。
ですが2人は、そんな言葉には全然動揺しません。さすがです。
「そんなことないですよ〜。それよりお客さん、こんなのどうです? 魔力がエネルギー源のビームライフル【注1】!」
「何で魔力がビームなの!?」
まったくです………あっ、そのマークは…忍……
「さあ? 私は魔法使いじゃありませんから。で、どうします?」
「…貰うわ。」
アリサちゃん、熟考の末、購入を決定したようです。
一方その頃、もう一人の方は、真雪さん相手に商売を始めていました。
「そちらのお姉サンにはコノ秘伝の木刀なんかドウデスカ?」
「これは!? 世界に十本と言われる…」
「ハイ、聖剣【注2】だそうデス。」
……どうしてそんなものが…? あれは数代前に封印したって話を…
「どこからこれを?」
「ワタシは借金のカタに譲り受けたダケデス。ヤスジローさんとか言うヒトでしたネ。」
安次郎……あの人は何をしているんだか…
「やれる! これならどんなやつが来たって返り討ちだ!!」
「まいどアリ〜♪」
怪しい2人組は、こうして妖しい武器などをドンドン出してきます。
あっ、妖刀村正【注3】が出てきました。あれは…太極図【注4】? それは、ゴルンノヴァ【注5】ですか!?
…ゼッフル粒子【注6】発生装置……なんでそんなものまで…
リング・オブ・ティルトウェイト【注7】??? 誰ですか、そう言うものまで作った方は…?
魔銃ドラム【注8】…マニアックな方もいらっしゃるんですね…
そのブーメランは…ブラック・ウィング【注9】ですか…また随分と…
…で…どうしてそこで、幻の銘酒「襟裳岬」【注10】が出てくるのですか? あっ、真雪さん購入です。あとでご相伴に預かろうかな…
「みんな〜、忍さん家を壊さないよう程々にね〜。」
なのはちゃんの忠告、誰も聞いてないみたいです。
30分後、それぞれ好みの武器を買いそろえた戦士達は、月村邸に向かったのでした…
「いや〜困った人を助けて、儲かって、今日はいい事したな〜。」
去っていくみんなの後ろ姿を見ながら、怪しい人1号こと御剣いづみさんは爽やかにそう言いました。
…あんなもの売っているのに、なんで爽やかなんでしょうね…
「デモ、まだお金もらってナイデス。」
いづみさんの言葉を聞いて、怪しい人2号こと兎弓華さんが心配そうにそう言います。
「大丈夫! この人が払ってくれるそうだから。」
「え、え〜、また私ですか〜??? これ以上の借金はちょっと…」
…女神様、また捕まったんですね…しかも今回は額が違いますし……大変そうです。
「じゃあ、良い所を教えてあげますよ。確かペリカって言う通貨を使ったチンチロリンで…」
「イヤ〜、そんな賭博で破戒録な世界【注11】はイヤ〜!!」
女神様の未来は、とっても暗いようです…合掌。
第6話の注釈
【注1】言わずと知れた、ガンダムのビームライフルです。
【注2】風魔の小次郎・聖剣戦争編より出展です。まゆねぇのヤツは、たぶん風林火山です。
【注3】これは説明の必要はないでしょう。日本で一番有名な妖刀です。
【注4】封神演義より出展です。例の漫画版だと最強兵器でしたね。
【注5】スレイヤーズよりの出展。光の剣の本当の名前です。
【注6】銀河英雄伝説より出展です。レーザー等で簡単に発火する(んだったっけ?)粒子です。
【注7】ウィザードリィより。本当にあったのか覚えてませんが、最強魔法ティルトウェイトを回数制限付きで使える指輪です。
【注8】魔界都市新宿より。魔界刑事「凍らせ屋」屍刑四郎の愛銃です。
【注9】シャドウスキルより。攻城兵器を一撃で破壊するブーメランです…
【注10】オリジナルです。こんな名前のお酒は知りません。
【注11】賭博破戒録カイジです…まぁ、この中ではメジャーな方でしょう。
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