第4話 再会、あるいは短き逢瀬


ナレーター:
ホンの少しだけ、時間を戻しますね。
あっ、ノエル、お帰りなさい。お使いご苦労様。
「いえ。」

ななせ's view:
アリサ…あとで覚えてなさいよ…
まったく、こんなにしょっちゅう「ホームラン」食らってたら嫌でも耐性付いちゃうわよ…【注1】
あれ? あそこにいるのは…しんいちろう?
!! なんであんな女に追いかけられている【注2】の!? わたしというものがありながら…
しんいちろう…あとでスペシャルフルコースね…
というわけで、突撃ぃ!!

真雪's view:
くっ! 意外とヤル!! このあたしがこうも手こずるとはね…
やるじゃないか、相川君。なかなか見どころあるよ…
「そっ、そうですか?」
でも…いや、だからこそ、容赦はしないよ!!
くらえぃ!!
「ちょっと待ったぁ!!」
なっ、なんだぁ!? そっ、空から女子のが降って来たぁ?
「なっ、ななせ…?」
「ちょっと、そこのオバサン!! あたしのしんいちろうに色目使ってんじゃないわよ!!」
…なんだこの失礼でぶっ飛んだガキは……いっぺん殺っとくか?
「……ってぇ、あれ? 仁村さんじゃないの? あれれ?」
あん? なんであたしの事知ってるんだ…? …どっかで見た事あるような…
「右手には木刀、しかも仁村姉。…しんいちろう? どうなってるの?」

しんいちろう's view:
…どうやら俺は助かったらしい…
ななせ、ありがと(はぁと)
「(まっかになって)うっ、うん…」
それでな…実は…

ななせ's view:
…なんでそういうことになってるかなぁ?
ちょっと、仁村姉!!
「…そう言う呼ばれ方は好きくない。真雪様と呼べ。」
じゃぁ真雪おばさん。
「…やっぱ死んでみるか?」
まぁ、それはおいておいて…しんいちろうは仁村妹に手を出したりしてないわよ。
だって…こんなに可愛い恋人がいるんですもの。
「ロリコン?」
「否定はしませんが…そういわれると、もの悲しいな…」
し・ん・い・ち・ろ・う・?
「なんだい、愛しのラブリーななせ(はぁと)」
…もう、しんいちろうの・ば・か(はぁと)
「……いいから話を進めろ!! それとも…一回いってみるかい、三途の川?」
…とにかく、しんいちろうの恋人はあたしなの!! だから仁村妹とは全然関係ないの!!
「…そういわれてもなぁ。TVであんなに熱い抱擁シーンを見せられちゃ…」
…抱擁シーン? しんいちろう? 答えてくれるわよね(はぁと)
「はっ!! もちろんであります。」(←直立不動)
…まぁいいわ。それはあとで…
「後でぇ?! ゴメンナサイななせ様。ユルシテクダサイ、オシオキハイヤデアリマス…」
…だから後でいいってゆーのに…ぷんぷん。
「…もういい、なんとなく分かったから…」
そう? まぁそれならいいけど…
「…ん? なんだ? あっちの方が騒がしい?」
…行って見ましょう!!

真雪's view:
変なとこまで追い詰めてきたから、目的地にはちょっと遠い…
おっ、あそこだな…って、知佳ぁ? それと…アレは誰だ!?
「アリサ? なにしてんだろ? !! 黒い翼……敵って事? でもアレは仁村妹…」
おい!! なにを知っている!! 答えろ!!
「…あたしにも良くは解らない。まだ詳しい事は知らされていないから。でも、アリサ…仁村妹と戦っている娘なら何か知っているかもしれない…」
分かった…とりあえず…手を貸せ!! どうも知佳が押されてる…
「…いいわ。っ!! ヤバイ!!」
手榴弾、だと!?
「姉!!」
任せろ!!

ナレーター:
七瀬さんがそう叫ぶと同時に、真雪さんは手榴弾に向かって木刀を投げつけました。
そして、その木刀は七瀬さんの、
「デカンツ!!」
という「言葉」によって、光を持ちます。その光は、希望の光…
それらは彼女達の狙い通り、手榴弾を撃墜する事に成功しました。
……ふぅ、これでようやく時が元に戻せます。
あっ、ノエル、お茶をもう一杯頂けるかしら?
「はい。少々お待ち下さい。」

しんいちろう's view:
何が何やらさっぱりわかんないが…
ななせがそれなりに解っているのでいいとしよう。
ね、ななせ(はぁと)
「……うん。しんいちろうはあたしが守るから安心してね(はぁと)」
何を言うんだ、ななせ。逆だよ。俺がななせを守ってやるからな。
「しんいちろう…嬉しい…でも、ここはあたしが…」
いいんだ。なにも言うな。俺に守らせてくれ…
「しんいちろう…」
ななせ…
「…だからお前ら…少しは時と場合を考えろ…」
あははは…
さて、そじゃ、行くとしますか!!
「「おう!!」」

どこぞのお嬢さん's view:
ふんふふふ〜ん、どっれにしよっかなぁ〜♪
「ねっ、ねぇ唯子ぉ〜。ほんとに行くのぉ? 危ないよぉ?」
だいじょぶだいじょぶ。唯子はしんいちろうに恩を売りに行くだけだから♪
「でもぉ〜…」
時々は、幼馴染の有難さってやつを再認識してもらわなくっちゃ♪
んじゃ、行ってくるねぇ♪
「ほっ、ホンとに気を付けてねぇ〜!!」
りょ〜か〜い!! いってきまぁ〜す♪

第4話の注釈
【注1】と、いうわけで、ホンのちょっとで気絶から回復してしまっています…
【注2】ななせちゃんの主観では、そうなるそうです…



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