第3話 黒い翼 act-1
アリサ's view って言うか、語りアリサ:
あの二人って……
んっっっとぉぉぉに、そっくりね。
3時間目に入っても、まだ続けている二人に私はそう言う事しか出来ない。
「ねぇ、アリサ……『いつも』の様に止めて来てくれない?」
「解ったわ……ほら、なのはも。」
「あ、うん……腰ぬけた。」
ふぅ…
私はなのはを助け起す。
「オラオラオラオラ(略)」「無駄無駄無駄無駄(略)」
た、っく……もう…ばか…
「マジカル……」
そう私が寿悶【注2】を唱えると「いつもの釘バット」にペンダントが変わる。
「「はっ?! 殺気!?」」
「遅い! 釘バットホームラン!」
ぶぐぅん!!
狙い通りにヒットした釘バットにより、勢い良く二人は窓の向こうに飛んでいく……
うん、上出来、上出来。
と、そこに!
「すみませんがこちらに高町なのは様はいらっしゃいますか?」
いつの間にやら、メイド服のおばさんが居たのだった。
なのは's view というか、語りなのは:
「あ、ノエルさん(はぁと)」
そう言って私は席を立ち、その「メイドさん」に近づいていきました。
「忍様より『ご注文の品』をお預かりしてまいりました。」
そのメイドさん、つまりノエルさんはそう言うと、私に「それ」を手渡しまてくれます。
私は「それ」を受け取ると、呪文を唱えます。
「リリカル…マジカル……テクニカル………アリサちゃん見て!」
「なに?」
そこに移っていた位置は……
「「海鳴臨海公園!!」」
私達はクラスの皆に見送られて【注2】現場に向かうのでした。
知佳's view というか、語り知佳:
「…まっ…まだだ…まだいける…」
「リスティ〜!! これ以上邪魔するとぉ…」
さっきの攻撃を受けても、なお立ちあがろうとするリスティ。
私は手加減なしで「殺ってしまうこと」に決めたんだけど…その一撃を放とうとした時、空から何かが落ちてきたんです。
ばぐっ!
そしてそれは、そう言う鈍い音を発てて、リスティの頭にぶつかります…
ふらぁ〜と、スローモーションのように倒れるリスティ。
あっ、白目をむいてます。
…その落ちて来た物体は……え゛?
「千堂瞳ぃ?!」
つい大声を上げてしまいました。どうやら気絶しているようですね。
うん♪ 折角だし、とどめを刺してあげることにしましょう。
と、その瞬間! 私の耳元で爆撃音が響きました。
アリサ's view というか、語りアリサ:
「真一郎さんは一緒じゃないようね」
魔法で一足先に現地についた私は軽くあたりを見回してそう言った。
…と、黒い翼を発見!! …黒い翼【注3】を持ったモノ、それは敵…
ここで浮かぶ言葉は一つ。すなわち「サーチ&デストロイ」!!
浮かぶと同時に行動開始。つまり、私はジャイアントバズをぶっぱなす。
煙がはれると……目の前!?
知佳's view:
はぁ、はぁ、はぁ…いきなりジャイアントバズなんて…今のはマジで危なかったわ…
何者かは知らない【注4】けど…今度はこっちの番!
能力を集中して……
ベベルテルハ(精神圧縮波)【注5】!!
この「プレッシャーの塊」でもうけてみなさい!!
アリサ's view というより、語りアリサ:
「な!」
何かが私に危険を告げる。
「ギルフリンダ!(円形状魔力圧縮板)」
バトンですぐにシールドを張る。
「ぐぅっ!!」
すぐさま、すごい衝撃がシールドに掛かる!! だが、大きなダメージを負ったわけではない。
衝撃が去ったと同時にバズを捨て、バトンから「ハンドガン」を新たに出す。
それをバトンと反対の利き手に持って…反撃!!
「うらぁぁぁ!」
勝負はまだ、これからだ!!
知佳's view:
ちぃぃぃぃっ!
すんでの所で空中に避けられたけど…
私の奥の手でもある物を簡単にかわされるなんてね……
…ちょっとだけ焦ってきてるかも…
アリサ's view というより、語りアリサ:
一瞬、ほんの一瞬。相手の動きが鈍った。
そんなチャンスを見逃す訳にはいかない!!
ハンドガンをバトンにしまい【注6】、バトンから新たに手榴弾を出して投げつける。
「もらった!!」
しかし!!
「デカンツ!(高圧縮霊力拳)【注7】」
そんな言葉とともに路地裏から飛んできた木刀が、手榴弾が黒い翼に当たるのを防いだ。
その言葉の主は…
(七瀬…?)
第3話の注釈
【注1】じゅもんと読む。
【注2】気が付いているでしょうがまだ授業時間です。
【注3】アリサは「黒い翼」全員が敵と言う事しか知らされていません。
(当然「おばさんは?」と突っ込んだらにっこと笑われるだけだった。)
【注4】知佳は相手が誰だか知りません。
【注5】黒い翼の影響下で魔法も使います。
【注6】アリサは魔法を数種類しか知らないのです。(なので武器での攻撃が主体。)
【注7】七瀬の呪文です。
戻ることなく次へ行け