第2話 逃亡者達の黄昏


ナレーター:
七瀬さんと瞳さんが、人外魔境な戦い【注1】を繰り広げている頃、先輩達はというと…どういう訳か、夜通し逃げまわっていたようです。

しんいちろう's view:
あっ、あのぉ〜、知佳さん?
なんで俺達逃げまくってるのかなぁ?
「そんなこと聞いてないで、とにかく逃げるの!! って、来たぁ!!」
「サンダーブレイク!!」
うわぁ!! 空が晴れてるのに稲妻が………ひょっとしてリスティか!?
ってことはぁ…
「知佳ぼーみっけ!!」
「だから逃げていたのにぃ! もう見つかっちゃったぢゃないの!!」
「知佳ぁ! このあたしから逃げられるとでも思っていたのかぁ!!」
「リスティ!! それに仁村さんも…そんな調子では話がこじれてしまうじゃないですか!!」
真雪さんに薫さん、それに美緒ちゃんも一緒か…
ってうわぁ!? 真雪さんいきなりなにを!?
「うちの知佳に手ぇ出すつもりなら、この程度は避けて貰わないとな…まだまだいくぜ!!」
「仁村さん!!」
「いいぞまゆ〜!! もっといけぇ!!」
うわわわわ。
くっ、とっ、ほっ、ほぇぇぇ。
「くっ、なかなかやるな…」
「お姉ちゃん、もう止めてよ!!」
「おっと、知佳の相手はこのボクだ。」
「…リスティぃぃぃぃぃぃ!!」
「……知佳、本気だね? だったらボクも…」
げっ!! そんなサイキックフォース【注2】のようなことをこの場でされたら…
おわぁぁぁ!! 真雪さん!! こんなコトしてる場合ぢゃ!!
「うるさい!! 大気圏突入も果たした君だ。コノ程度どってことないだろ? それよりも…」
だから木刀振り回すのやめてぇぇぇぇ。

現場リポーター:
…あらあらあら。まぁどうしましょう?
薫? 止めなくていいのですか?
「止められるものなら止めている。それよりうちは十六夜に言いたい事があるとね。」
…薫、怒っているのですか?
「…怒っていると言うより、呆れている。」
まぁ…
「全く、誰の口車に乗ったのか知らんが、なんでこんな事をしてるとね?」
……いくら薫でも、それだけは言えないのです。魂の盟約が…
「たっ、魂の盟約? それは一体…」
ひみつです。
「いっ、十六夜ぃぃ!?」

某所の忍ちゃん's view:
ふふふ。これでよし。
真一郎さん専用トレーサー【注3】なんて、この忍ちゃんにかかればお茶の子さいさいっと…
……なんかつまんない。
こっそり自爆装置でも付けちゃおうかなぁ〜♪

借金が増加している女神様's view:
くしゅん!!
なっ、何か寒気が…
「フィアッセさん風邪?」
いっ、いえ、大丈夫です。
「そーお? でも気を付けてネ(はぁと)」
はい!!

ナレーター:
どこもかしこも大変のようです。
あっ、ノエル。忍が見つかったわ。後で研究室に夕食を運んであげてくれる?
「はい、かしこまりました。」

どっかの誰かさん's view:
とりあえず、図式的には知佳vsリスティ、真一郎vs真雪となっているこの戦闘だが…
まっ、当然の如く、新たな局面に入っていくのであったりする…

リスティ's view:

ドギャッン!!【注4】 

くっ、今日の知佳はまるで別人のようだ…この力はいったい?
「ゴメンね、リスティ。でもあなたが悪いのよ? 私と相川君の邪魔をするから。」
マズイ、このままじゃ殺られる。バリアー展開!
「甘い! バリアブレイク、ア〜ンド捕縛!!」
しまった、でも何故? 知佳の力ならブレイクするので精一杯のはず…
「気付かなかったの? この私の翼に。この翼が黒く染まる時、私は全ての能力を100%使いこなすことができるのよ!!」【注5】
なんだって、それじゃ……
「そう、私の前に立った時からあなたの敗北は決まっていたのよ! トドメ!!」

ドガガガッ!

うわぁ〜(バタッ)
「ふう〜、次はお姉ちゃんね。待っててね、相川君(は〜と)」

しんいちろう's view:
ハァ、ハァ、ハァ
仁村さんから逃げるのに必死で気付かなかったけど、ここは何処だ?
見てはいけないような路地裏【注6】なんだけど…
「あ〜い〜か〜わ〜く〜ん。」
ゲッ、仁村さん。本日はお日柄も良く…
「ああ、とくに血の雨なんか降りそうだね〜。」
ヒィィーーー
「覚悟はいいかい?」
もうダメだ、ななせ〜【注7】

現場レポーター:
あらまあ、どちらも大変な事になってますね。
「なにを呑気な事言ってるね。行くよ、十六夜!」
薫、待って下さい。

第2話の注釈
【注1】さくらに言われたらお終いよ…
【注2】なんで真一郎がそんな事を知っているのやら…
【注3】もちろん女神様ご注文中の品です。
【注4】車田正美風に吹き飛んでると思いねぇ
【注5】完全なる時間?
【注6】某白い吸血鬼とかが出て来そうな…
【注7】届け、真一郎の魂の叫び!!


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