月姫〜GR計画〜第8話『直死の真眼』 (解らない……)

志貴がそう思うのも無理は無い
久しぶりの再会が殺し合いの意味を持つのだから……








月姫GR計画


第8話『直死の真眼』












「それが略奪?」

さつきは秋葉の方を向いてたずねる。

「あなたには関係無いでしょう!」

見たくは無いとばかりに秋葉は顔をそむける。

「そう……だね」

「弓塚?」

さつきの悲しげな表情に誘われるかのように
志貴はさつきに近づく。

「志貴くん?」

その行動に驚いたのはさつき自身。

「ど、どうして……」

「どうしてって何が?」

志貴本人はその意味が解ってない。

「兄さん!
そいつから離れてって言ったでしょう!」

秋葉の叱咤が飛ぶが
志貴は気にした様子も無く……

「だって、今の私は……」

さつきはうろたえる。

「そう言うの気にしないんだよ
志貴は♪」

緊縛した所に現れる白。

「アルクエィド……」

「姫君……」

「おはよう志貴
それに、妹」

あくまで明るく声をかける。

「あなたに妹呼ばわりされる義理はありません!」

「まぁ、それは後で話し合って貰うとして……
どう言う事? 姫君さま」

「志貴は私でも愛してくれたって事♪」

「……兄さん?」

秋葉の侮蔑の目が志貴にむけられる。

「誤解されるような事言うな……
この馬鹿女……」

志貴は頭を抱えるように言う。

「それは姫君さまだからだよ……」

あくまで悲しげにさつきは言う。

「大丈夫だよ、志貴なら殺せるから♪
悔やんでるなら殺してもらおう」

「え……
ねぇ、志貴くん……
私ね。志貴くんの事好きなんだよ……
だから、こんなに成るまで頑張ったんだ……
志貴くんは、こんな私の事好き?」

朝日が差す方へさつきは歩き始める……

「弓塚!」

見るとさつきの体が朝日を浴びると
かさついて……
粉になって大気に舞う……

「志貴くん……
やっぱり、私には出来ないよ……」

それは最後を思わせる言葉……

「さようなら……
志貴くん……」

そう言ってさつきは静かに目を閉じた……

「アルクエィド!」

「なぁに?」

志貴に呼ばれて嬉しそうに志貴に駆け寄る
アルクエィド。

「さっきの口ぶりだと
なんとか出来るんだな?」

「たぶんね。
ようは志貴の目で、吸血鬼の血を全部殺せば良いんだよ」

「迷ってる時間は無いか……」

志貴は……

「兄さん? さつきから何の話です?」

秋葉の言葉も今は要らない……

「志貴なら簡単だよ♪」

その言葉に押されるように……
志貴は……
ナイフを……
さつきに……
落した。






「どう言う事です?」

ここは埋葬期間。

「事ある事にドアを壊すのはやめませんか?
シエル」

ナルバレツクは何時もの笑顔。

「ドアを心配するよりも
心配する事は他にあるでしょう!?」

「と、言うと?」

書類を整理しながら、ナルバレツクの言葉にシエルは詰め寄る。

「いい加減にして下さい!」

シエルはナルバレックに掴みかかる。

「何時も何時もシエルは私を引き寄せますねぇ……
ああ……そう言う事ですか……
それは気が着きませんでした」

何かに納得する用にナルバレックはうなづく。

「違います」

シエルはそれをすぐさま否定する。

「それは残念です……」

「そう思うのなら、少しは気を取るような事をしたらどうです?」

シエルの侮蔑な表情にも

「いえ……シエルですしね」

「どう言う意味ですかぁ!!」

笑顔のナルバレックにシエルは怒声を上げる。

「こほん!
……それよりも弓塚さんです」


シエルは軽いセキ払いでし切り直す。

「素晴らしきがどうかしましたか?」

「何故、素晴らしきを遠野くんにぶつけました?」

「ああ、その事ですか……
大懐球ですよ」

「大懐球……」

「そうです……
七大天王を遠野への囮として使うのは
たしかに問題があったかも知れません」

ナルバレックの言葉にシエルは聞き入る。

「しかし!
大懐球の作戦はこれからの我々の為に絶対を記せねばならないのです!」


続く……




次回予告
ついに始まる大懐球作戦!
動き出す巨体はいったい何を意味するのか!
次回、月姫〜GR計画
第9話
「空の弓」

……ご覧……あれ



後書き 嫌な所で続きだな、おい(笑)