月姫〜GR計画〜第6話『懐刀』 ――空気を割く音があたりに響く。
そう――
琥珀に蹴飛ばされた王冠が落ちて行く……


――そこは――
まだ――
ヨーロッパだった――


月姫GR計画



第6話『懐刀』






「全滅!?」

声を荒げたのは遠野家頭首の遠野秋葉。
そう志貴の妹である。

「それは、本当なの? 瀬尾!」

瀬尾と呼ばれた少女は脅えるように言葉を続ける。

「は、はい。
地中海の当たり1面が焼け野原だそうです……」

答えた瀬尾と言う少女の名は瀬尾晶、遠野秋葉の後輩ってだけで
ここに居る。

「遠野の兄貴がかえって来るんだっけ?
これで本人が帰って来たら、どうなるんだろうねぇ?」

「蒼香!」

「おお、怖い怖い」

秋葉をからかって居るのは月姫蒼香。
ちょっと背が低いが顔立ちの整った凛々しさあふれる少女だ。

「それで〜。
晶ちゃん、原因は解らないの?」

晶に声をかけたのが、三澤羽居。
羽ピンなんて通称まである、おっとりした印象の少女だ。

「それが……」

「「「それが?!」」」

「王冠が落ちて来た。
通信ではそれだけだったそうで……」

「王冠……」

秋葉が何か考えるように腕を組む。

「知ってるのか? 秋葉」

「名前だけは……」

「それじゃ、わからねぇな」

「ええ……」



――同時刻――
――――埋葬機間――――

靴音も正しく
シエルが足早に廊下に身を進める。

「豪腕のお爺さん……」

シエルが声をかけたのは豪腕だった。

「いやいや。
完全に裏をかかれたよ」

と、にこやかな笑顔さえシエルに見せる。

「ご謙遜を……
何か考えが合ったんでは無いのですか?」

「空の弓には隠し事はできんか……
しかし、裏をかかれたのは事実だぞ。
ただの煙幕だと思ったら、致死性の高い毒ガスだった。
おかげで、帰ってくる途中の飛行機は わし の運転になったわい」

「豪腕さんはご無事ですか?」

「わしはなんとも無いよ
シエルには心配かけたな……」

豪腕はシエルの頭をなでる。
それをシエルは嬉しそうに目を細め受けとめる。

「ご無事を確認したので行きます」

「ナルバレックの所か?」

「はい」

「奴には奴の考えがある。
やめておけ」

「王冠はどうでも、良いですが
遠野くんはそうは行きません!
ナルバレックの考えは、このさいはっきりさせます」

「シエル!」

「聞きません!」

二人は声を荒げる。
お互いがお互いを心配して……

「解った……
行ってこい」

「ありがとうございます……お爺さん」

二人は笑い会い解れた。





――ナルバレック部屋――

勢い良くシエルはドアを開ける。

「たまには静かに開ける気はありませんか?」

何時ものにこやかさでナルバレックはシエルに答える。

「アナタが私を怒らせるような事ばかりするからでしょう?」

「おやおや。
美人が何時も通り台無しですよ?」

「その口調をする
王冠に何を言いました?」

「七夜――遠野志貴くんの情報でシエルが喜びますよ。
程度ですかね?」

シエルの眉が釣り上がる。

「話は最後まで聞いて下さいね♪」

「解ってます!」

「これは怖い」

ナルバレックはわざとらしく身をすくめる。

「ナルバレック!」

「はいはい……」

さもめんどくさそうにナルバレックは説明し始めた……




次回予告!
志貴とアルクエィドは遠野の屋敷へ
そこで、志貴は懐かしい顔を見る
次回、月姫〜GR計画〜
第7話
「弓塚さつき」


ご覧……あれ……



後書き またも予告と違う(笑)
      まぁ、微妙にあってるから良いか(笑)