ナルバレックとの会談を得て
シエルは、中国の山奥に入った。

「これが、次の目標ですか……」

と、シエルは【それ】を見上げる。

「いかに君の父親とは言え
彼が陣頭指揮とはいささか変では無いか？
空の弓」

と、現れたのは恰幅の良い初老の男性。

「豪腕のお爺さん……」

シエルはその男性を見て
嬉しそうに駆け寄る。

「ですが？
【これ】の指揮が私の父親と言うのは？」

駆け寄ってすぐに凛とした表情で相手を見る
シエル。

「ナルバレックから聞いて無いのか……
【これ】の指揮はアカシャの蛇……
つまり、ミハエル・ロア・バンダムヨォンなのだよ」

「まさか？！
七大天王が二人も居るのに？！」

「いいや、二人では無いぞ
シエル！」

と、暗闇の向こうからシエルに声がかかる
丁度　シエルが来た方の反対側だ。

「メレム・ソロモン！」

その優男にシエルは明らかに嫌悪をかもし出す。

「王冠……君もか？」

「うむ、豪腕のじっさまに俺にシエル……
そんなに大袈裟な事なのかね？」

「法衣では無く　スーツ姿なあなたは
七大天王ではないのでしょう？」

「ははは！　相変わらずシエルは、
好きな奴をいじめるが好きだなぁ！」

と、メレムと呼ばれた男はシエルの肩に手を置く。

「死にますか？　メレム・ソロモン」

と、シエルはデリンジャーを着ている法衣の袖から出して
メレムにつきつける。

「殺したいほど
俺が好きか？　シエル」

銃声がしてメレムの顔横の空気が割れた。

「それくらいしておれ……」

豪腕が二人を仲裁する。

「はい……」

「まぁ、良いけどよ」

二人は取り合えず大人しくなった。

「お話に混ぜて貰えますか？」

「残月！」

「彼が……」

「らしいな……豪腕のじっ様の知合いかい？」

と、地面から生えるように黒マスクの男
残月が現れる。

「残月さん、お話と言うと？」

「私達もいることかな？」

三人の女性がやって来る。

「ひゅ〜
七大天王が全員か」

「品が無い真似しますね？　メレム」

「あら？そこが良いんじゃない♪」

「あなたと一緒にしないで下さい！」

「そうですね。集まってもらったのはこの大懐球のお披露目なんですから」

『ナルバレック！』

集まった全員が明らかに嫌だと言う顔をした。

月姫〜ＧＲ計画〜

第４話『終結　七大天王！』