月姫〜GR計画〜第15話『発令! 電磁ネットワイヤー作戦!!』 ――大壊球内部――

「私達はついに手に入れる……
そう、美しいよるを!
なんの汚れも無い夜!
なんの恐れも無い夜!
そう、今こそ……我! ミハエル・ロア・バンダムヨォンによって」



月姫――


――GR計画――
第2部――化物
――第2(15話)話『発令! 電磁ネットワイヤー作戦!!』







――遠野家 飛行場――

「それでは、兄さん行って来ます」

秋葉は兄……遠野志貴に言う。

「うん、いってらっしゃい」

志貴は妹……遠野秋葉に言う。

「何も無いとは思いますが一周間ほど留守にします。
琥珀も翡翠も一緒ですけど……本当に大丈夫ですか?」

「心配性だな。秋葉は……」

志貴は優しく秋葉に微笑む。

「ですが……やっぱり何所かホテルにでも……」

「大丈夫だって……」

志貴の手はやさしく秋葉の頭をなでる。

「はい……これを……」

秋葉は財布を志貴に手渡す。

「秋葉……大抵の事はお金があればなんとかなります。
100万ほどしかないのに一周間も暮らせと言うのはなんですが
食費くらいにはなりますから……」

秋葉の金銭感覚に戸惑いながらも志貴は優しく秋葉に微笑む。

「大丈夫だった、ほら琥珀さんが待ってる……」

「はい……」

涙の出そうな秋葉の瞳をそっと志貴はぬぐう。

「行って来ます 兄さん……」

二人はしんみりと別れを愛しむ――
そうして、秋葉は戦場へ向かった。


――昨日――

「黒いメダマは以前 南西に進路を取ってます」

報告が秋葉に来る。

「マヅイわねぇ……久我峰の処理で進発が1日近く遅れたのは」

秋葉は椅子の座り治し毒づく。

「兵は?」

「格家から役500
あわせて7000程度のもよう」

「その程度でいりません。少数精鋭にするように
後は作業員の輸送を優先させなさい」

「はっ」

伝令員はすぐさま遠野グループ各家へ伝達する。

「瀬尾の言ってた通りですね……」

「は、はい。私の未来視は100%です」

秋葉に話しかけられて瀬尾 晶は興奮と緊張を隠せない。

「あれから、何か見ますか?」

「黒いシスターが空を飛んでます」

「空?」

「はい。何か剣のような物を持って飛んでくるようです」

「解りました。気に留めておきましょう……
琥珀!」

「はい、なんでしょう?」

秋葉の声にすぐに琥珀は寄ってくる。

「準備は?」

「終りました」

「では、出立します!
皆、各自の役目を果たすように!」

『はい!』

こうして、遠野家が異端人の運命を決める。




――同時刻――インド――埋葬機間支部

「お久しぶりです。アルカノイド神父」

シエルはそこに居た。

「おやおや、今はあなたの方が立場は上なのですよ? シエル様」

「しかし、師匠」

「シエル様――お役目を」

アルカノイドはシエルはじっと見る。

「神父アルカノイド!
大壊球の本格動作の為 護衛を命じる!
私と【これ】を無事に大壊球に送り届けよ!」

シエルは凛とした瞳でアルカノイドに言う。

「はい……シエル様」

「それともう一つ」

その言葉は予想外だったのか、アルカノイドの瞳が見開く。

「私を昔のように扱いなさい……」

シエルは上目使いでアルカノイドを見る。
それは、子供がいたずらした時に親を見る、それだった……

「はははっ! そうかそうかシエル!
久しいな」

「はい、師匠♪」

シエルは晶かに嬉しそうにアルカノイドに抱きついた。

「お前も早、七大天王か……」

「師匠の教育のたまものです」

「カレーか?」

にやりとアルカノイドは笑う。

「ええ、カレーです」

同じようににたりと笑う。

「良し、待ってろ!
赤レンジャーとも言われたアルカノイドのキムチ入りカレーを食わしてやる!」

「いや、師匠そろそろ出発しないと……」

「むっ! 残念だな……」

「本当……」


未練たらたらのまま二人は走り出す。
向かうは上海――大壊球。

「飛行機くらい無いのか? シエル」

「この方が早いだろ? ってナルバレックが……」

「あの性悪 まだトップに居やがるのか!」

「そうなんですよぉ」

シエルは涙する。

「そうか……7大天王だとほぼ毎日顔合わせか……オレなら切れてるな」

「うぐうぐ……」

音速近い速度で走りながらシエルの涙は何時までも流れて居るのであった……






――そして1時間ほど

「間もなく上海上空です」

翡翠は操縦桿を握りながらそう言った時だった。
黒鍵がヘリに突き刺さる!

「師匠やりましたー♪」

「ああ……」

シエルとアルカノイドは空に飛びヘリに貼りつく。

「始めまして遠野さん♪」

「ええ、始めまして……琥珀!」

秋葉がシエルに挨拶を返すど同時に琥珀に激が飛ぶ!

「あはは〜撃っちゃ居ますよ〜♪」

デザートイーグルが何時ものように琥珀の袖から飛びだし火を吹く。

「ふん!」

飛んだ弾を速射で打ち落とす……
打ち落としたのはアルカノイドのテザートイーグル。

「あら? オリジナルですねぇ……
と、言う事は……あなたがアルカノイドさん?」

琥珀は飛びついてきている男に言う。

「ああ、オレがアルカノイドだ!」




次回予告。
凶悪なまでに力を見せつけるアルカノイドとシエル。
対する琥珀・翡翠に秘策あり!
秋葉は大壊球を見る時、全ては素晴らしき夜に触れる……
次回、月姫〜GR計画
第16話
『全ての子カレーパ○マンの好きな物』





後書き、オリキャラ増えますごめんなさい(TдT)