月姫〜GR計画〜第14話『遠野と久我峰』
月姫〜GR計画〜
――第2部――
化物――第1話(14話)遠野と久我峰
――遠野家――秋葉帰宅
「どうでした?」
秋葉の帰宅と共に琥珀はそうたずねた。
「すぐに打って出ます!
かねてからの撃ち合わせ通り! 作戦名電磁ネットワイヤー」
かぶりを振って秋葉の怒り声が響く。
「はい♪ 秋葉さま」
そう琥珀が嬉しそうにうなづいたその時。
「姉さん!」
翡翠がドアを勢いよく開けて入ってきた。
「どうしたのです? 翡翠」
それに位置は厄反応したのは秋葉。
「これは秋葉さま……お帰りなさいませ
門前に多数の軍隊を思わせる方が……」
秋葉に丁寧にお辞儀をしながら翡翠は言う。
「なんですって?!」
「あらあら、なんのごようでしょうねぇ?
ちょっと聞いてきますね」
琥珀はそういって門前に出て行く。
「ええ……頼みましたよ琥珀」
――遠野家正面――
「あの〜何かごようでしょうか?」
「これはこれは、割烹着の悪魔殿
お初にお目にかかる。私は……」
相手の男が名乗ろうとしたその時……
「いえいえ……どうせここで死ぬ方の名など聞きませんよ〜♪」
琥珀は、そう言うと同時に袖に手をしまう
そこから取り出すのは大きめの鉄砲が2丁。
「あはは〜♪」
さも嬉しそうに遠野家の門前に集まっている兵隊達を撃ちぬく。
「良い銃だと思いませんかぁ?
かの有名なアルカノイド神父も使ってるデザートイーグルですよ〜
なんと12mmもの鉄鋼弾を8罰も争点出切る……って聞いてます?」
琥珀は無茶な事を聞く。
あたり一面には
死体
死体、死体
死体、死体、死体
死体、死体、死体、死体
死体、死体、死体、死体、死体。
「おや? もう終わりですかぁ?
やわですねぇ……」
「そんな事はないよ……お嬢ちゃん」
そう言って現れる一人の長身。
「あらあら なかなかの美形さんですねぇ♪」
琥珀は素直に対峙する相手を誉める。
「これは光栄です。あなたのような美人に褒められるとは……」
手を腹のあたりに水平にし、紳士的にお辞儀をする。
「ですが……」「でも……」
二人の声は同時に発せられる。
「「アナタはここで死ぬんです(よ〜♪)けどね」」
その言葉が合図だった。
互いに横っ飛びに銃を乱射する。
そのままゴロゴロと転がると
琥珀の前に長身は居なかった……
「我が使命は遠野家当主なのですよ。
ですからデートはまた帰り道にしましょう……お美しいお嬢さん」
「あはは〜
美味しい所は翡翠ちゃんですね♪
あぁ〜なんて優しい姉なんでしょう……」
くねくねと身をよじりながら琥珀は悦に浸る。
「こんのぉ! 化物ぉ!」
トラックが走りより大量に人が増える。
「私の仕事を知ってますか?」
琥珀はふたたび対峙する兵の群に問い掛ける……
「お庭のお掃除なんですよ〜♪」
そうして、またもや琥珀の銃が唸りを上げる。
ゆっくりとした足取りを取りながら兵の群の中へ中へ……と。
時折、琥珀は銃の弾をこめる為立ち止まる
そこに狙いをつけ銃を乱射する兵達。
しかし、当たらない
ゆっくりとした足取りの琥珀に一発の弾丸も命中する事は無かった……
――遠野家 大広間――
「秋葉さま、紅茶をお持ちしました」
翡翠は何時ものように秋葉に紅茶を出す。
今はお茶の時間……
「こんにちは、レディ……」
「ごきげんよう……」
秋葉が挨拶に答えた瞬間に翡翠の蹴りが宙を舞う。
「おっとっと……いきなりですな」
「無断で入る相手にはちょうど良いでしょう?」
秋葉は紅茶を飲みながらそちらを向こうともしない。
「まぁまぁ、ここは私の顔を立ててもらえませんか?」
長身の懐に入っていたかのように顔を出すのは……
「久我峰さま……」
「はい」
にたり、と久我峰は笑う。
「ですが、翡翠ちゃん。私が来たのは秋葉に遠野を隠居して欲しいからなんですよ」
「ふぅん……」
等の秋葉は関心もないように相槌だけを打つ。
「聞きやがれ! 子娘ぇ!
あの黒いメダマには手を出させん!」
「それで?」
「貴様ぁ! おい、時桐! 殺れ!」
「はっ」
短く長身が答えた。
秋葉に向かって一直線にかけよる……むろん久我峰は懐に入ったまま。
それに翡翠が割って入る。
「ふーふっ!」
翡翠の蹴り技が相手を捕らえる。
しかし、長身は意にも帰さずに蹴りを弾き飛ばす。
「くっ……」
翡翠は足に鈍い痛みを感じ一瞬止まる。
それで済んだと思ったのか長身はふたたび秋葉に向かう。
その隙に翡翠が足を払う。
体勢を崩し前のめりになる長身。
転がり落ちる久我峰。
長身は翡翠に向き直る。
「ふむ……」
アゴ髭をなでながら長身は考える。
「貴方も死にますか……」
ドン!
銃声が響く。
久我峰が秋葉に向かって発砲した音だった……
が!
秋葉が久我峰をちらりと見る。
それだけで弾丸は途中で落ちる。
「秋葉さま……」
翡翠が声をかける。
「良いのです。翡翠……
久我峰の当主が来ているのです……手くらいは振るべきでしょう?」
「解りました」
翡翠はふかぶかとお辞儀をすると長身に向き直る。
「終ったかね?」
「はい……少なくとも久我峰は」
「なんだと?!」
見ると久我峰は冷たくなって倒れて居る……
「な!」
「いかがいたしましょうか?」
「命令を違える事を私言ったかしら?」
「いいえ……」
「ならば、その通りにしなさい。一度言えば充分でしょう?」
秋葉はふたたび紅茶に目をやる。
クッキーをお茶受けにティータイムは再かいされた。
「では……まいります」
翡翠は駆け出す。
長身も駆け出す。
二人の蹴りは漆喰しあい、両者は弾き飛ばされる。
疎水は壁を蹴り長身の背後に回る。
そうして長身の首を蹴り飛ばす……
それが致命傷のはずだったが……
むくりと長身はすぐに置きあがる。
「化物ですか……」
「そう……君程度の打撃では倒せんよ」
長身がそう言った時。
「あらあら、翡翠ちゃんじゃ食べ切れなかったようですねぇ♪」
琥珀が戻ってきた。
「すみません、姉さん……」
「いえいえ。翡翠ちゃんは小食でしたものね」
「遅いわよ琥珀……翡翠だけだったから久我峰に手を降ってしまったわ」
「あれ〜? 秋葉さま? 手まで振ったんですか?」
琥珀の言葉に秋葉は考える。
「そうね……まだだったわ」
そう言うと久我峰だったものに手だけ振りだした……子供がバイバイとするように……
そうして久我峰だったものは消えた……
「はぁはぁはぁっ……」
長身は息を荒げる。
「そろそろ夕食のしたくをしたいので……お帰りください♪」
琥珀は手を握る。
指の隙間に一本ずつ注射機が出る。
「その程度で我は死なん」
「はいはいっと♪」
めんどくさそうに琥珀は注射器を投げる。
左右3どずつ長身を腕を振り、注射器を叩き落す。
「あれ〜 私は8本なげたんですよ?
6会で全部叩き落せる物なんですか?」
「何!」
長身の両肩に注射器が一本ずつ刺さる。
「一本影になってたんですねぇ♪
これは失礼しました」
と、琥珀は長身に近寄り注射器の液体を注射する。
「念には念です♪」
「ごふっ……」
長身は血を吐く。
「何故だ……」
「いくら再生が早くてもそれ以上に増える病原体ではどうでしょう?
そう思っただけですよ♪」
そうして、長身は遠野家の地下で何時までも何時までも苦痛に苦しむ事になる……
――翌日――
「琥珀! 翡翠!」
秋葉の声が二人を呼ぶ。
「なんでしょうか? 秋葉さま」
先に来たのは翡翠。
遅れてすぐに琥珀。
「久我峰の当主が【行方不明】だそうです
ですので、これまでの功績を考え
琥珀と翡翠に久我峰家を差し上げます」
「秋葉さま?」
翡翠が顔をしかめる。
「あはは〜よっかったですねぇ♪
私たちにも氏が出来ましたよ〜」
「ですが、姉さん……」
「もちろん、差し上げるだけです。
今までの仕事も今まで通りにやって貰らいますからね」
「……はい」
翡翠は嬉しそうに笑った……
「そんなに志貴さまのお側が良いんですか?」
「姉さん!」
「あはは〜別に他意はありませんよ〜」
そうして作戦開始の朝はせまる!
次回、月姫〜GR計画〜
第15話
『発令! 電磁ネットワイヤー作戦!!』
後書き 前回予告は今回のと言う事で(笑)