月姫〜GR計画〜外伝(19話)『魔術師達の宴』


一人の女性が青崎事務所の前に立つ。

「ここね」



月姫――



――GR計画――

――外伝の2(19話)話『魔術師達の宴』――






「ここね」

そう頷いた長髪の女性はスーツケースから銃を取り出す。

「これこれっと♪」

女性は楽しそうに【M79グレネードランチャー】と分類される銃を取り出す。

「ふふ……」

それは嬉しそうに……
アモ(弾)をマガジン(弾装)に入れセーフティー(安全装置)を外す……

「殺すのは私の殺意……
うぉらぁぁぁ!
死ね 姉ぇぇぇ!!」

――事務所内――

ドガ!
断続的に衝撃が走る。

「な?!
何が起こったぁ!」

事務所に居た橙子は外を見る。

「な!
青子……」

ギリギリと葉を強く噛みながら
橙子は悔しさをあらわす。

「な、七夜ですか?」

「違う!
私のおお馬鹿な妹だ!」

黒桐の問いに橙子は答えながら部屋を飛び出す。

その間も事務所全体に衝撃が走りつづける。


――外――

「固い結界……
そんなんだから、今だに処女なのよ……」

女性……青子はにやにやとそう言う。

「それはお前もだろ?
青子」

「来たね……姉」

二人の青崎が出会った……

先に動いたのは青子。
持っていた銃を捨て
懐から銃(オートマグ)を取り出す。

「はん!
ミス・ガンナーの名前通り
面白く無い女だね。
そんなんだから、今だに処女なんだよ!」

橙子はさっきのお返しとばかりに悪態をつく。
そのすきに青子が発砲する。

「じゃかましぃ!」

青子の発砲より早く橙子のトランクが開く
中に入っていたのは無数の腕。
その腕が銃弾を確実に受けとめる。

「気持ち悪いよりましだろぅ……!」

青子は気合とともに手榴弾を投げこむ
橙子のトランクの腕がそれを受け取りトランク内に押しこむ
ボン
と、軽い音がして それ は、終いだった……

「誰が気持ち悪い!」

「お前だ! お前!
自覚すらないのか?」

「このぉ性悪女ー!」

「誰が性悪だ! 誰が
お前こそネクラの癖に!」

「ち、違う!
別にネクラじゃ無い
探求者と言え」

「ほう……ならば何故うろたえる?
このオタク!」

「ガンオタクが何を言うか!」

「ふん、私のは趣味では無く
仕事だ
全然違うぞ」

いい訳を……

「ふ、不毛……」
窓から見てた黒桐と式はそう思わずには居られなかった……
それが聞こえてか……

「そうだ。こんな当たり前の事を言ってても仕方ない」

「そうだな。当たり前の事を言ってても駄目だな」

「ふふ……」
「はは……」

二人は睨むように笑いあう。

「メダマだな?」

「そうだ」

橙子の質問に青子が答える……

「まづは見てみないとな……」

橙子は箒(ほうき)を出すとそれにまたがる。
首を動かし青子に乗れと促(うなが)す。
そのまま二人は西に向かって飛んでいった……

それから数時間……
二人は大壊球と出合う……

「上空に人が居ます」

「ふむ……この距離に人とはな……
よし、わしが行こう」

豪腕と呼ばれたものが
大壊球の下……大聖堂から出てくるのだった。


………………
…………
……

「はい、あ〜ん」

「……あ……ん」

そのころの事務所では、黒桐が式にご飯を上げていた(笑)




次回予告
これが人の強さなのか……
立ち塞がるのは何ものか
二人の魔術師は……
一人の魔術師は……
強き者を知る……
次回、月姫〜GR計画
外伝の3
『豪腕』




後書き 二回に分けたのはなんとなくカッコイイと思ったからです(笑)