| A | KA | SA | TA | NA | HA | MA | YA | RA | WA |


  Tails Tale     (偃月さんのレビュー)     評価: 3 
▼ タイトル Tails Tale
▼ ブランド GearProducts
▼ ジャンル オムニバスマルチシナリオアドベンチャー
▼ 対応OS Win98/Me/2000
▼ メディア CD-ROM
▼ 定価 \8,800
▼ 発売日 2001/09/21
▼ 必須CPU / 推奨 Pentium 166 MHz / Pentium 200 MHz
▼ 必要メモリ容量 / 推奨 64 MB / 96 MB
▼ 解像度 / 色数 640*480



Soft Information - ソフト情報 -

OP曲
:
(不明)
     
ED曲
:
(不明)
     
総プレイ時間
:
2.5時間
  
CG観賞 :
  
シーン観賞 : ×
  
音楽鑑賞 : ×
 
原画
:
隅田 かずあさ [ Site ]
 
:
あまあま
 
:
池上 竜矢 [ Site ]
     
シナリオ
:
(不明)
     
音楽
:
(不明)



Outline - あらすじ -

大学で学業に打ち込む事に対して、特に目的を持っていない大学生の主人公が、
とある一軒の古本屋に立ち寄り、そこで店主の老人から、読書でもして気分転換をしろと本を薦められる。

薦められた本は「Under Princess」「ヨルノトバリ」「星霊祭」の3冊。
とりあえず、主人公は「Under Princess」という本を読み始めるのだった。



Scenario - シナリオ -

3つのシナリオからなるオムニバスマルチシナリオ。

とある古本屋をメインの舞台とし、そこで3つ本と出会うという形で進んでいきます。
ある一人の青年が「Under Princess」「ヨルノトバリ」「星霊祭」の3冊を、本屋から借りて読んでいくという風になります。

Under Princess
建築関係の勉強をしている主人公が、レポートの為にロンドンの地下水道を探検していて、突然の濁流に押し流され、
男たちに陵辱をされ続けている、ある一人の少女に助けられるという話。

まず最初に感じる事は、話が短すぎて、物語に引き込まれる前にあっという間に終わってしまう事です。
導入部分があっさりしたしすぎた感じもしますし、展開が急すぎるのは痛い所。

20分から30分もあれば読み終えてしまうだけのボリュームの不足感。
とにかく、物語の色々な部分に疑問を持っても、それを説明しているだけの文章の量は無いように感じます。

残念な事に、物語の最初から最後までの作りがとてもあっさりし過ぎているように感じますし、
それがエンディングでの物語の結び方まで、終始一貫しています。

何も知らずに地下に閉じ込められ、男たちに陵辱され続ける、ぬいぐるみを抱いた女の子。
そういう設定はこの作品の面白そうに感じる部分でしたが、全体的なボリュームの少なさが目立つ点。

結局、3つのストーリーの中でも最も魅力的に感じる物語でしたので、勿体無い感じが残りました。

Hシーンについては陵辱と純愛があります。
陵辱、純愛に関係なく、テキストの描写はかなり淡白な感じが。

CGは一つのイベントにつき3〜4枚程度。
汁描写がほんの僅かながら濃いめです。

ヨルノトバリ
オカルト誌の土着信仰の神々を取材するため、猿沢村にある九重神社を訪れる主人公と義理の姉が、
猿沢村や九重神社に秘められた謎を追い求めていく話で、ジャンルは伝奇物。

伝奇物の割には物語のボリュームが少なく、物語の謎について興味を惹きつけるまでの展開が短すぎます。
そういう事もあって、純粋に伝奇物として期待して読んでしまうと、かなり期待はずれな部分があります。

あまりにも坦々と物事が解決されていきますし、物語に起伏の無い平坦な展開。
物語の中盤の盛り上げる部分だけをカットしたような印象を受けますね。

序盤の導入部分も結構あっさりした感じなのですが、それは良いとして、
いきなり物語の核心に触れているように感じさせる展開は、伝奇物としては駄目な部分ではないでしょうか。

全てはボリュームが少ないという事からも想像できる部分ではありますけど、
伝奇物として書かれているなら、もっと謎に惹きつける部分がないと面白みがありません。

謎を謎に感じられない点からも、まだまだ物語に引き込まれていないと感じた点でもありました。

Hシーンについては陵辱っぽいのはありますが、純愛のみです。
物語全体の部分と同じように、Hシーンも坦々として進んでいきます。

CGは一つのイベントにつき3〜4枚程度ですが、Hシーン全体のテキストが少ないので、
どんどん次へ次へと追いやられているような感じがします。

星霊祭
「星霊祭」と呼ばれるイベントを見るために突然現れた魔女。
その魔女との生活、星霊祭までの一週間を描いた物語で、ジャンルは純愛物。

普通の純愛物と比較してしまうと、極端に展開が坦々としている部分が挙げられます。
日常の一日一日が非常に短いですし、どうしても女の子との関係が希薄に見えます。

それと、キャラの個性があまり無いというのが追い討ちを懸けて、物語を面白くなくしています。
登場キャラも少ないですし、物語の展開も物凄く急なので、それぐらいは必要だったのではないでしょうか。

この物語も上記の二作と同じで坦々と進んでしまうので、殆どエンディングを見ても感慨が湧かないという事もあります。
エンディングの意外性の無さや、描写の美しさもあまり感じなかったというのも原因ではあるのでしょうけど。

物語に突っ走られて、プレイする側が追いつけない感じがします。
全てはボリュームがないというのが根本的な問題なのでしょう。

Hシーンについては純愛のみ。
これは非常に淡白で、さっさと終わってしまいます。

CGは一つのイベントにつき2〜3枚程度。
といっても、キャラにつき一回しかありません。

全体
簡単に一つ一つの物語について触れてみました。

全ての物語に言える事は一つ。
それは、圧倒的にボリュームが足りない所。

「3つのストーリーからなるオムニバス」の前に「標準的なソフトのワンプレイのボリューム」をこなして欲しいですね。
全体的にボリュームの少ないものを3つにした所で、話が殆ど見えてこないで終わってしまうのは目に見えてる感じがします。

膨らませようと思えば膨らむ設定があっただけに、その点では損をしているように感じます。

結局の所、あまり物語り全体としては楽しめた作品とはいい難いですね。
人を選ぶとかそういう問題ではなく、大概の人は楽しめず不満の残る作品ではないでしょうか。



Sound - 音楽・効果音・音声 -

BGMはPCM。
曲数は約30曲あるようですが、印象としてそんなに多くは感じませんでした。

PickUp
(特になし)

全体的に曲の多さの割には印象的な曲がありませんでした。
といっても、物語の展開の早さに、音楽の印象も皆無に近い状態になってしまいました。

効果音は、なかなか多めだと思います。
所々に、色々な音が入っていて良かったですね。

音声は入っていません。



Character - キャラクター -

原画は隅田かずあささん、あまあまさん、池上竜矢さん。

アンリエッタ - Under Princess
地下水道で主人公を助けてあげた女の子。
一般教育も受けていない彼女は、地下に閉じ込められ男たちに陵辱されながら生活をしている。
いつも友達のくまのぬいぐるみを抱いている幼さが残る彼女。
主人公はそんな閉鎖的な空間に閉じ込められている彼女を救う事が出来るのだろうか。
一番好きなキャラクター。

新城 花乃 - ヨルノトバリ
主人公の義理の姉で、フリーのルポライターをしている。
性格はいつも強気な感じで、いつも主人公を引っ張っていく感じ。
村に隠された秘密を隠そうとする村長に対し、彼女はライターとして秘密を探ろうとする。
やがて、主人公の協力もあり、村の秘密の核心に迫るのだが・・・

九重 珠恵 - ヨルノトバリ
九重神社の所有者の孫娘で巫女をしている。
性格は穏やかで優しい性格だが、世間一般的な常識には疎い様子。
村に訪れるある行事を直前に控え、彼女は主人公に対して「女にしてください」と頼む。
やがて、ある儀式が始まろうとしていた・・・

エコー - 星霊祭
星霊祭というイベントを見るために、主人公の家の突然現れた魔女。
図々しかったりする事もあるが、主人公には良くしてくれる女の子。
星霊祭を目前に、楽しく一緒の生活をしていた彼女と主人公。
やがて星霊祭が始まった・・・

木内 奈美 - 星霊祭
主人公の会社の先輩でエリート大学出身の女性。
エリートと言うこともあり、普段は近寄りがたい存在だったが、実はとても優しい人。
ちょっとした仕事上の事から、二人の距離は徐々に近付きつつあった。
やがて星霊祭の時が近付いてくるのだが・・・

という事で、一つ一つに登場するキャラクターはとても少ないです。
それと、物語の短さも手伝って、キャラクターの魅力を引出しきれていないような感じが残ります。



Graphics - グラフィック -

立ち絵はジャギーが残っている感じが強くするので、あまり線は綺麗な感じがしませんでした。
塗りは物語毎に違うのですが、水彩のような感じで、少し雑な感じに見えます。

イベントCGの枚数は各物語毎に10〜15枚ぐらい。
シナリオも短いのでどうかと思いますが、この長さならしょうがないかなと感じてしまいます。

塗りに関してはあまり綺麗な感じがしませんでした。
水彩を基調とした物が多く、好き嫌いに分かれる部分ではないでしょうか。

背景は普通に描かれた背景と、写真を加工したような背景の2タイプに別けられます。

前者の描かれた方の背景は、あまり精細さも感じられませんし、上手いとは言えません。
後者の写真を加工した方は、水彩調の立ち絵とのイメージの違いから、ちょっと受け入れ難い部分がありました。

全体的にはあまり綺麗な感じはしませんでした。
やはり雑に感じる部分が多いですし、ジャギーの処理がされていないなど、気になる点も多々あります。



System - システム -

ゲームシステムには特に不具合はなし。
全体的な動作はあまり軽く感じませんでしたが、プレイしていて問題があるようには感じませんでした。

ゲームは選択肢型のADVで、難易度はあまり高くはありません。

セーブ可能数は10箇所。
分岐点はあまり多くないので、それ程必要に感じる所もないと思いますので、この数で十分だと思います。

スキップは強制スキップのみ。
スキップの速度はかなり遅く、立ち絵の描画の度に若干の時間が掛かります。

画面モードはフルスクリーンとウィンドウモードの両方に対応。
音楽関係の機能は、BGMの切り替えが可能。

メッセージ関係の機能はウェイトの変更が可能。
おまけ機能は、CG回想がついています。

全体的には、機能がかなり限定されているように思います。
安定性は高そうなのですが、使い勝手が悪い部分は残念な所。



Total - 総評 -

全体的にボリュームの少なさに唖然。
オムニバスにあまり良い印象はありませんでしたが、これは予想以上でした。

何しろプレイ開始して20分ぐらいで一つの物語が終わったときには、本当に驚きました。

もっと膨らむ話だと思うのに、どうしてこんなにあっさりまとめられてるの?
そう疑問に思ってしまうことが何度も。

とにかく、このソフトは他の人には薦められませんね。
いや、挑戦してみたい人には止めはしませんが。




    0    20     40     60     80    100  
Scenario
:
■■■
15
Sound
:
■■■■■■
30
Character
:
■■■■
20
Grapchics
:
■■■■■■■■
45
System
:
■■■■■■■
35
H
:
■■■■■■■■
40
Main3
:
■■■■
20
Total
:
■■■■■■
30