彼女の願うこと。ぼくの思うこと。 (偃月さんのレビュー) | 評価: 7.5 |
▼ タイトル | 彼女の願うこと。ぼくの思うこと。 |
---|---|
▼ ブランド | Project-?(ミュー) |
▼ ジャンル | ノヴェルシアターPLUS |
▼ 対応OS | Win95/98/2000/Me |
▼ 定価 | \8,800 |
▼ 発売日 | 2001/09/28 |
▼ 必須CPU / 推奨 | Pentium 166 MHz / MMX Pentium233 MHz |
▼ 必要メモリ容量 / 推奨 | 32 MB / 64 MB |
▼ HDD必須容量 / 推奨容量 | 20 MB以上 / 340 MB以上 |
▼ 解像度 / 色数 | 640*480・High color |
▼ 音源 | CD-DA |
▼ DirectX | 7以上 |
Soft Information - ソフト情報 - | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
Outline - あらすじ - |
|
互いに違う世界を捉える二つの目を持った少年、流渦。 彼の捉えている虚ろな世界の中で、一人の少女が声をかける。 「あなたは・・・誰?」 掃き溜めの街で、目的もなく、ただ無気力に生きているルカ。 彼はその声を聞き、無性に興味を惹かれる。 「自分」を忘れ、何事にも無気力だった彼が、その声を聞いた時から次第に変化を始めようとしていた。 そう、本当の自分を見つけるために・・・ |
Scenario - シナリオ - |
|
右の目と左の目の捉える世界が違う「流渦」という少年。 |
Sound - 音楽・効果音・音声 - |
|
BGMはPCMとCD-DA。 CD-DAで再生される曲数は15曲で、他にPCMの曲も結構な数用意されています。 PCMで再生される曲の方は、BGMというより効果音に近い演出効果という方がいいのかもしれません。 WAVの中にハッキリと「効果音」と呼べるものもあれば、完全に曲になっているというのもあるという事です。 曲調は暗いものもあれば明るいものもあり、シリアスな場面ではシッカリと決めてくれます。 全体的に作品の雰囲気に一致していますし、自然に馴染める曲が多かったです。 ● PickUp [ Falling Fruits - 楽園 - ] [ 月の影 ] [ 砂の天使 ] [ 御使いは来たりて・・・ ] 全体的な曲のレベルはやや高めではないでしょうか。 残念な事に、一曲毎の長さが短いというのが気になります。 主題歌のFalling Fruitsですが、多少歌が聞きづらいというのがありますが、歌詞も魅力的な感じがしますし、 曲の雰囲気も、これから始まる物語を楽しみにさせてくれる曲でした。 それと注目すべき点が効果音の多さ。 実際にプレイしてみると分るのですが、かなり多くの効果音が使用されています。 また、BGMは流さずに効果音のみを使用した演出されているのは巧いところ。 自然の音から打撃系の音等、実に様々な種類の効果音が用意されています。 音声は入っていません。 音楽関係の演出面については、実に巧いと言えると思います。 |
Character - キャラクター - |
|
原画はひねもすのたりさん。 ● セリ 浮浪児のような格好をしている女の子で、いつもお宝を集めることに忙しい。 そのためか、お宝に関しては非常に貪欲で、他人に対してもがさつな面が多い。 主人公に対して、いつも態度ががさつで、酷く乱暴な扱いをする。 旅の日々を共に過ごす中で、次第にある感情が芽生えてくるのだが・・・ ● トルイエ 特殊な超能力に似た能力を持っている女性で、いつもマドカを従えている。 いつも穏やかで、他人に対しても優しい性格をしている。 特殊な能力を持っている彼女は、その能力を有効的に使うために人助けの旅の途中。 普段は周囲に穏やかな眼差しを向け、優しい笑顔をしている彼女だが、時折無機質な表情をする事が・・・ ● マドカ トルイエにいつもついて歩いている人物。 いつも慌てていたり、怯えていたり、おどおどしていたり、性格があまり安定していない。 人助けの旅をしているトルイエと一緒に行動しているが、その性格上、他人に不安を抱かせる事も。 そんな頼りない雰囲気を漂わせているが、ある時、突然それが一変することに・・・ ● ミカゲ 全身に黒衣をまとっている女の子で、いつも黒い猫を抱いている。 顔がセリととてもよく似ているが、性格は全く異なり、内に秘めた恐怖に似たような雰囲気を感じさせる。 ルカの前に度々現れては、その度に何か予言めいた事をさり気なく伝える。 セリとミカゲ、全く対称的なイメージを感じさせる二人だが、一体二人は・・・・・・ ● 流渦 本編の主人公で、左右の目が捉える世界が異なるという特異な人物。 あまり他人と会話する人間ではないようだが、時折一人で言葉をつぶやいたりする事がある。 ● 美月 本編のヒロインで、全身を包帯で巻かれ、長い間眠りつづけている。 眠りつづける彼女の夢、思考、それが流渦の失われた左目を通して伝えられていく。 ● ルカ もう一人の主人公。 あまり他人を疑うようなこともなく、純粋無垢な性格をしている。 掃き溜めの街で時を過ごしていた彼は、世界に対して、自分に対しての興味や疑問などはあまり抱かなかった。 そして、次第に人々との出会いの中で、忘れかけていた自分自身について何かに気付いていく・・・ 原画についてですが、あまり万人受けする原画だとは思えません。 もちろん自分は好みなのですが。 どのキャラクターについて見てもインパクトが強めですね。 全員が笑わせてくれますし、サブキャラの存在感も強いのは良い点。 |
Graphics - グラフィック - |
|
立ち絵はジャギーの処理もされていて、線はとても綺麗です。 |
System - システム - |
|
ゲームシステムには特に不具合はなし。 全体的な動作は軽快な感じで、プレイしていて動作に問題があるようには感じませんでした。 ゲームは選択肢型のADVで、難易度はやや高めでしょうか。 Trueエンドを見るのが少し大変なところがあります。 セーブ可能数は8箇所。 難易度がやや高めという事と、選択肢の数も多めなので、多少心細い部分があります。 スキップは強制スキップと未読スキップ。 未読スキップは未読部分、選択肢の所まで、テキストや画像は表示されずに一気に跳ばしていきます。 強制スキップの方は、テキストと画像を表示しながら跳ばします。 スキップの速度はあまり速めではありませんが、丁度読めないくらいなのでOK。 画面モードはフルスクリーンとウィンドウモードの両方に対応で、ハイカラーモードのみでの動作になっています。 音楽関係の機能は、BGM、効果音の切り替えが可能。 メッセージ関係の機能はアンチエイリアスの切り替え、文章表示方法の一括、もしくは一行ずつへの切り替えが可能。 おまけ機能は、イベントCG回想、コマCG回想、音楽回想、心理学講座がついています。 おまけ機能に関しては、他社のソフトでは見かけない面白いものがついていますね。 それはコマCG回想と心理学講座の二つ。 コマCG回想とは、ゲーム内で使用されている、いわゆる「動くCG」を見る事が出来ます。 このソフトの特徴的な構成要素の一つですので、見るだけの価値は十分。 そして、回想モードとしてもう一度見られるというのは嬉しい点ですね。 もうひとつ、面白いおまけ機能は心理学講座。 ゲーム中に登場するキャラが、コミカルに心理学を教えてくれます。 その他の機能はウィンドウスキンの変更、それと拡張機能のメール受信機能がついています。 過去にでた数々のソフトの中で、全く例を見ない機能であるメール受信機能。 メーカーでダウンロードできるプログラムから、ゲームの機能を拡張できるわけです。 これは、ゲーム内で選んだ選択肢によって、自動的にメールが送られてくるという機能です。 送られてくるメールの内容ですが、選んだ選択肢に対して、突っ込み、謎の人物のコメントを入れてくれるという物。 一体、誰の視点から見た突っ込みなのかはハッキリしませんが、個人的に内容については面白いとは思いませんでした。 ただ、特殊な機能としてはとてもユニークな発想だと思いますし、こういうのも面白みが膨らんで良いなって思います。 今回導入された物については、一応試験的なもののようです。 開発途中ながら斬新な機能を示してくれた事に、次回作へ期待を持つ事が出来るだけの理由にもなります。 全体的に機能的には殆ど不満はありませんでした。 欲を言ってしまえば、回想モードは欲しいなと思いますが。 それと、マウス主体のプレイスタイルではなくて、キーボードにも機能が割り当てられているのも良い点。 スキップ機能がキーボードに独立しているのは、とても使いやすいですね。 |
Total - 総評 - |
|
Project-Μさんの第三作目。 彼願ですが、実際にプレイしてみた最初の感想は、「世界観が分からん」という感じでした。 えーっと・・・そこには殆ど話について行けてない自分が・・・ 二つの目が違う物を見ているっていうのもそうですが、リアルな世界での収容所のような建物。 何であそこに閉じ込められているんだろうかとか、理解に苦しむ場面も・・・ でも最後のエンディングの頃にはちゃんと理解できるようになってましたけどね。 本当はコミカルでギャグばかりな話だと思ってました。 けど、実際にはシリアスな感じが凄く良かったです。 それと、今回凄いと思ったのはS-Cubeシステム。 コマCGが動く奴です。 本当にこれはプレイした人間にしかわからないんですが、実に面白いです。 まさに動的な感じがして、動く漫画を見ているような感じ。 それと、もうひとつ気になるのが携帯にメッセージが送られてくる所。 機能的には実に面白いと思います。 でも内容が・・・・・・・・・次作に期待です。 それと送られてくる数が・・・・・・・・・これも次作での改善を期待して。 実際の所、自分はプレイする時に携帯に送信するように設定してみました。 でもまぁそこからが凄いの何の。 選択肢を一つ選ぶたびに、一つメールが送られてくるんです。 例を挙げると・・・・・・ 「ほウ・・・?予想範囲でハアりまスが・・・さテ、どう転がりマすかネ・・・?」 「幼さ故の臆病・・・ふフッ・・・さテ?」 と、こんな感じです。 まぁ今考えてみればあの立場にあるアイツらが言っているんだなって理解できますけどね。 上のほうでは理解できなかったって書いてありますけど、Trueエンドを見たら分かりましたよ。 でもまぁそれまでは全く誰が言ってる言葉かはわかりませんでしたし、内容も意味不明でしたから・・・ と、そんな感じの機能です。 今回はどうかな?と思いましたが、機能の発想としては物凄い画期的な感じがします。 システム面に関して。 前作は物凄くスキップの使い勝手が悪かったのが印象に残っています。 ですが、今回は非常に優しいつくりになっていたと感じます。 やっぱりキーボードを操作方法に含めてあるという点が非常に好きです。 スキップするにしろ、なんにしろ、マウスオンリーでのプレイには多少使いにくい部分が。 そういった点で、非常に使いやすいシステムでした。 バグがないというのも非常に安心できますしね。 最終的に全体眺めてみると、とても丁寧な作りだったように感じます。 CGや音楽などもそうですが、各演出方法の巧さや、システムの設計まで、全体的に満足でした。 ただ、最後に心残りなのがエロの少なさ。 やっぱりエロが少ないエロゲというのはどうなのかな・・・・ シーン回想が無いのはどうなんだろうかな・・・ 毎回思いますが、非常に良質な作品を送り出してくれていると思います。 世間での噂にあまりならないというのは不思議でしょうがない点でありますが。 |
0 20 40 60 80 100 | |||
Scenario |
:
|
■■■■■■■■■■■■■■■■■ |
85
|
Sound |
:
|
■■■■■■■■■■■■■■■ |
75
|
Character |
:
|
■■■■■■■■■■■■■■■■ |
80
|
Grapchics |
:
|
■■■■■■■■■■■■■■■■■ |
85
|
System |
:
|
■■■■■■■■■■■■■■■■ |
80
|
H |
:
|
■■■■■■■■■ |
45
|
Main3 |
:
|
■■■■■■■■■■■■■■■■ |
80
|
Total |
:
|
■■■■■■■■■■■■■■■ |
75
|