TeaParty ~紅茶のお茶会~

『峠のお茶会』

「耳で聞かせて」

おはようと、おやすみと。
本当は声で聞きたいけれどいっつも時間が合わないから。
ちょっと淋しいけどメールを毎日送ってる。
どっちのメールもオレが送るのがいつも先で、だから毎朝涼介さんのおやすみメールを見るのが日課。
でも本当は、「おやすみなさい」って直接言えたらいいのに。
毎日忙しい涼介さん。オレの時間を、涼介さんに分けてあげたいくらい。
それで余った時間は、二人で逢えたらいいのにな。

山を登って、豆腐を降ろして、また山を降りて。
目の前に、真っ白いFCを見つけた。
「涼介さんどうしたんですか?まだおはようのメール受けていないのに・・」
「今日は早起きして拓海をさらいに来たよ」
「え?」
「今日一日、休みなんだ。拓海もだろう?昨日のメールに書いてあった」
「確かに休みですけど。え、でも・・」
「だから今日は直接言いに来たよ。おはよう、拓海」
「あ・・。おはようございます、涼介さん・・。やっぱり直接声を聞けるっていいですね」
「そうだな。ところで、おやすみも直接聞きたいんだけどいいかな?」
「・・//////」
「ダメ?」
「ダメじゃ、ないです・・」
恥ずかしいけど、すっごく恥ずかしいけど。
直接聞けるって、やっぱり嬉しいから、いいか。



耳で聞かせて
2001.6.25