『世紀末のお茶会』
「風に吹かれて」
今日は風が強くて。別にたいしたことではないのかもしれないけれど。
でも、まだ帰ってこないあの人が心配。
こんな日は早く声を聞きたいと思う。
心配だから、早く帰って来て下さい。
「ただいま」
「おかえりなさい、大丈夫でしたか?」
「はい。でもすごい風ですね。びっくりしました」
「無事に着いてよかったですよ」
「そうですね。でも無事に辿り着ける自信はありましたよ?」
「どうしてです?」
「だって、風よりも強力な人が家で待っててくれてますからね」
風に吹かれて
2001.5.30