TeaParty ~紅茶のお茶会~

『世紀末のお茶会』

「14日の永遠」

ちゃんと決めたわけではないけれど…。
毎年それは繰り返されている。

2月14日。
冬の大イベント、バレンタインデー。
もう幾度か過ごしてきたその日に、高杉さんは食事に誘ってくれる。
赤とハートでいっぱいのその日、それは高杉さんからのプレゼント。
二人でデートして、食事して。
俺からのプレゼントを渡して、そして…。
幸せな、幸せな一日。

3月14日。
冬の大イベント、ホワイトデー。
思い出すのは、付き合い始めてから初めてのホワイトデー。
バレンタインのお返しにと高杉さんは俺にプレゼントをくれた。
それがすごく嬉しくて、なんだかすごく幸せで、そしてはっと気が付いた。
俺も、もらってるのに。お返しを、考えていない。
だから、俺はあの日、高杉さんを誘った。

「今日、一緒に食事に行きませんか?」

バレンタインのお返しに、それが俺からのプレゼント。
その時から、プレゼントは毎年いっしょ。
バレンタインデーは高杉さんが、ホワイトデーは俺が。
食事に誘ってデートをする。
別に決めたわけではないけれど。
毎年、同じプレゼント。

約束でも決め事でもない、だけどそれは永遠にずっと。



14日の永遠
2001.3.25