TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』

嘘つきな恋人 *

 学校では、目すら合わせないのに。

 真っ直ぐに見つめられる、その視線は挑戦的。

 それでもその瞳に宿るのは、欲望。

 「なんだよ」

 文句を言いたげに開いた唇が、そのまま俺に近付き。

 噛み付くような、キス。

 耐えられないとばかりに、軽く触れてくる指先が合図。

 引き寄せるように、支えるように。

 回す腕と、深くなる口付け。

 「っはぁ…」

 息苦しさに耐えかねて、漏れる吐息は甘く。

 誘うように濡れた、赤い唇。

 「梁太郎…」

 耳元でささやくのは、普段は決して呼ばない名前。

 それだけで、あっけなく堕ちる身体。

 「月、森…」

 なのに堕ちない、心。

 ゆっくりと、布越しに、じらすように。

 隠そうとする手を繋ぎ止め、逃げられないように。

 「いい、加減、にっ」

 にらむ瞳に反して、震える声。

 我慢するような表情と、敏感な身体。

 唇を耳元に寄せて忍び込ませる、吐息。

 「…っん、ぁ…」

 引き結んだ唇から漏れ聞こえるのは、甘い嬌声。

 支える腕にかかる、重み。

 縋るように握り締められ、作られる服の皺。

 誘い出すように、触れるだけの口付け。

 揺れる、潤んだ瞳。

 追うように、開く唇から見えるのは。

 「…っ、蓮…もっと…」

 俺の元に堕ちた、心。

 深く求め深く与え、更に深く、深く。

 身も心も全部、堕ちてしまえばいい。

 二人、ひとつになって。


嘘つきな恋人
2007.11.21
コルダ話5作目。
ぎゃー!!!
書いてしまいました!月土の微妙に裏っぽい話…。
初書きがダークな感じってどうなんだろう…。
テーマ?は「素直じゃない誘い受けなつっちー」です。