TeaParty ~紅茶のお茶会~

『音色のお茶会』

eternal triangle

それは歪んだ三角形
それは歪な三角関係



 月森は日野のことが好きなのだと、そう気付いたときに俺は自分の気持ちを自覚した。
 俺は嫉妬している。
 月森にではなく、日野に。

 気付いた途端に失恋決定とは、笑いが止まらない。
 それなら気付かなければよかったんだ。
 笑って笑って、笑い疲れてため息が零れた。

 このため息と一緒に、この想いも消えてしまえばいい。
 俺は月森の幸せを望むから。
 俺の痛みなど、月森の幸せに比べたらちっぽけなものだから。

 だからお前の想いを、叶えてくれ。



 土浦君が月森君に相談しているのを偶然聞いてしまい、私はちょっと複雑な気分になった。
 私には相談してくれなかったから?
 それとも、相談相手が月森君だったから?

 土浦君は私の悩みを聞いてくれて、励ましてくれて、背中をそっと押してくれた。
 それは誰にでも向けられる優しさだったけど、あなたを想う私にはとても嬉しかった。
 私はいつだって甘えてばっかりで何も返せず、何にも気付いてあげられなかった。

 私は土浦君に、何もしてあげられていない。
 私が傍にいることで、きっと土浦君に迷惑をかけてしまっている。
 私はもう少し、自分の力で頑張らなくちゃいけなかったのに。

 気付くのが遅くて、ごめんね。



 日野の笑顔が土浦に向けられるのを見る度に、この思いが叶わないことを思い知らされる。
 土浦の前で、日野はよく笑う。
 俺には、どこか困ったような顔だ。

 出会ったばかりの俺の言動は、相当冷たかったという自覚はある。
 嫌いではなかったのだと言っても、信じてはもらえないだろう。
 そして今、その音色にも日野自身にも惹かれているのだと言ったとしても。

 だから俺はこの想いを口にしない。 
 困らせるようなことは、もうしたくない。
 そんなことを、俺は望んでいるわけではないから。

 君の幸せを、心から願っている。


もしも三角が線になったら
点に戻るのは、誰?




eternal triangle
2009.8.20
コルダ話48作目。
三角関係話です。誰も幸せになってません…。
一方通行過ぎる…。
えーっと…。こんな話を書いてしまいました…。