TeaParty ～紅茶のお茶会～

『音色のお茶会』

言ノ葉

それはまるで。
まるで何かのついでのように。
今、ふと思い付いたかのように。
そんな風にさらっと。
君の口から告げられたコトノハ。

「月森…誕生日、おめでとう」

いつものようなにらむ視線でもなく。
文句を言う表情でもなく。
ただ、笑顔でもなかったけれど。
言った後の顔は少し照れ臭そうで。
その言葉以上に、その表情にも驚いた。

「ありがとう、土浦」

だからありきたりな返事しかできなくて。
でもそれ以上の台詞が思い付かなくて。
それが他の誰でもない君からの言葉だからと。
そんなことにも気付かされて。
だからそれは本心から出たコトノハ。

それは形のないものだけれど。
心を暖かくして、気持ちをやわらかくして。
思いがけずとても嬉しくて。
君から俺に送られた、最高の贈り物。
とてもとても幸せなコトノハ。