13cmF9.3鏡筒製作(1)

→望遠鏡


3分割伸縮鏡筒の内筒(φ167mm)を作ります。

 

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φ167mm×520mmの筒を作ります。

どうやってFRP筒を作るか散々考えた末、まずFRP平板を作り、
それを丸めて筒にし、その内側にも積層するという方法を試す
事にしました。

平らな台(コタツ板を使いました)の上に塩ビ板を貼り、その上で
FRP板を作ります。

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#450ガラスマットに細巻きローラーでポリ樹脂を含浸しています。
このあと鉄ネジローラーで脱泡します。

マットは約60cm×60cmです。
ポリ樹脂は400〜500cc(注)。硬化剤1%。

注、私は#450マット1uで800cc(〜1000cc)の樹脂を用意して
います。60cm×60cmだと0.36uで、300〜360ccですが、面積が
少ないときはローラーに染み込む分が有るので、多めにします。

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硬化したので離型します。

平板なので簡単に剥がれます。

本来なら透明な板になるのですが、含浸用ローラーに灰色の
ゲルコートがついてたので、それが混ざってしまい濁った色になって
います。

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FRP板をカットします。

φ167mm×520mmの筒ですが、余裕をみて560mmの長さにします。
φ167mm(外形)の周長は167×3.14=524.4mmですが、
板厚の中心で展開すると、t=0.8mmとして
166.2×3.14=521.9(約522mm)。
なので【520mm×560mm】にカットします。

カットにはアクリルカッターを使いました。

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アロンアルファー(瞬間接着剤)で丸く仮り止めしようと思っていた
のですが、全く貼り付きません。
仕方ないのでポリ樹脂で止める事にしました。

写真のように丸めて、アルミ角パイプで接合部を固定しました。
といってもこれがものすごく大変で(オーバー?)、FRP1プライでも
楽では有りません。合わせ目が開かない様に両端をビニール紐で
締め付けています。

※FRP板成形の翌日に作業しました。

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FRP板の切れ端を外側の接合部に樹脂で貼り付けます。

写真にはありませんが、この上から棒にスポンジを貼り付けて接合
部に押し付け、FRP板に密着するようにして硬化させました。

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接合部はこのように貼り付きました。

内側を接合するまでの仮り止めです。
(と言っても本止めと同じに付いています)

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接合部の内側を接合します。

ここは15mm幅に切ったガラスマットを敷き、樹脂を含浸、脱泡して
固定します。

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内側が接合出来たので、外側の繋ぎは不要ですので削ります。
(ジスクグラインダーで削ります)

余計なところを削らないように、マスキングテープを貼っています。

10 筒を丸く保持する為の木枠を作ります。

15cmドブの耳軸や、31cm鏡筒の円板カットとに使った簡易ジグソー盤
を使います。
ジグソーは安物ですが、満足できる円板が切れます。
(円切りが苦で無くなります)。

11 板はt=12mmです。
166と書いてありますが、
φ167狙いで切ります。
12 木枠にFRP筒を入れて見ました。
手前がFRP板の接合部になります。隙間無くピッタリ入りました。

実は上のジグソー盤の軸になる部分が多少盛り上がっていたので
円周部が多少斜めにカットされました。
筒を差し込むには返って都合が良かったです。

13 木枠で固定して1〜2週間放置しました。
(単に作業できなかったと言うだけですが)

この内側にもう1プライ、#450マットを積層します。

14 裏庭に置いたパレットをFRP作業台にしてます。

マットは270×570を2枚用意します。

15 下半分を積層しおえたところです。

いきなり作業を終えた写真になりましたが、作業中は余裕が無くて
写真を撮れませんでした。
下は残りの半分を作業しているところですが、内容は同じです。
写真の順番が入れ変わっているのではありません。

16 残りの半分を積層します。

樹脂を内側に塗ってからガラスマットを敷きます。
でも樹脂が塗ってあると、布状のマットが途中で貼り付いてしまい
奥まで入りません(なので最初は慌てました)。
マットを長手に半分(270を135)に折って、長い棒に乗せて奥まで
差し込みます。

17 含浸です。

ローラーが平らなので樹脂が塗りづらいですが、ローラーの端で
何とか塗れます。

18 脱泡です。

自作25mm鉄ネジローラーを使いました。25mm幅でも平ネジなので
脱泡しづらいです。太鼓形のローラーが良いのですが持っていません。

19 このまま2〜3週間置いておきました。

平板1プライ+内側1プライ=2プライの筒です。

 

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