13cmF9.3 研磨1 砂ずり(#120)

→望遠鏡


 

1 焦点距離1200mmを目標に鏡面製作します。

鏡材はシタール材:φ131mm×21.4mm。
盤ガラスはパイレックス材:φ108mm×17.9mm。

同径のシタールがもう一枚有るのですが、盤にして
しまうのはもったいないので鏡材として残しておきます。
そのため手元にあったパイレックスを盤に使います。

盤の径が鏡材の80%しか無いので上手くいくかわか
りませんがこれで進めてみます。

2

鏡材の使用面を決めます。

摺りガラスのため、水道水を流しながら気泡や異物混入がないか
見ます。異物は有りませんでしたが、細かな気泡が数個あります。
気泡の深さがわからないので、数の少ない面を使うことにしました。

3

砂ずりに入る前に、角の面取りをします。

以前はカーボランダム#120や、砥石で面取りをしていましたが、今回
はダイヤモンドヤスリを購入したので、これで面取りします。

ヤスリは鋸の目立て用のものです。ダイヤの粒度が適当との判断と、
比較的安価だったのでこれにしました。
C0.5〜0.7程度の面を取ります(これ以上だと時間が掛かる)。
面の垂直方向に削ると欠けやすいので円周方向に傾けてやさしく削り
ます。

4

#120砂ずりに入ります。

TOT(盤が上)にて試して見
ます。
盤の手前に荷重を掛けて
楕円運動をします。
時々盤と鏡を60度〜90度
回します。

  目標の焦点距離になるよう、自作球面計で深さを測りながら進めます。

球面計の脚ピッチ円の半径がr=50mmなので、曲率半径R=2400mmに
するには、
d≒r^2/2R より
d≒(50*50)/(2*2400)=2500/4800=0.5208mm
球面計で【0.52mm】の深さにします。

【30分後】に測定すると【d=0.14mm】。思ったほど削れてません。

注、球面計での数値を凹面の深さ:d、凸面高さ:hとして今後進めます。
  球面計のゼロ合わせは0.01mm程はずれているかもしれません。

5

今度はMOT(鏡材が上)に
して、回転荒ずり法(※)で
【30分】。計60分
鏡材:【d=0.48mm】
 盤:【h=0.44mm】
やはりこの方法が1番掘り
込めそうです。
盤の面取りもします。

※川村幹夫著
15cm反射望遠鏡の作り方p9

6

同様に回転荒ずり法にて
さらに【10分】。計70分
途中削れ具合を見ると鏡の
中央、盤の周囲しか削れて
ません。

鏡材:【d=0.53mm】
 盤:【h=0.51mm】

深さは良さそうです。

7

掘り込みはこれくらいにして
今度は球面化をします。

回転荒ずり法で強引に掘り
込んだので、鏡と盤を合わ
せたときにカーブが一致し
てないからです。

  上の写真のようにTOTにて”∞”、”V”や”W”のストロークで削ります。
ストロークは大きめです。盤と鏡は適当な間隔で(砂の補給のときに)
60〜90度回転させます。
【20分後】。計90分
鏡材:【d=0.51mm】
 盤:【h=0.46mm】

全面にRが付いてきましたがちょっと浅目です。

球面化のとき一度貼りつきました。
#120でも粘り付くんですね。粘りを感じたら砂を補給しましょう。

8

もう少し掘り込む為にMOT
にてさらに【10分】。計100分

鏡材:【d=0.56mm】
 盤:【h=0.53mm】

ちょっと深すぎました。
これだと平均でFL=1150mm
くらいでしょうか。

9

焦点距離を伸ばすために
TOTにてストロークを短め
で【10分】。計110分

鏡材:【d=0.55mm】
 盤:【h=0.55mm】

あまり伸びてません。

10 ちょっと強引に伸ばしま
しょう。
TOTのWストローク(大きめ)
と回転荒ずり法を混ぜて
【10分】。計120分

鏡材:【d=0.53mm】
 盤:【h=0.49mm】
平均すると0.51mm。
ちょっと浅目です。

11 これで#120は最後にしま
しょう。
TOTでストロークを短くして
鏡と盤の曲率を合わせます。
【10分後】。計130分
鏡材:【d=0.52mm】
 盤:【h=0.51mm】
平均で0.515mm
FL=1214mm

これくらいなら後で何とかなる
でしょう。

続く(#220)→