時々日記:2005.2.1-2.15

 アドビに使われる
 2005.2.3(Thu)
ノーベル田中さん(と書くと売れない芸人のよーだ)で有名な島○製作所(京都に本社がある)で行われる計測機器の講習会を受けるため、会社の出張で妹が今日から京都で2泊。今夜は立命館に通っている従妹宅で泊まり、明日はうちで、ということになる。
 でもって今日は節分祭。京大のとなりにある吉田神社は年に一度の大にぎわい。そういえば最近ではコンビニで予約販売までして大々的に売り出したせいで、恵方巻(太巻き寿司の丸かぶり)が関西だけでなく全国的な風習になっているような気が…。この時期は京大の後期試験期間と重なるので、その昔、教養科目(→全学共通科目)の試験のために総合人間学部(旧・教養部)に向かうと、東一条通りに並ぶ露店と人混みの中を通り抜けて行かないといけなかったんだよな…。途中で駄菓子を買って試験に向かったりもしたなぁ。

節分祭、ということは、あの伝説の「鳩サブレ」録音から丁度○年ということか…。
 それを記念して(…なのか?) かつて京大さだ研史上最強の禁書とされ(嘘)、さだまさし研究者必携の書とされた(更に大嘘)「鳩山先生著作大全集」をPDF化。いや、これの原稿版下はMacOS 8時代に、それも一太郎5 for Macで作ってたファイルだったのでPDF化はほとんど諦めてたんですが、いろいろと裏技使いまくりでPDF化に成功。
 MacOS X移行以前は、京大さだ研会誌も公楽荘も一太郎5 for Mac(5だけはMac版が出た)でほとんどの原稿を書いていたのだが、これは、一太郎がWordに比べて操作感がワープロ専用機に近かったために、ワープロから換えた当時は使いやすかったことと、1行毎に行間隔を細かく指定出来たり、当時のWordではまだうまく動作しなかったルビ(ふりがな)が打ちやすかったりと日本生まれのワープロらしい細かさが便利だったから。ま、その反面、半角で英数字を入力した時に日本語フォントを選ぶとプロポーショナルなのに文字間隔の調整がきかず変な苦労をしたり不便な点ももちろんあったが。
 当時よく言われていた事だが、アメリカ生まれのWordが、欧文タイプライターからの流れで「長いロールシートに文字を打っていく」感覚なのに対して、一太郎の場合は最初に原稿用紙に文字を入れる枠の大きさや字数などの規格を決め、その枠の中に書き込んでいく発想という違いがあった。最近はディスプレイの表示が進化したせいで、どちらも印刷画面通りの表示が基本だし、 あまり差を感じなくなっているけど。
 Mac用ワープロでは、一太郎は5以降けっきょく新製品は出ず(ATOKだけが継続中)、WordとEGWORDくらいしか選択の余地がない状態(Apple Worksは別として)だったが、先日Appleから純正ワープロソフトとしてiWorkのユニットとして"Pages"が登場。縦書きに対応していないなどまだ日本語用には不足な気もするが、どこまで進化させる事ができるかな…。iWork自体、まだプレゼンの"Keynote"と"Pages"だけで表計算やデータベースが存在しないので(データベースソフトはApple子会社のFileMakerとの関係があるしな…)まだ発展途上なソフトだけどねぇ…。

今回のPDF化に際して問題だったのは、OSX以前のMac用一太郎で作ったファイルのため、Mac OS 9以前でよく使っていたフォントなどを指定してPDFに組み込む場合ちょっと問題があったのよ。単純にPDFで作ることだけでなく、フォントを含めて当時の印刷版の状態を完全に再現する事が今回の目的なので。あと、鳩山全集はA5判という文書としては特殊な版型を採用しており、一太郎文書ファイルの用紙設定は「A4横書き・2段組み」にして使う(一太郎の場合、こうすると左右それぞれ1ページづつに扱い、そのようにページを振ってくれた)という特殊な事をしていたので、今回は以下のような手順でPDF化。

・まずOS X内で作動するクラシック環境下で一太郎を起動
・一太郎文書ファイル(.jaw)を開く
・仮想PSプリンタ(Adobeより無償配布)を使ってA4横置きサイズの指定でPostScript(.ps)ファイルに書き出し
・さらにOS XのAcrobat Distillerを使ってPDFに変換
・できたPDFをAcrobat (Readerではない)で開き、フォントなどの不具合点を修正
・Acrobat Distillerのカスタム用紙設定でA5サイズを作る
・先ほどのA4横サイズで作られたPDFをさらにA5縦サイズの用紙設定でPDF出力(設定上はプリンタ設定をAcrobat Distillerにする)

…とまぁ、ものすごく面倒くさい。
 Acrobat DistillerにはJIS規格のB判はない(ISOのB版は日本伝統のサイズがベースになっているJISより若干小さい)ため、さだ研会誌や公楽荘会報で使っているB5判でPDFを作る場合もA5同様、カスタム用紙設定により自分でサイズを起こす事になる。

で、フォントの大きさが自由に変えられないワープロ専用機の頃によく使っていた手法だが、文章量が多い場合、A4サイズの紙で原稿を作って、それを81%縮小コピーしてB5サイズの原稿にしていたことが結構あった(ワープロ専用機の場合、感熱紙で原稿を印刷する事が多かったので、保存性を考えて一旦コピーして正式原稿にする事が多かったから手間はどのみちかかっていたしな)。
 その流れで、文書作製作業がMacに移行した後も文章量が多いと用紙設定をA4にして作っていた時期があり、そういう原稿ファイルの用紙設定を今更いじると改行や文字間隔などいろんな部分が崩れて当時のモノを再現出来ないことがあるため、今後さだ研会誌のデジタル化を進める場合、原稿ファイルが残っているモノについてはスキャナ取り込みでなく原稿ファイルから直接PDF化を行う予定だが、一旦A4のままでPDFに変換し、それをもう一度サイズを変えて最終的なPDFにするという面倒な手間は今後も出てくる筈。

その一太郎だが、ここにきて松下の特許権を侵害したとかで裁判で注目されているけど、あの特許ってワープロ専用機で松下が取ったものらしいのだが…、俺、ワープロ専用機は松下のものを使っていたけど、そんな機能あったかな…。というかマウスなんてほとんど使わなかったワープロ専用機時代に画面上でヘルプボタンなんてあったっけ? 少なくとも僕は使ったためしがない(^^;;;)
 今回問題になっている機能って、たしかにWindowsにもMacにもあるような気が、というか「画面上のヘルプボタン」 というのは、解釈次第では現在の主なソフトが全部引っかかるような気がするんだけど。これで松下がMicrosoft相手に訴訟起こしても勝てるんかなあ。勝ったら凄いことになりそうだが。

さて、出来上がった鳩山全集PDFをWeb公開するかどうかは鳩山先生のご許可が必要ですが、取れるかな…。 つうか鳩山先生、生きてるのか?
 また、同時進行で「京大さだ研会誌」長崎バラマキ用2001年8月・2002年8月号もPDF化しているが、 こちらは近々公開します。(もっともメイン記事の対談は既に補注つきでWeb公開してますが)

 ほっこり
 2005.2.4(Fri)
夕方に百万遍にて妹と従妹と待ちあわせ、農学部近くの「琢磨」で夕食。座敷で和食のコース料理を食べた。うまうま。そのあと総合人間学部の新棟を見に行った。時間が遅くて先日開業した地下のナチュラルローソンには入れなかったけど。妹も京大を卒業してから?年になるから、ずいぶんの変貌ぶりに驚いていたが。

 東山の午後
 2005.2.5(Sat)
遅めに起きて、「久し振りに銀閣にでも行ってみたい」ということで妹と歩いて銀閣へ。普段あまり気にしないのだけど、下宿から 散歩でそういう処に行けるってのは、よその人から考えると凄いことなんだろうな…。そのへんの 感覚が、京都に住んでいると鈍感になる気が(笑)。時期のせいか人も少ない。国宝の東求堂は改修工事の最中。今回はじめて気が付いたのだが、庭の片隅に苔のサンプルがまとめて展示されており「大切な苔」「邪魔な苔」「ちょっと邪魔な苔」に分類されていた。邪魔な苔ってなんだろう(笑)
 そのあと哲学の道を南下し、鹿ヶ谷街道に出て、以前出ていたカレー特集本に出ていた喫茶店「グルニエ」でカレーを食べた。うーむ、旨いけど辛い。しっかり煮込んで肉以外は形がなく肉も柔らかい欧風カレーで、ここらの旨いカレー屋の多くは食べ終わった後や胃に入ってから燃え始める感じのカレーが多いのだけど、っこのは口の中でいきなり燃える(笑)。そのあと散歩中も燃え続け、いま体内のどの辺りにカレーが到達しているのか分かるという状態が続いた(笑)。
 そのあと法然院に立ち寄ってから帰宅。妹を送ったその足で研究室へ。

 ゾロ目
 2005.2.6(Sun)
てな訳で今日が?回目の誕生日でした。忘れずにMessageを送ってくれた方々ありがとうございます。 そうか、今の俺の齢でさださんは「ADVANTAGE」「自分症候群」を作り、チャゲアスは「SAY YES」を書いたりしているのだな…。そう考えるとやっぱ凄いよなぁ。 俺も「脂の乗った仕事」をできるようにしないとなぁ…。

 夢も哀しみも欲望も
 2005.2.7(Mon)
6年半ぶりに中島みゆきコンサートに出掛ける。今回のツアーがみゆきさんにとって3年半ぶりで、俺、前回のは行けなかったからなぁ。俺がはじめて行ったのが震災・サリン事件の直後の1995年春、大坂城ホールでの「LOVE OR NOTHING」の時だったから、あれから丁度10年か…。開演が18:30で、18:00頃に会場ロビーで狂授と待ち合わせ。狂授と顔を合わせるのは実はけっこう久々だったのだが、髪がかなり短く刈り込まれていてびっくり。ああいう方だから一瞬ついに得度でもしたのと思ったが(笑)、なんでも年末頃に頭に皮膚病が出て、薬を塗るために短くしたそうな。物販でツアーパンフなどを買い、入場。今回の席は2階席のまん中あたり、センターからょっと右。まぁフェスはどこで聴いても音はいいからその面での心配はないのだけど。

定刻より少し遅れて開演。おー、1曲目からその曲ですか。で、そのあとの第一声が
「こんばんわ、私があの紅白歌合戦で歌詞まちがえた中島みゆきです」(^^;)
 ちなみに今回のコンサートの曲目、なんとツアーパンフに載っており(アンコールは除く) 、こういうのも珍しい。だから開演前にパンフを見ると分かってしまうのよ…。これから行く人はご注意。もっとも、途中でみゆきさんがネタを読むコーナー(昨年までニッポン放送でやっていた「ほのぼのしちゃうのね」を模したコーナー。当日のロビーにネタを投函する場所がある)があり、そこは確実に毎回ネタが異なる訳だが。さすが大阪、ネタが凄いわ…。

フェスティバルホールは昨日が中島みゆき、今日がさだまさしコンサート。 微妙にネタバレになってしまうが、今回のみゆきさんのコンサート、ある曲を唄うためにトークでさださんネタが出てくる。(つまりアノ曲ですな)  だから「此処って明日さださんのコンサートなんですよね。客席にいたらどうしよう」(笑)とか、既にさだまさしコンサートのトランポがフェス駐車場に入っているそうで 「今は駐車場で中島とさださんのトラックがデュエットしてます」(^^;)とか。
 んで、あの一曲だけを聴きたいお父さん方をさんざん待たせた後ラストに近いところで「お父さん、お待たせ致しました」(笑) ま、アンコールでもちょっと意外なお父さん向けメニューがありましたが。約2時間半のステージでした。うーむ、やっぱイイわぁ。

 ひとくぎり
 2005.2.8(Tue)
昨日からうちの専攻の修論発表会が始まり、うちの研究室のM2は今日の午後からが発表本番。途中、 なんだかキツい(しかも的はずれ気味な)質問をされていたりで大変そうだったけど、 滞りなく終わり。まぁ此処まで来て判定会議で落とされることはないだろうし、彼等も一段落でほっと一息だろう。さっそく数日後から海外に逃亡する学生もいるようだが。
 さて、俺もそろそろ学会発表に向けてPowerPoint資料を作り始めないとな…。 まだ結果まとまってませんが。

 合従連衡
 2005.2.11(Fri)
あのオカモトイチジク製薬を買収して子会社化したそうだが…、まぁ色々とグループ化によるメリットがあるんだろうけど、どうもヘンな想像をしてしまいそうだな…(^^;;) そこ、後ろから前からとか言うな(←言ってるって)
 実は、以前はシューズのリーボックやタイヤのミシュランの日本国内での製造業務はオカモトとの合弁で行っていたのだが(現在は解消)あまり知られていなかったな。タイヤではこういう例が多く、今も続いてるのはダンロップ住友ゴムくらいだが、昔はファイアストンとオーツタイヤもそうだった。もっともファイアストンは後年それ自体がブリヂストンに買収され現在ではブリヂストンのアメリカ向けブランドという立場になってしまい、逆に1950年代から永らく直営法人でやってきたグッドイヤーが住友との合弁に切り替わり(つまり住友は2つの海外ブランドを手掛けていることになる)、さらに"FALKEN"ブランドとなったオーツタイヤも住友に吸収され、一方コンチネンタル横浜ゴムと提携して日本に進出し、更にブリヂストンとランフラットタイヤ(スペアタイヤを不要にするタイヤ)開発で技術提携を結ぶなどかなり複雑なことになっている模様。

で、いまオカモトのサイトの製品案内を見たんだが、…ラージサイズのコンドームのパッケージがの写真てのはあまりにストレート過ぎだろう…(^^;;;) もーちょっと何とかならんかったのか…。

 一週間遅れで
 2005.2.14(Mon)
自分への誕生日プレゼント…それはAdobe Creative Suite。ええ、もう必要に迫られて遂に入れてしまいましたよ(半ばヤケ)
 CSはPhotoshop(8)・Illustrator(11)・GoLive(7)・InDesign(3)とAcrobatPro7、そして各ソフトによって作成された文書のバージョンによる違いを調整するVersionCueから構成され、Acrobat以外は今回からバージョン数が表には出なくなった。通常で20万円、アカデミック版でさえ7万円を超える超大型ソフトだが、これでもPhotoshop・Illustrator・AcrobatProをそれぞれ単体で買った時の合計金額とたいして変わらないし、CSなら更にGoLiveとInDesignも入っているという構成なので(これを通常版でバラバラに買うと合計37万円超…!!!!)これでもかなりお得なのは確かなのよねぇ。
 通常版では上記のどれか一つのソフトからCSへのアップグレードということが可能だが、それでも13万かかるし、アカデミック版には安価な設定なだけに流石にアップグレード版はない(単体だとアップグレード版とアカデミック版がほぼ同じ価格)。 ほんと、Adobeのソフトは高いわ…。でも僕等のような仕事だと、これが無いとやっていけない面もあるしなぁ…。ほんとにタイヘンですわ…。
 そんな訳で、学位論文はWordでなくInDesignで書くことになりそうな…(笑) なにか間違っている気がしないでもない。