【ひと言もの申す】

滋賀県自然保護課への提言



ある年老いた対策協議会委員の独り言
                                     委員  矢内 衛

平成13年4月8日に開催された第2回近隣住民説明会の議事録を読み、私たちルネ大津側主張の重点項目が意識的に省略されている事実を察知し、事業主側の不誠実な対応に強い憤りを覚えました。昨年末の二度目の入院生活から開放された直後の事とて、健康面に自信はありませんでしたが、持って生まれた関東男児の義侠心が沸き立ち、浅学非才を省みず、建設反対運動の旗振り役を買って出ました。幸い、志を同じくする居住民の皆様のお力添えを頂き、市議会への請願書の提出まで漕ぎ着けることが出来ました。困難な闘争が続きますが、これからも、相変わらぬご支援の程お願い申し上げます。



自治会長兼対策協議会委員として
                                        矢内 幸江

ジャンケンに負けた結果、思いもかけず今年度の自治会長を仰せつかって程なく、お隣の「におの浜荘」の取り壊し跡地に22階建て超高層マンションの建設計画が持ち上がりました。これまで、このような問題に対して特別の経験もなく、不慣れな仕事に戸惑いながら、あっと言うまま、3ヶ月が過ぎ去りました。「建設反対運動は自治会が中心となって推進するものです」とのご指摘を頂き、住民の皆様の暖かいご支援に励まされながら、署名活動や反対運動用の横断幕や垂れ幕、のぼりの作成に励んで参りました。経験不足が災いし、ややもすれば、自信を失いながらの毎日でしたが、大勢の皆様に励まされ、9,800名余りの方にお名前を書いて頂き署名活動も無事終了することができました。横断幕生地へのミシン掛けやスローガンの書き込みなどをしているとき、皆様の暖かいご協力に熱い思いが沸き上がり、涙が溢れそうになる毎日でした。市議会への請願書の提出も無事終了した建設反対運動の合間に、ご協力頂いた皆様に改めて御礼のご挨拶を申し上げたいと存じます。不慣れなこと故、色々ご迷惑をお掛けすることもございましょうが、これからも宜しくご協力の程お願い申し上げ、お礼のご挨拶に代えさせて頂きます。



Do in Rome as the Romans do.
                                     委員 大関 眞

「ローマにいる時はローマ人のするようにせよ」と言う諺があります。日本流には「郷に入っては郷に従う」「竟に入っては禁を問え」ですね。暫く忘れていましたが、この度の「美しい街並を壊そうとする」インベーダーの出現で、思い出させてくれました。
ここ数年、湖岸に偉容を見せ始めた、琵琶湖ホテル・びわ湖ホール・ピアザ淡海さん方は、軒並みに「びわ湖の景観を損なわないよう」郷土を愛する心から、商業地域で高さ制限の無いことを百もご承知で、景観を守ろうと自ら規制して、頑張って来られました。近くにはルネ大津の南側に建設中の、平和奥田株式会社さんも、許容容積率を縮小して、景観・近隣に気を遣って下さっています。
デ・リードコーポレーションさんw 郷土の先輩諸氏が築いてこられた伝統を無視して、勝手気ままに利潤追求のみに走って、企業の本来果たすべき責務を、お忘れになったのでは無いでしょうね。
         「我が身をつねって人の痛さを知れ」



浜大津からなぎさ公園皆んなで手をつなごう
                                  委員  中村 佳穂

時代劇から西部劇そして戦争映画と子供の頃の娯楽のなかった時代に育ち、ややもすれば空想的な考えがあって、今回ルネの東側に22階建て超高層マンション、先をこされたとの思いが最初にあった。
ところがミシガンに乗船して湖からの眺めは、浜大津からなぎさ公園、びわ湖ホール・ルネ大津、建物の高さのそろった景観は滋賀県随一で、その仲間にと"おーい日本とことん滋賀県"。
自然と調和した人工美、心が開かれた気分です。資本主義は破壊して作ると言いますが、人間の英知は自然と落ち着くべきところに落ち着くものと思います。世間ではいろいろと殺伐とした事件が多く、他人事のようですが、今ルネにとって大きな出来事です。
もっと広い範囲からとらえた場合、大津市民憲章のルネ大津のタイトルとなった郷土を愛しびわ湖の美しさを守るの原点に辿り着きました。
私の一言は、「なんとかなる」人類の文明が始まって7000年、これが最高の知恵だそうで
"強く、正しく、朗らかに"をモットーに、近隣となるマンションの住民のためにも施工事業主殿、「無理が通れば道理が引っ込む」のたとえの如く、皆んなで手をつないで仲間になろうではないか…。「柱の傷はおととしの5月5日の背比べ」のように"建物の高さのそろった景観"英断を望むものであります。



反対運動についての私見
                                   委員  久保 洋

 ルネ大津には、約400世帯の住民が生活している。その隣に、地上22階、75mにおよぶ超高層住宅が計画されている。日照は?ビル風は?駐車場からの車の排ガスは?街並み・景観は?問題は、枚挙にいとまがない。
 隣に人が住んでいるにもかかわらず、これほどの超高層住宅が計画できるのには、いくつかのからくりがある。一つは、ここが商業地域といって、用途が制限されていない、法律上もっとも条件が緩い地域であるからだ。しかし、それだけではない。二つめに、市街地総合設計制度というのがある。法律の条文では、敷地内に空き地があって、かつ「市街地の整備・改善に資する」ことを条件に、一般的な規制の枠以上の高さの建物を建ててもいいというものだが、実際には先の空き地が確保されていれば、後の「整備・改善」のほうはあまり考慮されているとは言いがたい状態に置かれている。実際、前に広大な「なぎさのプロムナード」があるのに、提供される空き地など、どれほどの意味があるか甚だ疑問である。さらに、建物の中にガレージをつくるときには、いくつかの条件をクリアーすれば、容積率の算定範囲に入れないでよろしいというのがある。当然、構造上そういうガレージは下のほうの階に作られるわけで、それだけ住戸部分は高くなる。逆に、ガレージに日照なんか必要ないから、そこのところは、隣の建物の影響を無視できる。
 要は、住居の横に住居を建てるのだが、そこは商業地なので、別に住宅地として周りに払うべき配慮はしなくても法的には問題ないから、よろしい。加えて、もっと高くするのに法律にいろいろ書いてあるから、それも目いっぱい使いましょう。そのように、法律を読み解いて、建つのが22階、75mの超高層マンションなのである。
 そこには、隣人のことは、何もかかれていないという風に。
 これに対する反対運動は、人間らしい生活環境を守り、育てていこうとする、人間らしい生活をおくる権利をかけた運動である。権利と義務の関係が、最近よく取りざたされるが、そこでよく耳するのは、権利だけ主張して、義務を果たしていないとか、そういうものだ。けれども、私は、それだけだとは思わない。今ある権利にあぐらをかいているのではなくて、権利を守るために、またさらなる権利の獲得のために、行動することも、これは義務なのだ、という、イェーリンクの言葉に、私は賛成である。
 法律が全てではない。例えばそれぞれの地域の地理的な特性や、歴史的な経緯など、場所が違えば全然事情も異なってくる。そこで、必要なのは、自主的な規制や申し合わせとか、そういった、その場所に適した、決め事だと思う。それを守るには、より強い理性が求められる。なぜなら、別に、処罰があるわけでもないからだ。そして、それをするのは、他でもない、地域住民であり、そこで生活する私たち自身である。自分たちの住む地域を、自分たちでよくするために、自分たちで守り、自らを律していく。これは、至極当然のことだと思う。



我々の心配をよそに計画は進められる?
                                  委員  島村 政治 

3号棟の隣地に建設が計画されている超高層マンションは、タワープロジェクトとうたっているだけに、高さの達成にはかなり無理をしているように見受けられます。というのは、住居部分18階の下にわざわざ駐車場部分を4階も置くという変わった構造になっているからです。
 この構造の駐車場はよほど管理を厳重にしないと外部の人間が出入りし、防災・防犯上の問題を起こしやすいと考えられます。つい先日から近くの大型スーパーが深夜12時まで営業するようになり、付近に深夜営業の店が増加しています。風紀的に好ましくない連中がこの種の夜間無人区域にたむろし、種々のいたずらをすることも最近のいろいろな事件の発生状況からあながち考えられないことではないように思います。
隣のマンションに住むわれわれとしては、新しい超高層マンションの建設によってこの種の環境悪化がもたらされることは困ったことで、一つの気がかりです。



天下を制した大津京で、今なにが
                                  委員  田中 照幸

“大津を制するものは天下を制する”と戦国乱世の時代から言われるように、大津は日本の要所であり、注目されている街であります。我々の先祖は、幾多の危機、困難に巻き込まれても、それを乗り越え今日の大津を築いてきました。
まさに、今日のデ・リード(大阪市)の大津進出は挑戦であり、大津にとって危機であると言っても過言ではありません。デ・リードは大津の歴史、自然そして住民の思いを理解しようとせず「はじめに超高層マンションありき」の考えで計画を推進させるばかりです。
浜大津から粟津周辺までの素晴らしい景観のど真ん中に、突如超高層マンションが建設されたと仮定すると、第2、第3のデ・リードの大津への進出が懸念され、琵琶湖の景観が台無しになります。今日の大津を築き、守ってきた先人たちの志が崩れるばかりでなく、その志を継いだ今の生きる者の汚点になると考えます。
におの浜地区に在住する我々が大津の代表として断固建設反対し、景観を守る運動を根気よく持続しなくてはいけないと思います。比叡山頂からの絶景、遊覧船から見る街並みを、守るも壊すも、この運動如何によると思います。どうか皆さんの絶大なるご支援をお待ちしています。



私たちの太陽を奪わないで
                                  委員  荒井 美紀子 

   私たちは体一杯に太陽を浴びる権利が有ります。

   毎日当たり前のように朝日を受け、目を覚まし

   夕日が沈むと今日も一日が終わりだなと感じます。

   この自然でごく当たり前の毎日が超高層マンション建設の為に

   奪われるわけです。

   日照権、そして窓から外を見れば琵琶湖の美しい景色、青空、

   それらを奪い取る権利は誰にも無いはずです。



調和と安らぎのある住環境を求めて
                                委員  長副 由美子

滋賀県には山・川・湖があり、「風光明媚」という言葉がピッタリ当てはまる土地です。琵琶湖を遊覧する観光船から望む、におの浜湖岸地区は街全体が一体となっており、誰にも自慢できる景観です。
ここに今、高層マンション建設計画が持ち上がっていますが、これは大津市の人達が数十年かかって築いてこられた街並みを破壊するものです。もし住民の反対を無視し強行建築された場合、これが足がかりとなり、あちらでニョキリ、こちらでニョキリと乱立することは明白で街並みは雑然となります。東京や大阪、果ては香港など高層を軸とした都市景観もありますが、開放的ななぎさ公園の周辺には調和しません。また、複数の活断層を有し埋立地でもある、におの浜地区の超高層建設には不安があります。
日本は乱開発の20世紀を経験し、その反省から21世紀は人と自然が共存しつつ、調和の取れた安らぎのある住環境を求めるものに変わってきています。なぜこの時代に逆行するような構想をするのか、疑問に思えてなりません。
滋賀県のメッセージに「マザーレイク、預かっているのは滋賀県です」というキャッチコピーがありますが、事業主様はこの意味を理解してほしいと思います。「自分の土地だから」とか「法に触れなければ何をしても構わない」という考えはお改め願いたいです。琵琶湖も風景も預かり物であり、この環境を次世代へ引き継ぐのが私達の努めと考えています。この思いを県外の人に理解してもらうことは所詮無理なのでしょうか? もっとも私自身、ルネ大津に暮らして初めて自覚が出てきたのですが・・・。今日まで市民に守られ愛されてきた景観が、無秩序な建造物の出現により崩されようとするのは、とても悲しいことです。


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