八月(前)


8/1

唇にかかった呪い


 昨日の想でこの夏に賭ける意気込みを訴えてみましたが

 考えてみたら、その前にここ最近の一番新しいキスの思い出

 マサさんという10日ほど前の飲み会で知り合った濃い顔のとの

 
舌を絡めてプリンを流し込んだディープキス
でした・・

 

 夏にかける意気込みよりも、まずこの思い出を何とかしたい

 あぁぁぁぁ・・・。<思い出して後悔

 *マサ(MASA)さんSADISTIC−LIBIDOの管理人様
 始めて会ったのに妙に気が合うゲイの方が好きそうなナイスガイ



 勘違いしないで頂きたいのは

 俺は酒を飲むとその場のノリで男女関係なくキスする人なんで

 マサさんとキスをした事自体は全然かまわないんですよ。

 それどころか意外に唇柔らかくて気持ち良かったし


 ただ問題は

 相手のマサさんは、しっかりとナイスな彼女がいらっしゃるので

 すぐに男同士で汚された唇の呪いを彼女の唇によって浄化できますが

 今のところ交際相手がマニア天国のお姉さんという俺の場合は

 呪いを解く術がなく呪われっぱなしって事です


 一応ビデオのパッケージにキスという荒技がありますが

 実行すると別の呪いがかかってしまいそうです



 あぁここまで深く考えてみれば、あの時ノリでキスしなかったのに・・

 イヤ やっぱりノリでキスはしちゃったかもしれないが、すくなくとも

 舌を絡めてプリンまで流し込まなかったのに!


 マサさんの唇と舌にからみつく液状のプリンの感触が今でも口の中に残ってるよ

 忘れたい 忘れたいよママン!




 まさにうかつな行動で自分の首を絞めてる男の典型です

 なんつーか冗談で呪われたアイテムを装備したら

 
まだ僧侶がシャナクを覚えてなかった馬鹿な戦士みたいです。


 このまま夏が終わったら呪いで唇が腐り落ちそうなので

 それだけは必死で阻止する覚悟。


 というわけで男に奪われたままの俺の唇を

 華麗に盗み返してくれるキャッツアイ求む



 昨日の更新が無かったのは、突如出現した百名単位のキャッツアイから

自分の唇を守り通すので精一杯だったからではありません

 いやホント ホントですって


 最近ようやくプライベートの方がすこし落ち着きを取り戻しまして

 また忙しくなる前に待たせ続けていたTOP絵の入賞者の方々に

 先行者のストラップを送る準備をしてました

 8/5には発送できると思います、大変遅くなりまして申し訳なかったです。

あ 傑作十選の方とTOP賞の方にだけ送る「秘密のなにか」は

まだ用意できてませんので、気長にお待ちください。




8/3

走る男


 ピピピピピピピピピピ

 けたたましい電話の着信音が耳元で鳴る。


 昼の労働に疲れ果て、うたた寝をしていた俺は否応なしに起こされた

 あぁせっかく気持ちよく寝てたのに!一体誰だ?何の用だ!


 >健ちゃん今お酒飲んでるんだけど

 >東京までこない?一緒に飲みたいなぁ


 え?

 誰かと思えば、最近友達になったDカップの美女●嬢ではないですか!

 Dカップの美女が都内で寂しくお酒を飲んで俺を呼んでいるだと?

 おいおい●ちゃん今何時だと思ってるんだ十時半だぞ

 昼じゃねぇぞ、夜だ 夜の十時半だ


 十時半って言ったって、英国時間とかそう言うオチじゃねぇぞ

 まぎれもねぇ日本時間の明石標準値だ

 つまりあれだよ子供は寝る時間の十時半だ!


 少し落ち着け俺!!

 こんな時間に飲みに行ったら最終電車なんぞある訳がない

 それはそのまま向こうで一夜を過ごす事を意味している



 先ほどまで眠っていた俺の脳内に

 驚くべき速さで血液が流れ込み覚醒を促す

 そして自らの置かれたこの状況を正確に把握する


  ●嬢とて大人の女である

 この時間に飲みに行ったら終電が無くなるくらい百も承知のはず

 そしてそれがどういう結果をもたらすのか分からないウブな女じゃない

 つまりすべて承知のうえで彼女はこの時間に誘いをいれているのだ


 OK分かった!

 そっちがその気なら話は早い

 当方に迎撃の用意有りだ!


 こうなってしまえば

 埼玉から東京なんて近いもんだ

 気分的には隣町くらいだ、きっと


 今行くまってろ!!

 そんなこちらの覚悟完了を知らせようとした、その時・・





 >あのね今ね

 >彼氏も一緒に飲んでるんだ 
一緒に飲もうよ




 飲めるかーい!




 その後

 東京へ行けるわけもない俺は

 とりあえずマニア天国に走ってみた。(泣きながら)

8/4

二次的利用禁止


アイドルの公式サイトに行くと必ず書いてある注意書き

*ここにある全ての画像の二次的利用を禁止します。





(一次)画像のダウンロード

(二次)個人で配布



●二次的利用にあたり罰せられます。







(一次)画像のダウンロード

(二次)その後ひとりH



二次的に利用してますが問題ありません。




 このところ色々あって更新が無かったのですが、一番の原因は取材疲れです


 実は七月の半ばあたりから、いくつかの会社様から取材の連絡があったんですが

 テスト期間だったのですぐに応じる訳にいかず、先延ばしにしてもらっていたんです。


 そうしたらどんどん数が溜まってしまい、忘れてすっぽかしたら大変なので

 すべての取材を八月の第一週に毎日詰め込んでみたんですよ

 さすがにバテました・・。

 バイトしながら連日西へ東へ出向いて喋り続けるのは、ちょっと素人にはきつかったです

 でも、相手の方に迷惑をかけることなく日程を乗り切り今はホッとしております。


 お声をかけていただいた皆様方

 俺なんかの話がわざわざ取材する価値があるか非常に疑問なんですが

 なかなか経験する事の無い機会を与えて頂いて感謝しております。


 ただ取材をうけた記事を後で目にすると

 ソファーにふんぞり返って葉巻でも吸いながら喋ってる感じがするのはなぜ?(泣)


8/8

ナンジャタウン、アフロジャック



 さて過去の想を見ると分かるんですが

 わりと昔はラジオに出た事とか、雑誌の話とかをネタにしてたんですが

 あんまりにも数が多くなり、なんだか自慢みたいになってしまいイヤになったので

 その手の話は、めっきり想で取り上げなくなっておりました。


 しかし8/7のラジオ番組 「SeeYouOnline」さんの取材で

 普通できない強烈な体験をさせて頂いたので久しぶりにネタにします。


 「SeeYouOnline」さんのトトロ大嶋さんからメールをもらったのは7月後半

 数回のメールのやりとりの後、危ない人でない事を確認し取材をOKする

 その後ようやく企画が固まったとの知らせを受け

 初の電話で打ち合わせをします。


 トトロさん(以下 ト) 「あ 電話では始めまして トトロ大嶋です」

 俺 「こちらこそ 始めまして 侍魂の健です」


 簡単な挨拶の後、さっそく打ち合わせに入る


 ト 「あのですね〜中略〜収録はナムコナンジャタウンで行いますので

 俺 「 ナムコナンジャタウンですか?なんでまたそんなところで?」

 ト 「ナンジャのアトラクションを健さんに体験してもらいコメントもらおうかなって」

 俺 「・・・・・。 そ それは猫の乗り物とかに乗っちゃったりするわけですか俺?

 ト 「はい」<迷い無し


 間違ってる この番組絶対間違ってる

 一抹の不安が頭をよぎるがもう後には引けない・・。




 8/7当日

 池袋のナンジャタウン前でスタッフと合流

 番組のDJをつとめるトトロ大嶋さんと新井菜月さん(以下なっちゃん)と顔合わせ

 「トトロ大嶋さん」 トトロを名乗る男は得てして熊であるの法則通りの笑顔と声の優しい方。

 「なっちゃん」 背の小さい色白のお姉さん、一言でいうとキュートな美人。

 とりあえずスタッフ一同ナンジャのフリーパスを頂いて中に入ります。



 トトロさん 「ではこれから健さんとなっちゃんの二人に、ナンジャタウンのアトラクションを体験してもらいます


 その前にちょっと疑問があったので聞いてみる


 俺 「それは俺にナンジャタウンを斬ってくれと解釈してよろしいんでしょうか?

 一同 「・・・・・・・。」 絶句するスタッフ


 しばらくして一人が絞り出すように口をひらく・・

 「い いや今日のスポンサーさんですから斬っちゃうのは困るんですが・・(激汗)」


 どうやら業界のタブーに触れてしまったようです

 なにぶん右も左も分からない素人なので本当に申し訳ない

 大丈夫です俺も大人です分かってます、もう斬るとか言わないから

 そろそろ皆さん
その引きつった顔やめてもらえませんか(泣)

 俺が悪かった・・・。



 とりあえずナンジャタウンの人通りの少ない場所に集まって

 番組の冒頭の3分ほどの紹介だけ録音する事になる

 俺は最初の記念撮影に備えて、用意してきた特大アフロ(¥5000)とグラサンを装着

 記念写真も終わり、アフロを脱ごうとしたらスタッフさんから一言

 「あの〜アトラクションを体験してる最中も撮りたいんですが・・」

 何気ない一言だが、顔をさらすつもりのない俺にとってそれはこのまま

 ナンジャタウンをアフロで闊歩する事を意味する

 や・やるしかねぇ・・<覚悟完了



 夏休みの家族連れで賑わうナンジャタウンに

 突如出現したBIGアフロマン!!

 常人の5倍はあろうかという不自然な頭の人の登場に

 道行く人が皆、目をひそめ子供達は指をさして大喜び


 「ねぇねぇ お母さんアレなぁに?」

 「あのお兄ちゃん
頭でっかい!!」

 「すっげぇ!すっげぇ! 」
(とにかくアフロに感激してる)



 子供達は突如現れたヒーローに大ハシャギ!子供は正直です

 今ならポケモン人気にも勝てそうです、ビバ!アフロ!

 そんな子供達を「だっ駄目よ 指さしちゃ!」とすぐ止めに入るお母さん

 大人も正直です




 当たり前だが、ナンジャタウンはテーマパークである、つまりそこら中に

 猫娘や妖怪など沢山の変わった方々がいるのにもかかわらず

 一番目立つアフロ アフロ破壊力ありすぎ。


 顔を真っ赤に塗りたくってまで注目を集めようとしてる鬼役のお兄さんの横で

 ちびっ子に囲まれるのは申し分けない気持ちで一杯です。



 しかもすでに一番場内で目立ってるのに、さらに追い打ちをかける事態が俺を襲う

 なんとアトラクションの説明のため ナムコの広報(黒服)さんが二人も付き添う事になる

 ナムコナンジャタウンの中を広報の男性とナッチャンと歩き回る。


 周りの視線が背中を刺す、事情をしらない他のお客さんにはこう見えるはず


 黒服の男に守られてながら
 美女を連れ回す超VIP待遇のアフロ


 
一体どんな奴だよ!

 我ながら自分で突っ込みたいくらいです。



 
あたりが一段とざわめき始め

 周りのお客さんの好奇の目線とひそひそ話が聞こえてくる・・・


 「あれ誰なの一体?」

 
「あのお兄ちゃん何者かしら?」

 ただ者じゃないわね もしかして芸能人?」





 言えない 今更ただの馬鹿者だなんて言えない・・・。 (明日に続く)


8/10

ナンジャタウン、アフロジャック−ラジオ収録編−


 続き・・


 黒服と美女に連れられアフロでナンジャタンを闊歩したその様は

 まさにアフロによる蹂躙だったと言って良い。


 −おつき合い頂いた皆さん−

 このアフロ誰?不思議そうな顔をしながらも丁寧な案内をしてくださった広報の方

 奇異の目線を投げかけ、突拍子もない憶測をしてくださった奥さん

 俺にむかって子供が走り出したら慌てて抱え上げたお父さん

 足下にいたので手をかざしたら身体をビクビク痙攣させた子供


 −お騒がせいたしました ナイス思い出ありがとうございます。−





 その後、いよいよナンジャタウンのVIPルームをお借りして

 ラジオの収録に入ることになるのだが、本番という言葉の響きに

 素人仕様の俺の膀胱が危険信号を発したのでトイレへ行っておく事にする。


 小用を終え、鏡の前でアフロの身だしなみである頭の形を整えていると

 ガチャ・・ トイレのドアが開きナンジャのスタッフが一人入ってくる


 (なぜここにアフロがッ?)


 思わず声をあげそうになって固まる青年、しかし驚くのも無理はない

 いつものトイレで普段いるはずのないアフロを目撃したら誰だって固まる

 たっぷり3秒の思案後、彼はややうわずった声で口を開いた

 青年 「おっ お疲れさまです!



 なぜかアフロをねぎらってくれた彼に対しこちらも挨拶をする

 礼には礼で返さなければならない

 俺 「お疲れさまです!」

 同時に美しい角度の傾斜で一礼をするアフロ



 すると二人の間を支配していた緊張の糸がふっとゆるむ・・

 挨拶は人と人との潤滑油である

 お互いの心を豊かにし人間関係を円満にする


 使い慣れたトイレでアフロと遭遇という極めて特殊な場面

 出会った俺と青年だったが、お互いの気持ちの良い挨拶を通して

 
俺は彼と分かりあえた気がする。




 ただそのすぐ後、分かり合えたはずの彼の選んだトイレが

 俺から
不自然なまでに離れた一番奥のトイレだったのだが

 
このまま良い気分でいたいので、この際見なかった事にする




 〜本番〜

 さて部屋に戻るとすでに準備は整い、いよいよ収録が始まる

 DJのトトロ大嶋さん&ナッチャンの挨拶が始まる

 「みなさんこんにちは こんばんは SEE YOU ONLINEのお時間です〜♪ 」

 侍魂と俺の紹介がされ、こちらに話が振られる

 俺 「ども こんにちは 侍魂の健です♪」


 その後は事前に頂いていた企画書にそって

 侍魂を始めたきっかけや、ABC文調に関する事、先行者ブームの事、俺自身の事など

 事前に用意された合計8個の質問に答える事になる。



 DJお二人の軽快なノリを壊さないように気をつけながら

 嘘や作った自分を見せないように注意しながら質問に答えていきます。


 徐々に進行していく番組、非常に楽しいリラックスした雰囲気のままこなせてる

 もう気がつけば最後の質問である。


 −これからサイトを始める方に侍魂の健さんからなにか一言−


 別に人に意見をできるような立派な立場ではないんですが

 人として最低限のマナーさえ守ったうえでならば

 あとは自分の好きなように自由にやるのが良いと思います

 せっかくのインターネットなのだから自由に皆で楽しみましょう。



 たしかこんな風にまとめて、無事最後の質問を終える

 我ながら敵を作らない実に無難な回答





 まぁ全体を通してみて

 ちょっと言いたい事がまとめきれなかった部分がありましたが

 素人にはしては概ね上手くやれたかなと思っています。


 ただそれはトトロさんとナッチャンのプロの話術あってこそですね

 二人には、ラジオではおそらくタブーになっているであろう

 状況説明をしない俺の突っ込みのフォローに相当苦労賭けた気がします

 本当お疲れさまです、話しやすくて助かりましたありがとうございます。




 ふぅ 終わった 終わった

 仕事を終えて、後は番組の締めをDJ二人がやって終えるだけなのだが

 なぜかトトロさんとナッチャンが、こちらをむいてニヤニヤしてる。


 トトロ&ナッチャン
 「突然ですが、健さんの今日の持ち物チェック〜♪」


 頂いた企画書には一行も書かれていない、いわゆるドッキリってやつだ

 聞いてねーよ、と思いつつもアフロとグラサンを入れてきたバックを差し出す。


 別に普段から財布と携帯しか持ち歩かないし

 今日のバッグとてアフロを入れる用事がなければ持ってくる事はなかったくらいだ

 実は全然焦っていない、残念ながらドッキリ失敗です。


 俺 「別にいいですよ やましいものは入ってないし」


 堂々とバッグを取りだし、テーブルに置く


 ナッチャン 「うーん あんまりモノが入ってませんね」

 俺 「すいません 盛り上がるようなもの持ってなくて」


 そりゃそうだ、大体このバッグだって前回使ったのがいつか思い出せないくらいだ

 そのくらい俺は荷物を持ち歩かない、すこし番組的には盛り上がりを欠く展開だが

 こればっかりは仕方あるまい。



 「あれ? 健さんこれなんですか?」


 ナッチャンが興味津々で取り出したのは見覚えのない一枚の封筒

 おかしい?そんなもの入れた覚えがないぞ・・

 なんだ?なんだあの封筒?






 ゾク・・・。






 一瞬体温が数度さがったかのような悪寒

 吹き出したようにわき上がる不安、心のアラームが最大限の警笛を鳴らす

 ネタにまみれて培われた直感が己の危機知らせる

 よくわからねぇがアレはヤバイもんだ!




 そうこうしてる間にナッチャンが封筒に手をかける・・・




 なんだあの封筒はなんだ?思い出せ

 一体最後にあのバックを何時使った?

 思い出せ!思い出すんだ俺!




 ・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。






思い出したアレだ!


 間違いない、あの封筒の中身は

 20日ほど前のオフ会でもらった土産だ!

 ア アレはまずい・・。


 記憶が蘇ると同時に俺は願った・・・




 時よ止まれ!!(泣)



しかし今まさにナッチャンの手は封筒の中身を取り出す












満を持して出てくるコンドーム



 「こ これは・・」

 予想もしなかった一品を手にしたナッチャン

 一瞬固まりますがすぐさま笑いでフォロー、さすがプロですね


 とりあえずオフ会のお土産でみんながもらった物だと色々説明して見るんだが

 最悪なことにこのコンドーム、頂いたオーナーさんの悪戯で

 裏にケンちゃんLOVEって書いてあってさらに泥沼




 FMネットの電波に乗せてLOVEコンドーム所持発覚

 この前代未聞の事態に俺はもう笑うしかない・・

 ドッキリを仕掛けたトトロさんとナッチャンも笑いが止まらない・・


 ナンジャタウンVIPルームに3人の笑いがこだまする


 
トトロさん 「アハハハハハハ」

 
ナッチャン 「アハハハハハハ」

 俺 「アハハハハハー」<一人だけ笑いが乾いてる






 あのそろそろオチのつかない人生が欲しいんですが・・(泣)



 「SEE YOU ONLINE」の皆さんありがとうございました

 おかげさまで普通体験できない事をさせて頂きました(笑)

 素人ゆえに、スタッフの方々にはご迷惑をおかけしたと思いますが

 非常に楽しい思い出ができました


 本当にありがとうございました。 侍魂の健より


 私信

 いや最後の持ち物検査のアレは焦りましたよ

 封筒が開ける前に一応「開けて良いですか?」って言っていただいたんですけど

 それすら録音されてる事実にいまさら引き返せないので

 そんときゃもう覚悟決めてました(笑)


8/13

カリフォルニアで大和魂


 侍魂でも良く登場する俺の弟(愚弟)なんですが

 実は現在奴はアメリカにいるんです

 一ヶ月間、カリフォルニアのサリーナスの農場で働いてます。




 まず事の発端は

 高校の頃から「英語がしゃべれるようになりてぇ」と言い続けてきた弟が

 大学の夏休みを利用して、語学研修をたくらんだ事から始まります。



 最低でも一ヶ月以上、先進国に分類される英語圏で生活したいと願った弟の所持金は

 わずか10万円、観光客の集中するこの季節航空券しか買えません

 着くと同時にホームレスです。



 10万そこそこで一ヶ月の長期滞在を夢見たその楽観的な思考だけは

 ある意味見習いたい気持ちで一杯です

 しかしこのままでは現実問題として、どこにも行くことはできません。



 そこで親父に相談したところ、幸いにも海外で会社を運営している知人が数名おりまして

 その方々にお願いして相手先の会社で雑用として働かせてもらう事になりました

 宿と飯を提供してもらう代わりに向こうで働く訳です

 その方が社会勉強になりますし良い経験になるでしょう。



 そして、いくつかの国の親父の知り合いの中で弟が選んだのは

 Mさんというアメリカのカリフォルニアで様々な会社を経営する人の下での生活でした。


 最初Mさんに電話で事情を話し、とりあえずのOKを取ったとき7月の頭に一度日本に

 帰国するので、その時にどんな仕事をするのか詳しい話をしてあげる
と言われます。


 じつはこのMさん、40年前に裸一貫でアメリカに渡り見事大成功

 今ではいくつもの会社を運営し自家用の飛行機とパイロットまで持っている

 アメリカンドリームの体現者です。


 そんなチャレンジスピリッツ溢れる豪快なMさんは

 常日頃から弟が成りたいと願うビッグな男そのものです。


 そんなMさんを気に入ってしまったせいか、それとも生来のせっかちのせいか分かりませんが

 とにかく気の早い弟はMさんの帰国を待たずにパスポートを取得

 なけなしの10万円を叩いてサンフランシスコまでの往復の航空券を購入します。




 夢にまで描いた外国での一人暮らし(社員寮)の実現です

 弟の中でさまざまな思いが膨らみます


 英語でのコミュニケーションを乗り越えながら、培われる同僚との友情

 仕事の後の観光も楽しみです、街に繰り出し初めての文化に触れる感動

 さまざまな人に出会い、さまざな別れを経験し

 日本に帰る頃には英語のできる一皮剥けた男になっているはず!


 弟は俺に言いました

 「兄貴、俺は帰ってきたら器の大きさでアンタを越えるね、アメリカで英語という武器を手に入れた俺はアンタより先にビッグな男の階段を駆け上がるね、そう一段飛ばしくらいで!!


 俺としてはすでにこの時点で、ビッグな男への階段一段飛ばしの後

 彼はかならず足を挫くと思っていたので何も言いませんでした。




 そしてそれは遠からず的中する事になります。




 それは7月にMさんが、仕事のついでに日本に帰国し

 弟に現地の詳しい話しをするために我が家を訪れて頂いたときの事でした。


 −愚弟とMさんの会話−


 弟「Mさんよろしくお願いします」


 M「もしキミが来たいっていうなら、俺の持ってる農場で働いてもらう事になるな」


 「実はですね、もう航空券取っちゃたので決定なんです」


 「え?もう航空券取っちゃったの気が早いな」


 「なんとしても俺は英語喋れるようになりてぇんです」


 へ? 英語?俺の農場はほとんどメキシカンだから英語なんぞ使わねぇぞ、そもそもうちのメキシカン英語話せないしな、日常的な会話は全てスペイン語だ、200人近い従業員ほとんどメキシカンだから、アメリカって言うよりメキシコだよ


 「え? マジスカ・・・。」



 自分の行き先はアメリカではなくメキシコ

 英語の上達を目的としていた愚弟いきなりの挫折です

 しかしすでに航空券を取ったいた事もあり、気を取り直して観光に目を向けます。



 「あ でも仕事終わったら街に繰り出して観光とか楽しみなんですよ(汗)」


 「観光って言ってもなぁ、地平線の遙か先までずっと畑が広がってるような所だし、一番近いバス停まで30キロあるから車ないとなにもできねぇぞ、ちなみに歩いて街まで行くのは自殺行為だよ、とりあえずキミの向かう場所は陸の孤島だと思ってくれ


 「え・・・ じゃぁ 夜とか出かけて同僚とかと飲みに行くとかそういうイベントは?・・。」


 「キミの同僚になるメキシカン達は、朝7時から夕方6時まで働いて、もう9時には寝ちまうんだよだってなにもやること無いからな、あとちなみに夜出歩くと田舎とは言えギャングに弾かれるぞ


 「えっとじゃぁ 僕は何しに行くんでしょうか?」


 「一日働きづめで他にやること無いし、まぁ刑務所って言った方がいいかもしれん、だから本気か?って詳しい話を今日しにきたのに・・。」


 「・・・・・・。」


 英語の上達観光異国の同僚達と深まる友情

 すべての選択肢をことごとく潰された弟の手元には

 なけなしの金で買ったアメリカ行きの航空券が一枚




 ビッグな男への階段を一段とばしで駆け上がるつもりだった弟

 その後、かならず足を挫くと思っていた兄

 一段飛ばすどころか、登る階段を間違えていた現実




 しかし、この状況になってもまだ見ぬの彼の地に希望を捨てきれない弟

 以前日本で賞を取ったある有名な小説をすぐさま購入

 それは日本の青年が、カリフォルニアに渡りメキシカンに囲まれながら農場で働くと言う

 今の弟にうってつけの内容の小説です。


 これを読めば、もしかしたら

 自分の進むべき道得るべきなにかが見つかるかも知れない

 一縷の希望を託し、その小説を読み続けていたところ作中に

 発情したメキシカンがニワトリとファックするシーンを見つけさらにブルー


 「まじかよメキシコ人!」弟は叫びながら小説を壁に投げつけました

 希望を見つけるはずが、うっかり絶望を見つけてしまうあたりさすがです








 と言うわけで、現在うちの愚弟は

 「メキシカンに大和魂見せてくる」と言い残し、往復9万1500円もの大金をかけて






メキシコに一ヶ月服役中です


8/14

初めてのメール


 「サンフランシスコ」と「産婦人科クスコ」は似てる

 どうしようも無いツカミで、おはようございます侍魂の健です。



 さて昨日紹介したとおり

 なぜかアメリカにスペイン語の辞書を片手に旅立ったうちの弟なんですが

 実はアイツはまったくパソコンが使えないのです。


 しかし、日本とカリフォルニアの時差と鬼のような電話料金を考えると

 コミュニケーションの手段として、やはり電子メールを使わないわけにはいきません


 そこで苦肉の策として日本でなんとか古いノートパソコンを調達

 こっちで全ての設定を済ませ、向こうではケーブルを差し込むだけにしておき

 あとは出発までの数日間で弟に0からパソコンを教え込む事になりました。


 「アイコンってナンダヨ」

 「ダブルクリックできねーんだよ」

 「ドラッグ?薬かそりゃ?


 頭が痛くなるような質問が飛び交う中

 なんとかメールの送受信だけは覚えさせる事に成功。(疲れたホント)


 と言うわけで、その苦労の甲斐あって農場に到着した

 弟から生まれて初めて自分の意志で書いたメールが届きました。



 件名 アメリカより報告

 とりあえず無事着きました。まず日本語との一ヶ月の別れを考え、機内では映画みんなの家をチョイスした。

 田中邦之(字違うぽい)の震えた声になぜか俺は涙をぽろぽろ流し、飛行機が
管制塔のミスで着陸寸前で突如急上昇し、また違った所で涙がぽろぽろ(俺は俺の死を死にたいが頭の中で流れた)一応アメリカ潜入を成功させた。

 そんなこともあり、飛行機はマジ勘弁だぜと思っていたら、Mさんが現れタクシーに乗り込んだ。やっぱし大地とともに生き、大地ともに死のうなんてナウシカで聞いたようなフレーズを6回は反芻してた俺をいかにもパイロットのジョージ(勝手に命名)がセスナとともに待っていた。

 そして、Mr.Mさんがヤングボーイ、フロントと訳の分からぬことを言って助手席に座らせられ、またガタガタ揺れるセスナで空の旅、そして農場に到着・・・・・

 続きはまた・・・・・・・・・



 おもしろすぎですあの野郎・・。


 >ああああ って自分自身に「あ」を四連打しただけの自分の初メールと比べると

 やけに俺のがちっぽけに感じます



 とりあえず天然には勝てねぇとか思った。




 さて、話はかわりますが

 昨日サンフランシスコで愚弟と遊んでくれる人を募集してみたところ

 なんと25名ものサンフランシスコ在住の方からメールを頂きました
 *(近郊のロスを含めるともっと多数)


 もしかしたら一人か二人くらいるかもしれん、と思っていたんですが

 正直ビックリしてます、それで弟にメールを転送する前に

 ちょっくら読ませて頂いたのですけどね


>午後や土日なんかは暇してて観光なんかしたいと思ってます。
>よかったら健さんの弟さんと遊ばせてもらえませんか?
同い年の女の子も一緒に行くのできっと楽しいと思います。



>LAからだとベガスやグランドキャニオン、SFには週末だけとかで行ったりします。
>弟さんが遊び相手を必要としているのでしたら私がいますよー
>気軽に声かけて下さい。



>実は私の方こそ同行者もなく単身アメリカまで渡るので何も予定がありません。
>と、いうわけでサンフランシスコで遊んでくれる方を募集しております。
>日程が合えば、弟さんに遊んでいただきたく思います



>私はLAに来て三年が経つ人妻(30)です。
>サンフランシスコとLAはとっても近いので
>もしこっちにも来ることがあるなら連絡して下さい。
サンタモニカでお茶でもしましょう




>あの健さんのあの弟さんと、是非お会いしたい!と思い、
興奮して、慌ててメールしています。
>健さん、弟さんの事は任せて下さい、サンフランシスコ観光バッチリです!
>服役生活を終えた彼に、パラダイスを!
>こちらの日程と合えば、何から何までお世話させて頂きますので



 あぁ すいません

 弟に転送するの男からのメールだけにします!


 嫉妬深い兄を許しておくれ

 お前がカリフォルニアでみすみす幸せになっていくのを

 遠く離れた日本の地で指をくわえて見てるのは許すことはできない。


 すまんな弟よ

 俺はお前の兄である前になのだよ・・




 さて 冗談はさておきまして

 正確な日取りが決まっていないにも関わらず

 愚弟と遊んでくれると言ってくださったサンフランシスコ付近の皆さん

 (それ以外の外国のお住いの方々も)誠にありがとうございます

 あんまりにも大歓迎なので、俺が行きたくなるくらいでした

 ほんとありがとうございます。



 さて、しかし問題が

 全部で30名以上いるようなのですがどうしましょう?(笑)

 まさかこれほどの人数が集まるとは思ってなかったので

 こういう場合は想定してませんでした(多くても5人くらいかと)

 メールを弟に転送するにもしても、雨だれ打ちでメールを打っている弟に

 とてもこの量のメールを処理できるとはおもいませんので

 申し訳ないのですが、ちとまだ転送はしておりません

 お返事は少々お待ちください。



 とてもそんな大人数と一対一で遊ぶ時間が弟にはありませんので

 ちょっと、なにかいい手を考えます。


 例えば、誰かに幹事をやってもらって、集まれる人だけ集まって

 サンフランシスコの皆さんと弟でオフ会とか・・・

 *まだ決まったわけではありませんが、おそらく弟のサンフランスコ観光は9/1〜9/7あたりになると思います。




 今ふと思ったんですが、自分の彼女がいないのに

 遠いアメリカの地で人と人の引き合わせに苦心してていいのだろうか?


夏終わるぞ俺・・・





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