想
2002年 2月
2/2
読者をモヤモヤした気分にさせる勝負
以下の単語を想像してください。
↓
「覆面仮面」
今俺の思惑通り、モヤモヤ感を感じてしまったあなたへ。
今ならもれなく
そのモヤモヤ感と一緒に敗北感もプレゼント♪。
2/5
ROBO-ONE行ってきました
先行者の話は次の更新で。
当初、バイトの都合でROBO-ONEは無理だったのですが 二日寝ずに働くことになるN君に、なんとか代わってもらって ROBO-ONEに行く事ができました。(同行 シルチョフ氏) *ホントすまん土産買ってくN。 つーわけで、まずはROBO-ONEの印象から。 来客数は、数百名(?)と混雑しており、なかなかの盛況ぶり。 男性と女性の割合は7:3程度だったが、親子連れなども多く わりと幅広い年齢層が訪れていた印象でした。 んで、ROBO-ONEのメイン ロボット同士の格闘ですが、これがなかなか面白かった。 正直な話、俺は先行者の開発者のスピーチが目的で 大会そのものには、あまり期待していなかったのですが 入場料500円分の割には十分楽しむ事ができました。 この大会は、第一回という事で参加規約に幅があり 出場するロボットが、実に多種多様なフォルム・システムでして 大きさ、重量、操作方法まで全てバラバラ。 無駄に巨大なロボット、過度に軽すぎるロボット ヤカンにしか見えないロボット、サクマのドロップ缶型ロボット 電子部品をタッパーで保護するロボット・・・などなど 個性豊かなロボット達の格闘は、実に興味深いものがありました。 個人的には、この形とシステムが最強!という法則が発見され 同じ形のロボットばかりが出場するガチンコの大会より こちらの多様性のある大会のほうが、はるかに楽しいと思います。 ガンダムが面白いのは、ザクレロやアッガイあっての事だと思いますしね。 まぁ観客席が少なすぎて、戦いが見れない方がいた事など (特に、子供達がロボットを見れないのは一番の問題かと) 初めての大会ゆえの、不備がいくつか目立ちましたが 回を重ねれば改善されていくと思いますし、是非このまま続けて ロボット文化を盛り上げていって欲しいと思います。 結果と印象に残ったロボット *写真引用元impress様 優 勝 009 TA−17 背中のむき出しの電子部品を、タッパーで保護して戦う二刀流ロボット。 ガッチリとして倒れず、二刀流による攻撃力も抜群。質実剛健な実践型ロボットと言えるが、足の上げ具合が引きづり気味なので、次回は禁止になるかもしれません。 準優勝 030 YRCドム 参加者中、最大の安定性と機動力を持ったロボット。決勝では、カメラのフラッシュにセンサーが反応してしまうアクシデントに見舞われ、半ば不戦敗。残念でした。 第三位 014 毘夷零号機 ボディーがサクマのドロップ缶ぽい、いわゆる先行者系なデザイン。でも実は、水平横移動など特徴的な歩行能力を持つロボットで終始相手を翻弄。個人的には、そのチープなフォルムから先行者の弟っぽい印象。 第四位 001 R−BlueV 結果としては、四位だが技術力のレベルでは間違いなくナンバー1。安定した歩行、屈伸、腰を落とす重心移動、ガッツポーズ、正拳突きなど、大きさこそ違えど先行者など問題にならないほどの多彩なアクションを披露。つーか製作者何者ですか?。個人的には、このロボットと優勝したTA-17が戦った準決勝が、今大会一番の盛り上がりでした。 パルキー どこから見てもヤカンにしか見えないステキボディー。腕のフォークも印象的。いっそ熱湯を浴びせかけるという攻撃方法があったら強いと思う(笑)。このパルキーと毘夷零号機との対決は、ある意味裏の決勝戦。 A-DO 音声認識で動かすタイプの珍しいロボット。ロボットそのものより「右!」「左!」と開発者が叫ぶ様子が印象的。最大の敵は他のロボットではなく、大声で実況する司会者。ちなみに、猪木のモノマネをするなど実に多芸なロボット。 |
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ROBO-ONE 中華ロボの真実
vol 1 侍魂の読者
-2/3 ROBO-ONE- PM13:00 トーナメントを勝ち上がったロボットベスト8が決定し アナウンスで昼の休憩が告げられたこの会場で 本日俺にとってのメインイベントが始まろうとしていた。 先行者の開発者の登場である。 先行者のパネルが並べらた壇上を取り囲むように 置かれた200近いパイプイスは、ほぼ全てが埋まりつくし さらにその後ろ側には、立ち見の客が二重三重に並んでいる。 このざっと300人近い客は、トーナメントの休憩中だというのに 誰一人として席を立とうとする者がいない。 まさかこの300人全員俺の同胞か?! もちろん成り行きで、席を立たず見ている人もいるんだろうが 見れば、ほとんどの者が壇上の先行者のパネルを見て目を輝かせている。 間違いねぇこいつらみんな先行者ジャンキーだ! 今まで一度も読者様とオフ会を開いた事がなく 生の読者を見る事が無い俺としては、これは正直嬉しいものがある。 自分のサイトで広まったロボットを、こんなに沢山の人が見に来てくれている。 実に、サイトの管理者冥利に尽きる光景であると思う。 だがしかし、一つ問いたい この会場の、いかんともしがたい絶望的な男女比はどうか? 見渡す限り、野郎ばかり。さらに一番多いのはオッサンと来たもんだ。 もちろん、ありがたい事だと思うのだが・・あえて言わせてもらう 侍魂は、女子高生やギャルやOLや人妻が沢山見てたんじゃ無かったのか! そう信じてきたからこそ続けて来れたのに! 俺の今までの頑張りは一体なんだったのか! ひとまず、この会場にいる方々は侍魂の読者の中でも とびきり濃い部分を抽出した結果だと信じたい。是が非でも。 |
ROBO-ONE 13:15 会場では、300名近い先行者マニアの熱いまなざしの中 「先行者を呼ぼうプロジェクト」の西村氏が壇上に上がり挨拶。 開発者来日までこぎつけたその経緯を簡単に説明した後 ついに、今日のために来日してくださった 国防科学技術大学の馬教授と周副教授の紹介が始まる事に。
西村氏の隣の方は「通訳」の方 その隣の老紳士は「上海交通大学の教授」なので 右側の二名が、先行者の開発者と言うわけなのだが 遠目からでは、一体どっちが馬教授か周副教授か分からない。 ただ左の、短髪、痩せ型、鋭い目線のあからさまな中国顔の方が 特別な威厳を醸し出しおり、周りもなんだか気を使っている様子なので ←その方 多分、あの人が中国ロボット技術の第一人者 国防科学技術大学の「馬教授」に違いないと思っていたら 「馬教授です」 もう欺かれたよ中国! 冗談抜きで、これは本気で勘違い。 それほどまで馬教授は 俺の想像する 中国のエリート教授というイメージから、かけ離れており ものすごい気を使いそうな人の良い感じで、正直言ってしまうと 気が弱く胃酸の出すぎで悩んでそうなセールスマンっぽい普通の印象である。 さらに、隣の周副教授が 「痩せ型」「短髪」「鋭い目つき」という、俺の想像する エリート中国顔三大要素を完璧なまでに満たしていた為 会場に着いてから紹介までの一時間、俺は両名を完全に間違えていた。 *ちなみに、日本人顔三大要素は有名な「メガネ」「七三」「カメラ」。 先入観や見た目で、人を判断してはいけないとは思うのだが とりあえず、この下の写真を見て欲しい 今回に限っては、俺の言い分も分かってもらえると思う。
無理もないと思わないか。 事実、両名が紹介されたその瞬間 会場の後ろでは、ちょっとした動揺が走りざわめいた。 どうやら俺だけでなく、かなりの数の人が間違っていた様子。 さすが中国の国家機密、あの「先行者」の会見である 教授の顔からして油断も隙もありません。 |
2/23
ROBO-ONEこぼれ話
ROBO-ONE会場にて、チープな外見とは裏腹に なかなかの性能を証明してみせた、我らが中華ロボ「先行者」だが 実は同イベントでは、馬教授と周副教授によって 先行者のお供とも言うべき、新たなる中華ロボ二台の発表があった。 昨年の暮れに、WEB版人民日報で相次いで発表され 中国ロボット技術産業の新しい方向性を示したとされる その注目のロボット2台とは・・
失礼ですが、狙ってませんか中国? 「先行者」の洗礼をうけた我々にとって もはや中国のロボットの外見がアレな程度では驚きはしないのだが なぜ今の時代に、虫と蛇を大学で作ろうと思ったのか? 人型二足歩行ロボットを目指して作られた先行者と違い このロボットはコンセプトすら謎である。 両ロボット共に、馬教授と周副教授が開発したらしく ROBO-ONEスペシャルイベントでは その性能のほどを、直々に説明をしてくださったのだが 先行者が、予想に反してなかなかの高性能だった分 この両ロボットは、先行者の代わりに 会場から総つっこみをうける生け贄となっていた。 *ちと、一本の想でその様子をまとめるつもりだったのですが、京都に行くので時間がなくなってしまったので、これを前編として、26日に帰ってきてから後編を付け足す事にします。申し訳ない。 とりあえず、ROBO-ONEに設置された先行者ブースでは 先行者とこの両ロボットの巨大パネルが三枚並べられていたのだが
これを見て、まったく売れそうにないアイドルグループを見てしまったような気まずさを感じるのは俺だけはではあるまい。 |
2000年11月29日、長沙国防科学技術大学で生まれた 一体の二足歩行ロボットが、中国の報道機関によって大々的に報じられた。 ある程度の言語認識能力を持ち ASIMOよりも遥かに軽量の20キロで二足歩行を実現。 段差や不確定な場所でも自由自在に動く事ができ 一秒に二歩という驚異的なハイペースで歩行が可能な 中国科学技術の結晶。中国政府期待の星。
この発表の後の、先行者の歩みは説明の必要がないと思うが 実は、先行者の実態はその人気ぶりとは裏腹に 殆ど明らかになっていなかったのをご存知だろうか? もちろん昨年一年間、我々先行者マニアは 先行者に関するあらゆる情報を集めようとしたのだが 軍事利用への転用をも考慮された先行者は、あくまで国家機密であり 情報と言えば、中国から一方的に流される不確かな物だったからである。 例えば、本来なら先行者の性能を示す確固たる証拠になるはずの テレビで流れた先行者が歩いている唯一の動画ですら どこが秒間2歩のハイペースなんだ?と呆れ返るような場面と 軽快に歩いている場面(ただし上半身のみ)が存在し 最後まで見ても、まったく訳が分からないという有様であり このように先行者フィーバーから一年が経つ現在でさえ その実態の多くは、いまだ謎に包まれたままだったのである。 だが、今回その謎を解く千載一遇のチャンスが訪れた。 ROBO-ONEスペシャルイベントである。 先行者の開発者と未公開ムービーを引っさげて公開された このイベントによって、かなり先行者の真実の姿に近づくことができた。 馬教授、周副教授、および関係者一同に心より感謝を申し上げる。 これより、ROBO-ONEの会見レポートをお送りするので 各個人がそれぞれ先行者は本当は凄いのかどうか?を判断して欲しい。 *以下に、最後まで会見を聞いて明らかになった部分を、今までの先行者の疑惑に答えるという形で、書いてみたが、通訳の方の日本語が非常に聞き取りずらいモノであった事と、なによりビデオカメラを持っていかなかった事が災いし 以下のレポートはそう言ってたと思う。という粋を出ておりません。ご注意ください。 馬教授と周副教授による先行者の解説*これはあんまり面白くなかった(笑)。 人型走行ロボット実験デモシステム(先行者)*NRCより 人型走行ロボット実験デモシステムは人間の基本の外形特徴をそなえています。 このデモシステムはロボットの下肢、胴体、腕と頭部及びそれぞれの分散型ロボット制御システムで構成されています。ロボットは17個の自由度を持っており、足はそれぞれ6自由度、腕はそれぞれ前向き肩関節と肘関節が付いています。肩関節は肘関節と同期して駆動しています。頭は一つの回転自由度を持っています。 制御システムは分散型で関節毎にコンピューターを搭載しています。関節はゲイン可変サーボ制御を実現しています。システムモニターと制御と運動パターンの生成は組み込み用工業用パソコンによって実現しています。 ロボット身長1.4メートル、体重20キロ。その場での動作、平地での前進後退歩行、左右への移動と左右廻りなど動作ができます。下肢との協調により、腕は前後振ることできます。また頭も同時に廻すことが出来ます。ロボットの目はウインクをすることができます。耳は二つ小型スピーカでメインコントローラを通じて、ある程度の言語表現力を持ちます。 ある程度の言語を認識し喋るというのは本当か? 今回のイベントを見た限りでは 何語まで認識し、どの程度の理解度があるのか? という点については、残念ながらまったく触れられる事はなかったが その代わり、先行者は耳がスピーカーという新たな事実が発覚。 どうやら、彼は口があるにも関わらず耳から喋る人型ロボットだったようである。 ASIMOよりも遥かに軽量の20キロで二足歩行を実現? まず、先行者はバッテリーとコンピューター制御が全て外部にある。 この時点で重量が、内蔵型とかなり違っているのは当たり前なのだが 今回のROBO-ONEで、それ以上に重大な事実が明らかになった。 実は先行者は、歩行に関してなら下半身のみで完成なのである。 先行者は、まず歩行可能な下半身だけが製造され それが動くのを確認した後に、下半身の重荷にならないような できるだけ軽い上半身を付けるという風に作られていったようだ。 ←下半身だけの先行者、こんな感じです。 事実公開されたムービーでは、下半身だけの先行者が動き回っており 馬教授も、この段階を迎えてから上半身を付けたと言っていたので間違いない。 つまり先行者には、胸も腕も顔もまったく必要がないのだ。 先行者の上半身は、完成した下半身に人型の体裁を整える為に 取ってつけられた、言わばハリボテなのである。 この設計仕様と、制御コンピューターと電源を外部に持っていることが ASIMOの半分以下という異常な軽量で二足歩行を可能にした答えである。 *だが後に、この下半身だけの姿がより重大な疑惑を生む事となる。 段差や不確定な場所でも自由自在に動く事ができる? 一見歩行すら困難に見える先行者が、階段や不確定な場所を 自在に動く事ができるとは、にわかに信じがたいものがある。 だが、説明によると先行者は片足合計6自由度(モーター)を持ち 両足で12自由度というASIMOとまったく同じ構造になっており 見かけによらず、実はその駆動範囲が以外に広い事が分かる。 詳しい数字は分からないが、見た感じどうやら 3〜5cmの段差なら超えられる程度の関節の自由度はあるようで 公開されたムービーでは、「坂を上る」「ハの字ステップ」などを披露した他 先行者用の専用階段を上っていく雄姿を見る事ができた。 ただし、付け加える事がある。 その全てのアクションが異様に動作が遅いのだ ハの字ステップにしても、五cmの段差を乗り越えるにしても プルプルと震える片足を持ち上げ、ゆっくりと前に足を出す。 その足が着地点に到達したのを確認した後 少しずつ少しずつ身体を前に乗り出して重心移動という具合で 五センチの段差を乗り越えるのに、かなりの時間を要していた。 確かに、坂上り、段差も乗り越え、横ステップすら可能で 段差や不確定な場所でも歩行するという事に嘘はないが 中国側が宣伝する自由自在という印象には程遠いものであった。 秒速2歩の驚異的なハイペースというのは本当か? おそらく、先行者を巡る疑惑の中で最大の疑惑がこれであろう。 ネット上に流出した実際に歩いている動画をくまなく調べても どれひとつとして、秒速二歩を裏付ける証拠が無いばかりか これが秒速二歩なら、中国と日本は時間の流れが違うのでは? と疑いたくなるような物ばかりであった。 結局、巷の結論は「怒髪天を突く」など 大仰な形容をする中国の文化的気質を考慮して 今では、明らかな誇張という事で納得されてしまっている。 だが、今回のROBO-ONEスペシャルイベントで 長年にわたる先行者最大の疑惑に答えがでた。 結論から言おう 先行者は秒速二歩で歩く事ができる。 ガチャガチャガチャガチャと、とても滑らかとは言えないが そのスピードだけならば、ASIMOより素早く見えるほどだ。 ROBO-ONE会場で、その歩行シーンが流れた直後 「あ!ほんとに速い」 「嘘じゃなかったんだ!」と会場全体が どよめいた事からも、いかに信用されていなかったかが分かる。 ただ・・・ 確かに先行者は我々の目の前で 秒速二歩という驚異的な歩行を見せてくれた訳だが その先行者は下半身だけだった。 ・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ごめん、そろそろ言っていいかな? おそらく、ROBO-ONEに行った人、全員が同じ想いだと思いますが 先行者って上半身があると動かないのでは? えっとですね・・ 実は今回のROBO-ONEで公開されたムービーの中で見た限り 下半身だけの先行者は、本当に速く軽快に動くんだが それに上半身が乗っかると、動かないと言わないまでも 極端に動作が遅くなるか異常に歩幅が短くなるのだ。 事実、ROBO-ONEでimpressさんが撮ってきた動画を見ても 果敢に動いているのは上半身だけで、下半身は足踏みしかしてないし。 あくまで、馬教授の説明とムービーを見ただけの憶測なんだが おそらく、先行者は歩行に関しては下半身だけで完成形である為 それに上半身を載せると、バランスが崩れ倒れやすくなり 素早い歩行が困難になってしまうのでは?。 事実、下半身の秒速二歩の歩行は確かに速いのだが 左右に結構な揺れがあり、ちと安定しているとは言い難かったので まったく的はずれな仮説ではないと思う。 でなければ、あれだけムービーを持ってきたにも関わらず 全身付きで軽快に動き回る場面が、一箇所も無い説明がつかない。 と言う訳で、今回与えられた情報の中での判断ですが 秒速2歩の驚異的なハイペースというのは本当か?という 長年続いた先行者最大の疑惑の答えは 秒速二歩の歩行は可能 ただし下半身だけならば。(仮説) 最大の疑惑を晴らしたと同時に、新たな疑惑を抱え込む先行者。 この辺の何か抜けている感じは、やはり言わざるを得ませんな。 さて、長々とイベントの様子をレポートしてきたが訳だが 長い間謎だった「先行者」の真実に、だいぶ近づく事ができたと思う。 確かに、中国の宣伝文句通りとはいかなかったのは事実だが それなりに評価しても良いと思う。少なくとも、俺の中の先行者像は 凄いのか凄くないのか良く分からないロボットから、こう変わった。 まだまだ、ASIMOには遠いものがあるが、その性能は決して侮る事ができないなかなかのロボット。トップを走る日本を猛追する有力候補。 ただ、ムービーの中で出てきた先行者の研究室のパソコンが フロッピーディスク二枚差しぽかったのを見た時 すこし考え直そうと思ったが、やっぱりなかなかのロボットだと思う。 技術的な部分で、日本に及ばない部分がある事は事実だが だからと言って、けっして楽観できるほどの差はないと感じた。 中国は確実に日本に追いつきつつあります。 日本もいっちょ褌締めなおして頑張って欲しいとこですな。 最後に、このような貴重な機会を作っていただいた ROBO-ONE関係者様、馬教授、周副教授の皆さんに感謝します。 |
ROBO-ONEこぼれ話
3/1
ROBO-ONEこぼれ話(虫形ロボット編)
さて、新たに登場した中国の新型「虫」&「蛇」ロボットだが あのように紹介したものの(前回参照)、この虫&蛇という形状は 実はロボットの世界では、かなりポピュラーな研究対象の一つなのである。 例えば、災害救助や人体の管などの 狭く入り組んだ箇所に入る事を目的とした小型ロボットは その殆どが「昆虫」や「蛇」などの構造を模倣して作られている。 ゆくゆくはナノマシン開発を視野に入れている小型ロボット産業にとって 小さな身体で自在に動き回る「虫」や「蛇」の歩行構造を理解する事は 非常に重要な研究対象の一つなのである。 であるから、中国の国防大学が「虫」や「蛇」を研究対象として あの形状のロボットを制作するのは、実に当たり前の事なのだが あの二つのロボットには、それを承知であえて言いたい事がある。 特に、蛇形ロボットには「名前」「形状」「機能」という あらゆる面で日本人の感覚とは一線を画した不思議仕様であり イベントの始まりから終わりまで、興味が尽きる事はなかった。 さて、まずはこの「昆虫形ロボット」だが 会場に置かれたパネルの説明書きを見てみたところ 秒間12cmの歩行、5cmの高さの障害物を乗り越え 1.5kgの重量を搭載可能、ロボット同士の無線による情報交換 などと、この手のロボットとしてはなかなか高性能な印象だが 肝心の公開されたVTRではただの歩行シーンが写っているだけで 俺にはタミヤの工作キットとの違いが分からなかった。 さらに、この虫型ロボットにとって一番の不幸は 本当は高性能らしいのだが証拠(VTR)が無いという 誰もがこの虫型ロボに懐疑的にならざるえない、この状況下で ROBO-ONE会場である「日本科学未来館」のお土産売り場に 形だけなら同じにしか見えない6足歩行形ロボットが たった2800円売られていたという事実であろう。 同じように見える(あくまで見た目)二つの「虫型ロボット」が 一つは、壁の内で特大パネルを設置して開発陣まで招いて紹介され 一つは、壁の外で誰にでも作れるオモチャとして売られている様子は この虫形ロボのイメージを、地の底まで失墜させるこの日最大のトラップであった。 |
蛇型ロボット 蛇のように運動します。長さは約1メートル,移動速度は15.6メートル/分です。「蛇皮」を着ていると水中にて水泳もできます。頭の部分には無線ビデオカメラを搭載しています。*ROBO-ONE公式サイトより さて、いよいよこの蛇形ロボットに触れてみたいと思うのだが これから書くことは、ロボットに関して何も知らないド素人が 蛇形ロボットのVTRを見て思ったそのままの感想である。 言葉の裏に、技術的な裏付けなど全く無い事を確認してもらいたい。 会場に設置された未公開と称されるビデオが再生されると まず我々の目に飛び込んできたのは、上の写真と同じ芝生の上で この蛇形ロボットが実に滑らかに身体をうねらせて動く姿だった。 ウィーンというモーター音と共に、高速かつスムーズに動いている。 ウェーブに似たその動作は、実際の蛇にかなり近いと言って良い。 正直、金属剥き出しの身体からは想像できないほどの滑らかさだ。 この蛇形ロボットなかなかスゲーぞ(驚) 証拠として見事なまでの蛇の動きを目の前で再現され 今まで中国のロボット技術を甘く見ていた事を反省する。 だが VTR開始から30秒ほどたった頃だろうか? その場でVTRを見た全ての人にある素朴な疑問が芽生える。 *動画が無いのが申し訳ないのだが、その時の様子を出来るだけ忠実に再現してみたのでご覧いただきたい。
そう、この蛇形ロボット先ほどから ウネウネと動くだけでまったく前に進んでいないのだ。 嘘などついていない、本当にウネウネ動くだけで前進しないのである。 ところが、不思議な事に中国の公式発表では この蛇形ロボットは毎分15.6メートルで移動する事になっている。 一体これはどういう事か?誤植か?中国の嘘か? 誰もが首を傾げたその直後、驚くべき事実が明らかになった。 なんと、この蛇形ロボットのこの姿は倒れている状態なのだ。 まったく意味が分からない方が多いと思うが無理もない なにせ現物を見た俺ですら困惑したくらいだ。 まずは、落ち着いて聞いてほしい。 このロボットの名前は、蛇形ロボットとして名付けられており 写真の姿を見た誰しもが、蛇(ヘビ)の様にウネウネ移動するものと想像するだろう。 だが、それは違うのだ。 VTRの中盤それは起こった。今まで蛇形ロボットしか写っていなかった画面に 突如軍服を着た中国人が現れ、もはやウネウネ動くだけのオモチャと化した あの蛇形ロボットを唐突に縦にしたのだ。 *わかりづらいイメージ図で申し訳ない イメージ1 真横から見た図 イメージ2 目の前から見た図 イメージ3 真上から見た図 そして縦にされた直後、あの蛇形ロボットは もの凄い勢いでグイグイ前進していくではないか。 さっきまで、無作為な方向に足掻くだけだったのが、まるで嘘のようだ。 やっている事は、横置きの時の動きと一緒だが縦となる事によって 地面との接着点にしっかりと運動を伝え、前進運動へと昇華している。 つまり、この蛇形ロボットは本来縦置きなのだ。 そして、本来あるべき姿に戻った蛇形ロボットは我々の前で これが俺の真の力だと言わんばかりの力強いストロークを披露してくれた。 これならば、公式発表の毎分15.6メートルという移動速度も納得である。 しかし、さすが中国である。 ロボット技術のレベルアップの速度も驚きに値するが、それ以上に 縦に動きまわるヘビがいるとは恐れ入った。 日本にも、ジャンプするヘビ「つちのこ」のいるとされるが それに勝るとも劣らない大発見である。 さて、重箱の隅をつつくような細かいイヤミはちと置いておいて いよいよこの蛇形ロボットの核心に迫りたいと思う。 もしかしたら、ここまで話して気がついた人もいるかも知れないが <真横から 縦に動き回るこの蛇形ロボットの歩行は非常に不安定なのだ。 真正面から見た図を見て頂くと分かりやすいのだが(↓) <正面から 横に倒してあれば、身体全体で地面と接する事ができるが 縦にすると、胴体の幅分のかつ胴体の最下部しか接地点がない。 このような状態で、毎分15.6メートルという高速で移動するのだから 本来このロボットは、立つことすら困難なはずである。 だが、中国はこの欠陥を持つロボットをある驚くべきアイデアによって 高い機動性を持った蛇形運動ロボットに変えたのである。 まずは、説明するよりもイメージ画を見た方が早いだろう。
お前そりゃレッドカードだろ さすがにこれはまずいだろう、技術的にも道義的にも。 つーか、これはロボット業界的にありなのか本気で問いつめたい。 もし、これで蛇形動作ロボットとして認められるなら ASIMOなんて、中にガキでも入れときゃ良かったのに。 この蛇形ロボットが1メートル進むと、後ろの付き人も1メートル進み 蛇形ロボットが10メートル進むと、後ろの付き人も10メートル進み ロボットの邪魔にならないよう、どこまでも付いていく付き人氏 恐らく、人民解放軍の軍服を着ている事から 軍人さん、もしくは国防大学の関係者だと思われるが 自分の任務に疑問を持っていないのか是非聞いてみたいところである。 しかし、先行者以後中国のロボットと深く接する機会が増え 多少の事では驚かないつもりだったが、さすがに今回はぶっとんだ。 その昔、コロンブスは卵を立てみせろという無理難題に対して 卵の底面の殻を潰してテーブルに立てて見せたというが 今回の中国はそれ以上の力技である。 というわけで、今回も我々を沸かせてくれた中華ロボであるが 今現在、この蛇形ロボットを制作した国防科学技術大学では 夏に向けて先行者2の制作に取りかかっているというのである。 この話を聞いた時、さすがに初代以上のインパクトを与えるのは 難しいだろうと思っていたが、今回の蛇形ロボットの件を見ると 先行者2にも相当な期待が持てるに違いない。 是非とも、蛇形ロボットのノウハウを生かし より一層のパワーアップ果たした先行者2と会える事を楽しみにしている。 <例えばこんなのとか |